文字サイズの変更

  • 小
  • 中
  • 大

アナリストの視点(国内株式)

サバイバル時代がやってきた

2008-11-12

 「経営と言うのは生き残ってナンボのもの。厳しい面はある」――パナソニック(6752)が三洋電機(6764)と業務・資本提携で合意、子会社化に向けた具体的な話し合いが始まる。冒頭の一言は7日に開いた両社の共同会見でパナソニックの大坪文雄社長の言葉だ。三洋電機の雇用、ブランド維持についての質問に対する答え。大坪社長は「いまの在り様でスタートする」とし、基本的には雇用、ブランドを継続する方針を明らかにしたが、今後の経営環境によっては、厳しい決断を迫られる可能性を示唆した。過去にソニー(6758)がアイワを吸収合併した例では、アイワという企業は消滅し、ブランドだけが残った。そのアイワブランドもいまではほとんど見掛けることがなくなってしまった。今回のケース、数年後はどうなっているのだろうか。


 ここへきて、ハイテク企業を取り巻く収益環境は厳しさを増している。金融危機の影響から世界景気が減速、需要の落ち込みが懸念される中、デジタル家電を中心に価格競争が一段と激化しているためだ。今年の年末・クリスマス商戦は厳しい内容になるというのが、関係者の一致した見方。半導体関連ではメモリーメーカー、製造装置メーカー、液晶関連部材、電子部品メーカーなどには大幅下方修正が続出、赤字に転じる企業も出現している。例えば、携帯電話。米調査会社IDCによると、7〜9月期の携帯電話機の出荷台数は前年同期比3.2%増の2億9,900万台だった。新興国を中心に上期までは前年同月比で15%程度の成長が続いていたが、ここへきて急減速。携帯電話に不可欠な積層セラミックコンデンサーのトップ、村田製作所(6981)では世界の携帯電話の需要予測を期初の12億3,000万台から12億2,000万台に下方修正している。薄型テレビなどAV機器向けの電子部品も通期で15%程度減少する見込みだ。価格下落とセットメーカーの部品点数削減の動きが響く。


 10月にはパナソニック(当時は松下電器産業)の傘下にあった日本ビクターがケンウッドと経営統合し、共同持株会社JVC・ケンウッド・ホールディングス(6632)がスタートしたが、ここへきての世界経済の変調は“業界再編第2幕”を加速させることになりそうだ。例えば、薄型テレビではパナソニック、ソニー、シャープ(6753)の大手3社がしのぎを削る中、パイオニア(6773)の動向が関心を集めそう。PDP(プラズマディスプレーパネル)テレビやカーオーディオなどの不振とリストラ費用の計上などから今3月期の純利益が780億円の赤字に転じる見通し。同社はシャープが発行済み株式数の14.3%を保有する第2位の株主で、液晶テレビ用のパネル供給も受けている。半導体業界も競争激化による収益環境の悪化に苦しんでいる。ローム(6963)に半導体事業を売却したOKI(6703)の次の一手やDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)価格下落が経営を圧迫しているエルピーダメモリ(6665)の今後の施策も関心を集めそうだ。



バックナンバー