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<EMeye>ルーマニア首相が辞任、財政緊縮批判の反政府デモ活発化で

2012/02/07 14:11

 ルーマニアのボック首相が6日の閣議後に辞任を表明した。同首相は辞任の理由について、社会的な混乱を抑えるために政権の座を退き、後任の新しい首相によって政府がこれまで推進してきた緊縮財政政策をより強固にするためとしている。ここ3週間はルーマニア国内で、政府の緊縮財政に対する市民の不満が広がり、同首相とバセスク大統領の辞任を求める反政府抗議デモが活発化しており、社会問題にまで発展していたことが首相辞任の背景にあるとみられている。

 同首相は閣議で、国民に不人気な厳しい財政緊縮策を取らなければならなかったが、ルーマニア国民は経済の崩壊の淵から国を救ったとして国民に謝意を示した。バセスク大統領は次期首相に元外相のウングレアーヌ氏を指名。同氏が率いる新内閣が議会で信任されるまでの暫定首相はプレドユ法相が務める。

 ボック首相の辞任表明で、同国株式は下落したが、ルーマニアに対するスタンドバイローン合意後4回目の政策評価のため、同国を1月25日から訪問しているIMF(国際通貨基金)代表団のジェフリー・フランクス団長は6日、今回の首相辞任でIMFの同国に対する金融支援プログラムが影響を受けることはないとの見方を明らかにした。

 これより先、米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月23日に、1月中旬以降、ルーマニアで起きている現政権の早期退陣を求める反政府デモが深刻化すれば、政府の財政赤字削減を目指した財政構造改革が失敗する可能性があり、同国の信用格付けに対する見通し(アウトルック)も「ネガティブ」になりかねないと警告していた。

 ルーマニアでは1月12日に、社会保障費の負担軽減を狙った新健康保険法の制定をめぐり、バセスク大統領とボック首相の早期辞任を求める反政府デモが起きたため、政府は一時、事態の収拾を図るために同法の制定を断念したものの、今度は反政府抗議デモの矛先が緊縮財政政策に向かい、1月24日には同国の主要労組が1万人超の反政府デモを首都ブカレストで行った。

 ルーマニア政府は世界的な金融危機を乗り越えるため、過去2年間にわたって、VAT(付加価値税)の税率を19%から24%に引き上げたほか、公務員給与の25%削減など厳しい緊縮財政政策を実施している。

提供:モーニングスター社