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アナリストの視点(国内株式)

一方通行しやすい新興市場、戻り相場で活躍も

2010-05-24

 今回の下落相場でも一方通行しやすい小型株相場の怖さを思い知らされた。マザーズ指数は17日と18日の2営業日で11.6%も下落。上げ過ぎた反動が出て、下げたことが見切り売りを誘い、さらに追い証(追加証拠金)発生に伴う処分売りが一気に出たようだ。

 ギリシャ・ショックに端を発した今回の調整相場はゴールデンウイーク明け6日から始まったが、小型株は比較的値もちが良かった。東京市場全般が持ち直せば小型株は戻る。なぜなら新興市場の主力であるネット株は国内だけで稼ぐ企業がほとんどで、外部環境に影響を受けにくい収益体質だから。為替や欧州売上といった実態への影響が出る輸出株に比べて影響は小さいはず。そういって持ちこたえていた分、足元で一気に売りが噴き出してしまった。

 小型株は業績面こそ外部環境の影響を受けにくい企業が多いものの、株価の動向は相場のマインドや投資家のリスク許容度に振られやすい。4月までの上昇相場では東証1部市場を上回るパフォーマンスとなっており、直近では激しい下げに見舞われている。

 一方通行しやすいだけに株価が行き過ぎることが新興市場の特徴の一つ。暴落後の19日はマザーズ指数が東京市場全般に先行して反発。下げのきつかったサイバーエージェント(4751・M)など主力ネット株に買いが入り、売買代金上位銘柄が後場から買われた。いったん東京市場全般に底打ち感が台頭すれば大きく下げたセクター、また外部環境の影響を受けにくいセクターにはリバウンド狙いの買いが入りやすい。新興市場のネット株は両方の条件を満たすセクターでもある。

 業績面に懸念のあるミクシィ(2121・M)は別にしても、業績好調なサイバーや新ビジネスに次々参入するACCESS(4813・M)、衣料品Eコマース(電子商取引)市場のトップを走るスタートトゥデイ(3092・M)などは投資妙味の大きい水準まで調整してきたとみられる。現状を強気な視点で見れば懸念材料はマインド面だけ。それが後退すれば、急落相場で目先筋の振るい落としが済んでいることで需給面は良好であり、加えて為替や欧州景気の影響を受けないビジネスモデルであるため懸念を引きずることもなさそうだ。

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 一方、暴落相場でも底堅い推移となっていた価格比較サイト運営のカカクコム(2371)や「モバゲータウン」運営のディー・エヌ・エー(=DeNA、2432)、「GREE」運営のグリー(3632・M)などは、ネット株リバウンド相場に乗って高値を追う展開に進む可能性もある。継続的な業績拡大を続けているだけに安心感が強く、不安定な相場環境で選別的に物色される可能性がありそうだ。

(小泉 健太)


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