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<facebook上場>競合企業との比較で見る、フェイスブックの価値(1)

2012/05/18 18:36

 今や世界に9億人のユーザーを抱える世界最大のソーシャル・ネットワークキング・サービス(SNS)を提供するFacebook(フェイスブック)が、18日米ナスダック市場へ上場する。04年にサービスを開始してから株式公開まで8年。同社が設定した公募価格は38ドルで企業価値は1040億ドルとなり、これは米カード会社大手のビザ<V>や米銀大手シティグループ<C>、ファストフードを展開するマクドナルド<MCD>など米国を代表する企業と肩を並べる。わずか誕生して10年足らずの会社がこうした世界的な大企業と同等の価値があるのだろうか。フェイスブックの企業価値について考えてみる。

<社会インフラとしてのフェイスブック>

 フェイスブックは現在9億人近いユーザーを抱える世界最大のSNSサイトを運営するまでに成長したが、SNSのユーザープロフィールの編集や、友人を見つけ出し管理できるような機能はすでに1997年からこの世に登場していた。03年には音楽・エンターテインメントを中心としたSNSサービスを提供するマイスペースやビジネス向け交流サイトを提供するリンクトインがサービスを開始している。

 SNSでは後発のフェイスブックがここまで成長できた要因は、簡素でしかも実名投稿という形でSNSサービスを広げたことにある。「いいね!(英語ではLike!)」ボタンはユーザー同士が簡単にコミュニケーションを取れるツールの象徴だ。米国でのユーザー数は現在、1億6000万人近くに上り、全国民のおよそ半分が利用していることになり、フェイスブックはすでに社会的インフラの役割を果たしているといってよい。上場申請書によればフェイスブックの目的は、「世界をよりオープンにし、つなぐこと」。フェイスブックを使えば家族の様子や何年も会っていない友達が今何をして、どう感じているかなどを簡単に知ることができる。人とのつながりを支援する世界的なインフラの価値は前出の世界的な米企業にも匹敵すると評価されているのかもしれない。

<フェイスブックの事業>

 圧倒的なユーザー数をバックに収益の柱となっているのが広告収入。11年12月期全売上高の約85%を占める。一方で、ソーシャルゲーム開発などを手掛けるジンガからの収入(アイテム課金)など広告以外の収益が増加傾向にあることから、全売上高に占める広告収入の割合は低下傾向にある。

 同社が現在注力しているのが、システム増強やサービス向上、特許の拡充など、いわゆる会社の「地盤固め」。システム増強については上場申請書の中で今後も継続的に投資を行う方針を示しているほか、直近では4月にマイクロソフトが持つ約650件の特許買い取りを発表した。ツールの向上という点ではスマートフォン(多機能携帯)向けに写真共有アプリを開発する米IT企業のインスタグラムをおよそ10億ドル(約800億円)で買収すると発表したばかり。人材面でも、政界から多くの大物を引き込むなど公的機関とのパイプ作りにも余念がない。

提供:モーニングスター社