2009-06-08
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先週末6月5日の東証1部の売買代金トップは、上位常連のメガバンクや大手自動車を抑えてジーエス・ユアサ コーポレーション(=GSユアサ、6674)が647億円(売買高は7489万株)の大商いとなった。発行株式総数3億6757万株(6月5日終値現在の時価総額3139億円)という規模の銘柄としては破格の超大商いだ。
東証が4日に発表した、5月の投資主体別売買動向(東京・大阪・名古屋の3市場、1・2部などの合計)個人投資家の売買シェアは、4月を0.1ポイント上回る31.6%と、2カ月連続で30%を超える高水準を保った。これは、2年9カ月ぶりの高い水準だ。これと反比例するように外国人の売買シェアは減少する一方で、50.8%と50%割れ目前まで低下をみせている。
今回の3月半ばからの戻り相場の中で、第1波動ともいえる3月10月から4月10日までの上昇では、公的年金の買い支えに個人投資家が加わった形。第2波動ともいえる4月28日を起点とする上昇では、個人投資家が主体でこれに一部外国人が参加しているようだ。公的年金は利益確定売りのスタンス。
この5月以降の個人投資家主導相場の象徴的な銘柄が、冒頭で紹介したGSユアサだ。GSユアサは、既に三菱商事(8058)、三菱自動車(7211)と共同で同電池の量産計画を打ち出し、09年度から年産2000台分の電気自動車用リチウムイオン電池生産を開始し、近い将来、年産1万台分に引き上げる方針。さらに、ホンダ(7267)とハイブリッド車用を中心とした高性能リチウムイオン電池の製造・販売および研究開発を行う合弁会社を設立する。
6月5日に開催された、三菱自の電気自動車「i-MiEV(アイミーブ)」発表会の会見席上にも三菱自の益子修社長とGSユアサの依田誠社長が同席していた。確かに電気自動車の実用化は、軽量小型で大容量≠フ電池開発の歴史そのものと言っても過言ではない。
これに、二酸化炭素(CO2)削減など地球温暖化防止の世界的なエコ政策推進が強烈な追い風となり、「夢のある理解しやすい銘柄」として、GSユアサへの個人投資家からの買いが集中した。そして、最近はあまり語られなくなったが、GSユアサの株価の強さの背景には復元力≠ェある。
GSユアサの株価は08年1月の安値195円を起点に、リチウムイオン電池の開発を手掛かり材料に、わずか5カ月後の同年6月19日には630円まで3.2倍の短期急騰をみせた。ところが、その後同年秋のリーマ・ンショックによる全体相場の急落で、10月28日には、1月安値を下回る182円までたたき込まれた。この時点では、ほとんどの市場参加者が「GSユアサの相場は終わった」と判断せざるを得ない状況だった。しかし、そこからまさに不死鳥のように甦り、6月5日には893円の高値を付けて、昨年10月安値から4.9倍とほぼ5倍という驚異的な上昇をみせているのだ。
連結PER125倍を引き合いに出すまでもなく、常識的にみればGSユアサの株価水準は明らかに過熱状態≠ノある。今後は反落に転じないまでも、一服状態は当然といえそうだ。ただ、5月29日申し込み現在の東証信用倍率は0.65倍と売り長で、売り方の買い戻しによる踏み上げ相場が継続する可能性も残されている。いずれにしても、材料株の象徴といえるこの銘柄の動向が個人投資家の投資姿勢に与える影響は少なさそうだ。
(冨田 康夫)
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