2008-12-05
「100年に一度の金融・経済危機」という。株価も同じ。ならば、「100年に一度のチャンス」のはずだ。モーニングスターが11月30日、都内で「100年に一度の復活相場に乗り遅れるな!」と題して緊急株式セミナーを開催したのも、そのため。しかし、現実には「危機」という言葉だけが一人歩きし、10月〜11月当時よりもチャンスを探るムードはぐっと後退している。景期悪化の“暗雲”は広がるばかりだ。
日経平均が11月で6カ月連続の陰線を記録。1953年10月〜1954年以来、実54年ぶりのことで、当コーナーでは12月2日付で取り上げ、同日付の株式新聞でも「『歴史的』とも言える現象がまた一つ起こった」と指摘している。
こうした50年や60年に一度の出来事ではなく、おそらく(いや、間違いなく)100年に一度と見ていい動きがもう一つ、10〜11月相場に表面化したのは、余り知られていない。それは日経平均株価と200日移動平均線との驚異的なカイ離率だ。
日経平均が終値で7,174円を付けた10月27日、200日移動平均線は1万2,915円だったから、この時点でのマイナスカイ離率(逆カイ離率とも言う)は44.5%。その後、11月20日に38.3%まで下落したが、40%を超えるケースは一度もない(直近、12月4日現在、マイナス35%)。
さて、10月の最安値局面で記録したマイナス44.5%だが、これは1949年5月に東証での取引が再開されて以来、最大の逆カイ離率。今年9月当時まで「大記録」として君臨してきた1990年10月1日のマイナス36.3%を大きく抜き去った。
戦前・戦中の株価については日経平均の連続性が失われているため、比較はできないが、米国株についてはNYダウのデータがきちんと残っている。それによると、NYダウが200日移動平均線に比べ、40%を超えるマイナス水準に落ち込んだのは1931年10月〜1932年5月の局面以外に見当たらない。そして、最大のマイナスカイ離率となったのは1932年5月31日の44.3%だ。今回の日経平均のカイ離率と、ほとんど同じである。
興味深いのは、NYダウがこうした凄まじい逆カイ離率を記録した約40日後の1932年7月8日に41.22ドルという大底を叩いて劇的な反騰相場にシフトしたという点だ。1929年9月3日の381.17ドルから、89%もの崩落相場がついに終止符を打つ前に、ひと足早く200日線とのカイ離率はかつてない数値を刻んでいた。
今回は19年近くに及ぶ超長期の調整波動によって1989年末の大天井である3万8,915円から既に81%下落。76年前のNYダウとは大底に至るまでの調整期間は違うものの、考えられる限りの悪材料をとことん織り込む過程で記録したマイナスカイ離40%台からの反騰相場という歴史的事実は十分に参考になるだろう。
マイナス44%台から、約40日後に局面が転換したNYダウ。もう少しで、日経平均も安値から40日目を迎える。
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