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基調講演 第1部

これからの世界経済はこう動く
-再び世界の成長センターになるアジアの発展に期待-

  • 国際ジャーナリスト 蟹瀬 誠一氏

 国際ジャーナリスト 蟹瀬誠一氏の講演では、「これからの世界経済をこう動く」をテーマに、「世界経済の成長は止まらない。そして、再び『アジアの時代』が訪れる」と見通しを語った。講演の要旨は以下のとおり。

世界経済の3つのリスク

 世界経済にはリスクが3つある。「英国のEU離脱」、「米国の利上げ」、そして、「中国の減速」だ。

 3つのリスクのうち、「英国のEU離脱」については、“離脱ショック”が収まってきている。これから始まる離脱交渉は、少なくとも2年、長くて10年にもおよぶ長期交渉が予想され、緊急で備えなければならないリスクとは意識されなくなってきた。

 「米国の利上げ」は、FRBの出口戦略として数年来意識されてきたこと。問題は、米利上げによって、新興国などに流れた資金が米国に戻るのかどうか。新興国の株安、通貨安などに繋がれば、先進国経済にも影響するため、利上げ慎重論もあったが、徐々に「利上げ恐怖症」は小さくなってきている。

 一方で、新しいリスクも台頭してきている。ロシア、トルコ、フィリピン、北朝鮮などでくすぶっている戦争のリスクがひとつ。また、米国大統領選挙の見通しもヒラリー・クリントン候補の健康不安説で分からなくなってきた。もし、トランプ氏が大統領になれば、円高・株安が進む可能性がある。

 このようなリスクに関する感覚を磨くことが大事だ。日本人は、元本保証型で2倍や3倍といった金融商品に期待する欲張りな傾向があるが、現実には「ローリスク・ハイリターン」の商品などはない。運用で増やしたければ、相応のリスクを取ることが必要だ。

目先の変化ではなく長期の変化に目を向ける

 これからの世界経済を予想することは難しい。特に、大統領選挙の結果など、個別の事象の予想はわからない。ただ、大きなトレンドを考えることは可能だ。

 世界経済について、50年先、100年先を考えてみる。経済成長に欠かせないのは、消費の増大、すなわち、人口増加だ。中世の頃の人口は世界に5億人いたといわれている。20世紀初頭に25億人になり、20世紀末には60億人、現在は73億人程度になっているとされる。そして、今世紀末の予想は100億人超だ。人口増大社会では、経済は成長するしかない。

 この経済成長によってもたらされるものは、あらゆるモノの不足だ。食糧、エネルギー、水が足りなくなる。すなわちインフレになる。これからの世界は、経済成長を続けてインフレになるということが大きな流れだ。

対談用写真

国際ジャーナリスト
蟹瀬 誠一氏

 一方で、成長センターは移動する。かつて、アジアから広大な領土を支配したモンゴル帝国が栄えた。その後、産業革命でイギリス、そして、アメリカが世界の経済の中心になった。この動きが、再びアジアに戻ってきそうだ。2050年には世界のGDPの50%をアジアが占めるといわれている。

 ただ、日本は人口が減っている。1億2,700万人いた人口が半分になる見通しだ。現在の出生率が継続すると仮定すると、西暦3200年には日本人は1人になってしまう。毎年30万人程度の減少なので、緊張感がないが、人口が大きく減少することのリスクは大きい。

再び訪れるアジアの時代

 今後の世界経済をシンプルに展望すると、次のようになる。「米国、インドは強い(人口増の経済)」、「中国は後退する(共産党独裁政権の危うさがリスクになる)」、「欧州は停滞する(英国のEU離脱の影響はEU各国に深刻)」、「資源国と非資源国は2分化する(資源バブルの崩壊に苦しむ資源国、資源安で安定し豊かになる非資源国)」。そして、「日本は、夢からさめる」だろう。

 アベノミクスは、出足は上手くいって、株価は60%値上がりし、円は20%下がった。しかし、この期待感に実態が伴わず、現在は期待がしぼんだ状態だ。マイナス金利でも消費が伸びない現状は「万策尽きた状態」といえる。これまでの大企業優先の経済対策に無理がある。日本の420万社にのぼる企業のうち、99.7%を占める中小企業対策に本腰を入れるべきだ。中小企業は雇用の70%を支えており、中小企業が元気になることで、日本には明るい将来が展望できるようになるだろう。

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