2010-07-15
日本株を覆う暗雲の狭間(はざま)から曙光が見えてきた。
与党・民主党は大敗したものの、「国際的な金融市場は、米国の景気や企業の決算、欧州の信用不安問題を注視しており、目まぐるしく交代する日本の首相や政策には関心が低い」(邦銀系証券)との見方がされている。
さらに、昨年末以来、全般相場の足を引っ張っていた、メガバンクの株式需給懸念も、みずほフィナンシャルグループ(8411)による大型増資の発行価格が決定。需給悪化は終盤に近づく。しかも、みずほは7月30日に今3月期第1四半期(4〜6月)決算を発表予定。みずほだけではなく、メガバングは好決算が見込まれており、銀行株には、いよいよ反騰機運が台頭してくる。
焦点は引き続き、為替動向だが、先行きは依然不透明。ここからはむしろ、銀行株などの内需にターゲットを絞ってみたい。
銀行株以外では、電鉄株に注目。先陣を切ったのが、年初来高値圏内で推移する京浜急行電鉄(9006)。同電鉄は羽田空港駅に乗り入れていることもあり、同空港の滑走路の増設や発着便の拡大という話題が買い材料になる。
また、京成電鉄(9009)の「成田スカイアクセス線」開業(7月17日)に伴い、京急・羽田空港駅と京成・成田空港駅直通電車が運行。また、10月21日には新駅「羽田空港国際線ターミナル駅」が開業予定で、空港関連の話題が相次ぐ見通しだ。
一方、メリルリンチ日本証券は2日付で「変貌(へんぼう)を続ける東京と鉄道事業」とのリポートを発表。ポイントは「変貌する東京の大型不動産開発や新線開業(相互直通を含む)に伴う旅客流動の変化」。まさに、京急と京成の関係だ。京成の成田スカイアクセス線では沿線の不動産開発。京急では沿線のホテル事業の拡大などにも期待が掛かる。
同証券では「関東民鉄の旅客需要は景気以上に、沿線開発による定期外需要の増加が利益成長ドライバーになる」という。過去には丸ビルや六本木ヒルズ開業以降の旅客需要が大幅に増加した経緯がある。また、今後は2012年春開業予定の「東京スカイツリー」(東武グループ)や、「渋谷ヒカリエ」(東急グループ)に旅客需要の活性化期待が見込まれるとしていた。
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沿線開発だけではない。地下鉄・東京メトロの新規上場も関東民鉄株を刺激する。早ければ、今年度の上場と見込まれていたが、巨額の有利子負債を持つ都営地下鉄との統合が検討されており、来年度以降に先送りされる見通し。新規上場すれば私鉄トップクラスの時価総額となり、相互乗り入れの進展など、民鉄の旅客需要拡大や利便性向上など相乗効果が期待されている。
(阿部 秀司)
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