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ファンドのリスクの大きさを把握するには

パフォーマンスが好調な時は意識されにくいものですが、投資にはリスクがつきものです。金融商品の中には、ハイ・リスクのものからロー・リスクのものまで様々ありますが、現在自身が取っているリスクやリスク許容度を把握することは長期投資において重要なポイントの1つとなります。また、投資対象資産のリスクの大きさを理解しておくことで、相場の変動時などでパニックに陥ることを避けることができます。

 「リスク」と聞くと、リターンがマイナスになるのがリスクと思う方が多いですが、一般的に投資において「リスクが大きい」という場合は、「想定外に振れた値動きをする」と言い換えることができます。一般的に値下がり(下方リスク)だけをリスクと捉えがちですが、投資の世界では想定外に値上がりした場合(上方リスク)もリスクとされます。
 リスク(変動率)の大きさを表す指標の1つに、「標準偏差(σ)」があります。標準偏差とは、平均値からの誤差のことで、運用においてはリターンのばらつきの度合いを表します。リターンが大きくばらつくということは、それだけ予想外に変動することになるためリスクが大きいとされるのです。なお、標準偏差は値下がりリスク(下方リスク)だけでなく、値上がりした場合も上方リスクとして数値に反映されています。モーニングスターが算出する標準偏差は、一定期間(1,3,5,10年間)において、ファンドの月間リターンがどの程度ばらつきがあったかを算出しています。リターンの一貫性が高ければ、標準偏差は低くなり、一貫性がなくばらつきが大きければ標準偏差は高くなります。リスクの大きさを把握するのに役立つこの標準偏差は、モーニングスターのウェブサイトで確認することができます(下図をご参照ください)。
 標準偏差は「上方リスク」もリスクに含まれていると上記しましたが、大半の投資家が気になる「下方リスク」を知りたい場合はどうすれば良いのでしょうか。モーニングスターでは、こうした投資家のために「リスクメジャー」の算出もしています。リスクメジャーとは、ファンドの値下がりリスクが、全ファンドの中でどの水準にあるかを示した値です。1(低)から5(高)まであり、低いほど下方リスクが低いことになります。下のグラフはファンドのリスクメジャーをカテゴリー別にまとめたものです。国内債券型はリスクが最も低い「1」が90%以上となっているのに対し、国際株式型は最もリスクが高い「5」の割合が40%を占めています。

【カテゴリー別 リスクメジャー分布図】
出所:モーニングスター作成
※2009年3月末基準

 リスクメジャーは他のファンドと比較して下方リスクが高いか低いかを数値で捉えることができ投資をする際の参考になるほか、現在保有しているファンドの下方リスクの大きさを把握することもできるため、注目しておきたい指標の1つです。
 このリスクメジャーはモーニングスターウェブサイトの「ファンド詳細」ページで確認することができるほか、ファンドのスクリーニングができる「ファンド検索」では、リスクメジャーの数値を指定して抽出することもできます(下図をご参照ください)。

 ハイリスク・ハイリターンという言葉は良く知られていますが、実際に投資をする場面ではリターンにばかり目が向いてしまい、その影に潜むリスクは忘れがちではないでしょうか。一方、プロの投資家はリスクに対するリターンの効率性やリスク管理にも重点を置いており、そうした点もプロと個人の違いといえるかもしれません。

 「標準偏差」や「リスクメジャー」は過去のデータに基づき算出していますが、ファンドの持つ潜在リスクとして把握するのに役立ちます。リターンと合わせてリスク指標を確認し、自身のリスク許容度に合わせた投資を心掛けたいものです。

(吉田 絵美子)


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