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アナリストの視点(国内株式)

日本株、出遅れ挽回は可能か NYダウはリーマンショック前の水準を回復

2010-11-09

 NYダウは連日の年初来高値更新で2008年9月8日以来の高値を付け、米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)する前の水準を回復してきた。

 世界中の市場関係者の注目を集めていたFOMC(米連邦公開市場委員会)では6,000億ドル(約48兆円)の米国債の追加買い入れなどが発表された。ほぼ、事前の予想通りの内容だったが、景気回復への期待から資源株などが買われている。

 東京市場でも4〜5日にかけ、日経平均株価は大幅高となり、一気に9,600円台まで上昇してきた。買い戻しが中心との声が聞かれたが、米国経済の回復と金融緩和による過剰流動性が続くとみるならば、日本の株式市場にとっても悪いことではない。

鉄鋼セクターに魅力

 そこで注目したいセクターが「鉄鋼」だ。世界景気敏感、カネ余り相場で人気化しやすい豊富な流動性などの条件を備えている。円高の逆風、サプライズなしの決算などで足元の人気は高くない。しかし、「人の行く裏に道あり花の山」「人びと西に走らば我は東」などの相場格言にもあるように、人気離散の局面をチャンスととらえたい。

 鉄鋼株のリーマン・ショック後の株価動向を振り返ってみたい。

 新日本製鉄(5401)の場合、リーマン・ショック後の安値は09年3月の233円。その後の高値は同年6月の407円だ。そして直近の安値は10月29日に付けた250円。リーマン・ショック後の安値と比べるとわずか7.2%上の水準。

 住友金属工業(5405)もリーマン・ショック後の安値との比較では11.8%上の水準と振るわない。一方で神戸製鋼所(5406)は59.6%上昇、JFEホールディングス(5411)は32.3%の上昇。ただし、この2銘柄もリーマン・ショック後の高値から直近の安値までの下落率はそれぞれ22.3%、36.8%とさえない状況だ。

海外向け中心に鉄鋼需要は堅調、アジアには中期でも期待

 一方で鋼材の需要は輸出を中心に好調が続いている。日本鉄鋼連盟の発表によれば10年9月の鉄鋼輸出は374万トンと9月としては09年の357.7万トンを超えて過去最高を記録している。仕向け先別ではタイが11カ月連続の増加となるなどアジアの新興国向けが伸びている。

 アジアではJFEがタイで溶融亜鉛めっき鋼板ラインの新設(稼働予定は13年4月)を決めている。住金はブラジルでのシームレスパイプ事業、神戸鋼はベトナムでのプロジェクトに取り組むなど、各社はアジアを中心とする新興国の成長を取り込む体制の構築を着実に進めている。

アクセスランキング(過去1週間)

 まだ、下値はあるかもしれないが、相場の転換点が近づいているとするならば、鉄鋼セクターは魅力的な物色対象といえる。

(三浦 祐輝)


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