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特別講演 第5部

値下がりに備える資産運用
〜ファンドの組み合わせが大切な理由〜

  • ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長 
    藤原 延介氏

資産運用で無視できない「値下がり」とどうやって向き合うのか?

 値下がりに備える資産運用というテーマで話を進めたいと思います。資産運用でマーケットと向き合っていると、値下がりは無視できません。値下がり局面で、どのように資産を守っていくのかということが大事です。

 2006年12月からの市場の動きを振り返ると、何度か値下がりの局面がありました。2008年9月からは、リーマンショックとそれに続く金融危機です。この中で、新興国株式の動きは、2007年に100が150近くまで値上がりしていましたが、金融危機の下落時には50まで下がりました。日本から新興国株式に投資していた人は、為替変動も含めて150が50まで、3分の1になってしまう経験をしました。これは極端な例で、自分の全資産を新興国株式に100%投資している人は多くないと思いますが、このような大きな値下がりの時に、どうやって資産を守るのかを考えてみます。

株価の下落時に値を保つ日本債券とヘッジ付き外国債券

 2011年のギリシャショック、12年の欧州危機の深刻化、15年のチャイナショックなど大きな相場下落局面がありましたが、どの期間においても、株式は先進国でも新興国でも下落していますし、為替市場では円高にもなっています。海外資産に投資しているとその資産が下がっていなくても円高でマイナスになってしまいました。

図表1:相場下落時における主な資産クラスの値動き

図表1:相場下落時における主な資産クラスの値動き
  • 出所:ブルームバーグのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)が作成

 この相場下落局面で上昇しているのは、日本債券と先進国債券為替ヘッジありです。外国債券に投資をする場合、為替ヘッジが重要になります。海外の債券に投資して、しかも、為替をヘッジするというのは、なかなか個人ではできないことだと思います。それを可能にする手段として投資信託という選択肢があります。株式を持っていて、それが下落する局面で値上がりするものを持っていることはクッションの役割を意味します。

 為替のヘッジについて具体的に説明しましょう。例えば米国債の10年物は3%程度の利回りがありますが、それをそのまま保有しているだけでは為替のリスクがあります。100万円分の米国債を持っているということは、それだけの米ドルを持っていることと同じです。円高になれば、値下がりしてしまいます。

対談用写真

ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
資産運用研究所 所長

藤原 延介氏

 一方で、為替ヘッジにはヘッジコストがかかるため、そのコストを管理することが重要です。足元のヘッジコストの状況を見てみると、ユーロのヘッジコストはマイナスになっています。米ドルはヘッジコストが高いので、ヘッジコスト控除後の実質的な利回りがいくらかを見ていく必要があります。たとえば、3%利回りの米国債と1%利回りのドイツ国債があった場合、ヘッジコストを勘案すると、実質的な利回りはドイツ国債の方が高いということもあります。ヘッジコストの状況は、変動するものであり、ヘッジコスト控除後の利回りを比較することが重要です。

 このような国内債券やヘッジ付き外債への投資は、守りの部分としてバランスファンドの1部で保有したり、株式型のファンドを持っている投資家が2本目のファンドとして保有したりするケースが増えています。ファンドの残高でみると、2008年以前は国内債券ファンドやヘッジ付き外債ファンドの残高は大きくなかったのですが、リーマンショック後に残高が増え、現在では7兆円規模になっています。国内の公募株式投信(ETF除く)の残高が65兆円程度ですので、10%以上を占めるまでになっています。

「グローバル公益債券ファンド」を使った資産を守る運用方法

 具体的に、どのような活用をすればよいのかということを、弊社の「グローバル公益債券ファンド」を使って検証してみました。Aコースは、為替フルヘッジのコースとなります。

 日本株を持っている場合のヘッジ外債の組み入れ比率についてですが、日本株はリスクが17.8%です。リスク17.8%とは、1年間で2倍の35%くらいまでは値動きがぶれる可能性があるとイメージできる水準です。リスク5%とは10%くらいのぶれがある水準ですので、値動きを抑制するという意味で1つの目安になるリスク水準ではないかと思います。

 「グローバル公益債券ファンド」Aコースのリスクは4.1%です。これを90%にすると、リスクは3.9%、80%の組み入れで4.5%、70%で5.7%になります。株式の組み入れ比率を高めるほどリスクが高くなっていきます。

図表2:ヘッジ付き外債ファンドを活用したリスク・リターンの改善例

図表2:ヘッジ付き外債ファンドを活用したリスク・リターンの改善例
  • 出所:ブルームバーグのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)が作成

 また、債券だけに投資して為替ヘッジの比率を変えた場合のリスク水準の変化をみてみます。Aコースはフルヘッジ、Bコースは為替ヘッジなしのコースです。「グローバル公益債券ファンド」は、米ドル建て債券に60%、欧州通貨建てに40%程度の投資をしています。為替ヘッジしない場合は9.0%のリスクがあります。Aコース80%、Bコース20%の割合で投資すると、Aコースだけを持つよりもリスクが減ります。これは、為替リスクと金利リスクは相殺する関係にあるため、為替をフルヘッジしてしまうと金利リスクだけを取ることになるため、リスクが上がってしまうのです。もし、外国債券投資だけを行う場合は、一部は為替ヘッジしないことで全体のリスクを下げることに役立ちます。

 株価が下落する時には為替も円高外貨安となるケースが多いため、資産を守る際には、為替ヘッジをした外国債券を組み合わせてポートフォリオを構築することを検討するとよいでしょう。

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