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投信エキスポ2016投信エキスポ2016

基調講演 第2部

マイナス金利にも負けない究極の分散投資術

  • モーニングスター株式会社
    代表取締役社長 
    朝倉 智也

 モーニングスター代表取締役社長 朝倉智也は、「マイナス金利だといって目先の利回りを追求するのではなく、長期で成長する資産に分散投資することが大事だ」と語った。講演の要旨は以下のとおり。

マイナス金利で目先の利回りを求めるのではなく、分散投資に活路を

 日銀のマイナス金利政策によって、国債の利回りは大幅に低下した。今年1月29日にマイナス金利政策の導入を発表する前の国債利回りと、9月12日現在の利回りを比較すると、全般的に利回りが大幅に低下していること、かつ、長期の国債ほど利回りの低下が大きく、イールドカーブ(利回り曲線)がフラット化してきていることがわかる。長期の方が利回りが高いために、より人気を高めた結果だ。

図表1:マイナス金利導入後、国債の利回りは大幅に低下

図表1:マイナス金利導入後、国債の利回りは大幅に低下
  • 出所:Bloomberg 日本国債のイールドカーブ
  • ※ 日付は、日本銀行発表当時

 しかし、冷静に考えると長期の債券にはリスクがあることがわかる。たとえば、利回りを求める投資家は、国債よりも利回りが高い社債にも殺到しているが、20年物の社債が国債利回り0.3%上乗せされて、0.69%の利率がついていたとして、その利回りに飛びつくほどの価値があるだろうか?

 また、利回りを求める資金は、米国のハイ・イールド債券やREITに向かっている。国内投資信託の残高上位は、米国REITやグローバルREITのファンドばかりだ。世界的な低金利が米国不動産への資金流入となり、米国不動産の還元利回り、不動産投資額に対する賃料収入の割合は、既にリーマンショック前の水準を超えて下がっている。

 マイナス金利と聞くと、目先の利回りを求めてしまいがちだが、一歩先を見て、分散投資の価値を改めて考えてほしい。資産別の年次リターンを振り返ると、パフォーマンスの順位はめまぐるしく変わっている。翌年の1位になる資産を当てようと思っても、実際には何が良くなるか分からない。2013年〜15年は新興国株式のパフォーマンスが不振だったが、16年になった値上がりしているのは新興国の株式だ。将来を見通すことは難しいので、分散して投資したい。

成長を取り入れた分散投資を長期に行うことの重要性

 IMFの世界経済の成長率予測では、先進国の成長率は2020年にかけて大きくは伸びない。米英のアングロサクソン資本主義は相対的に高い成長が見込まれているが、日本やドイツの成長率は低い。また、新興国は中国やインドなどが比較的高い成長を続ける見通しだ。2030年の世界経済のGDPシェアは、中国が米国を抜いてNo.1になり、日本はインドにも抜かれて第4位になる見通しになっている。

 今年の年初来の株価騰落率をみると、1位からブラジル、ロシア、インドネシアと並ぶ、ここ数年間は大きく下落した市場だ。ウォッチしていなかったような国の株価が上がったりするので、単一国に投資するのは大変な勇気がいる。

対談用写真

モーニングスター株式会社
代表取締役社長

朝倉 智也

 一方、企業をみても、10年前の時価総額トップ10と現在を比べると様変わりしている。10年前はトヨタ自動車がトップ10に入っていたが、現在は米国企業のみだ。また、現在のトップ10で10年前もそうだったのは、マイクロソフト、エクソン・モービル、ゼネラル・エレクトリックだけだ。アップルやアルファベット(グーグル)など、新しい企業が大きく成長している。

 アジアの時価総額上位を調べると、10年前はトップ10のうち6社を日本企業が占めているが、現在ではトップ10の8社は中国企業だ。日本は構造改革ができずに、新しい企業を育てられなかったことがわかる。

 これからの成長産業を考えると、フィンテック、ブロックチェーン、IoT、AIなどが大きな成長の可能性を持っている。これらの分野は投資したくなるような夢がある。世界経済全体には閉塞感のようなものがあって、何に投資したらよいのか分からなくなるが、IoTやVR、ARなどの新しい技術に着目すると、5年、10年の先を見れば大いに魅力的な銘柄が多く存在する。

 ポートフォリオに将来の成長を組み込んで考えてほしい。「成長」「インカム」「インフレヘッジ」に分けてポートフォリオを組んでみることはひとつのアイデアだ。

セミナー風景

図表2:ポートフォリオに将来の成長資産を組み込む

図表2:ポートフォリオに将来の成長資産を組み込む

 そして、大事なポイントは長期で投資するということ。株式や債券に分散して投資したポートフォリオを、1年保有、5年保有、10年保有した場合でパフォーマンスを調べると、保有期間が長くなるほど、プラスのリターンになる確率が高まる。10年保有すると、どのタイミングで投資してもプラスという結果になった。長期に分散投資することがいかに大事であるかということを、常に考えていただきたい。

図表3:長期分散投信の重要性

図表3:長期分散投信の重要性
  • ※ 日本株10%、先進国株40%、新興国株20%、先進国株10%、金10%の比率で投資を行い、毎月リバランスを実施したと仮定
  • ※ 円ベース=月末インデックス値×月末TTM
  • ※ 1998年12月〜2016年1月までの月次リターンに基づく
  • ※ 日本株=TOPIX(配当込み)、先進国=MSCIコクサイ(円ベース、配当込み)、新興国=MSCIエマージング(円ベース、配当込み)、先進国債=シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)、新興国債=JPM EMBIグローバルディバーシファイド(円ベース)、金=NY金先物価格(円ベース、期近)
  • 出所:モーニングスター作成

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