独立系運用会社特集モーニングスターアワード受賞記念セミナー採録

特集2

独立系ファンドの特徴・強み

 独立系運用会社(以下、独立系)は、市場が変動する中でリスクを相対的に抑えた資産形成につながる①積立投資と②長期投資、そして③パフォーマンスの観点で特徴がある。以下、独立系のKPI(共通成果指標)と過去の運用成績をみてみたい。

①積立投資

 独立系各社の全顧客数に占める積立契約を行っている顧客数の比率(積立契約顧客比率)は10社中4社が公表しており、コモンズの79%をはじめ、いずれも過半数となっている。独立系ならではの投資家との距離の近さを活かして、積立投資の利点を伝え続けてきた資産運用啓蒙の効果が顕れているといえる(図表1参照)。

図表1:積立契約顧客比率

図表1:積立契約顧客比率
  • ※各社公表資料(2019年3月末時点)よりモーニングスター作成
  • ※クローバーは「年代別定期購入サービス利用率」の単純平均

 このような積立契約顧客比率の高さが投資家の利益に結びついているかを確認するために試算を行ってみた。具体的には、コモンズの「コモンズ30ファンド」を設定月(2009年1月)以降毎月10,000円ずつ積み立てた場合と、同月末時点でモーニングスター類似ファンド分類「TOPIX連動型」に属するファンドの中で最も信託報酬等の低いファンドを同条件で積み立てた場合の評価額の推移を比較した。2019年7月末時点では積立投資額(元本)126万円に対し、TOPIX連動型投信は196万円、「コモンズ30ファンド」は205万円の評価額となっており、アクティブファンドの「コモンズ30ファンド」は、積立投資額(元本)を約80万円上回っただけでなく、低コストのパッシブファンドも約9万円上回る利益を獲得しており、優位性を示した(図表2参照)。

図表2:「コモンズ30」とTOPIX連動型投信の積立評価額推移

図表2:「コモンズ30」とTOPIX連動型投信の積立評価額推移
  • ※積立期間:2009年1月~2019年6月
  • ※毎月末10,000円ずつ、課税前分配金再投資後基準価額にて購入し、翌月末の時価で評価
  • ※TOPIX連動型投信=2009年1月末時点で類似ファンド分類「TOPIX連動型」に属し、確定拠出年金およびファンドラップ専用、ETF等を除くファンドの中で最新の信託報酬等が最も低いファンド

②長期投資

 次に、平均保有期間をみると、2019年7月末時点では投信全体(※)の3.5年に対して独立系は6.2年となっており、過去5年間でも一貫して上回っている(図表3参照)。もっとも、2016年8月から2017年11月にかけて独立系の平均保有期間が低下する局面もあった。この背景には、同期間の月末の日経平均株価が16,000円台から22,000円台へと上昇しており、利益確定目的の解約が出やすかったことがある。
※投信全体=国内公募追加型株式投信(確定拠出年金およびファンドラップ専用、ETF等除く)、以下文中、図表同様

図表3:平均保有期間の推移

図表3:平均保有期間の推移
  • ※期間2014年7月~2019年7月(月次)
  • ※平均保有期間=過去1年間の[(期首純資産残高+期末純資産残高)÷2]÷(年間の累計解約額)

③パフォーマンス

 最後に、独立系ファンドのパフォーマンスをみたい。2019年3月末時点では10社中6社が運用損益別顧客比率を公表している。運用損益が0%以上の顧客の比率をみると、セゾンの97.8%、ありがとうの94.8%を含めた5社で大手証券・銀行平均の66.2%を大きく上回っている(図表4参照)。一方、大手証券・銀行平均を下回ったレオスでは、2017年以降に取引を始め投資期間が短い投資家が多いため、基準価額の短期的な変動の影響を受け運用損益がマイナスとなった顧客比率が高い。レオスの中でも4年以上投資している投資家は9割以上がプラスとなっている。また、積立契約顧客比率を公表している4社は、すべて運用損益別顧客比率も公表し、かつ高い水準にあるのも特徴的だ。

図表4:運用損益がプラスの顧客比率

図表4:運用損益がプラスの顧客比率
  • ※大手証券・銀行=野村證券・大和証券・SMBC日興証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券・みずほ証券・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行
  • ※2018年3月末=ありがとうは2018年3月末掲載なしのため2018年8月末、クローバーは掲載なし、大手証券・銀行は掲載なしの野村證券以外の平均
  • ※各社資料(2019年3月末時点)よりモーニングスター作成

 個別ファンドの設定から2019年7月末までの5年保有トータルリターンをみると、2009年までに設定された10本のうち、「ひふみ投信」など2008年以降に設定された6本は設定来のすべての月でプラスとなった。一方、「さわかみファンド」など2007年までに設定された4本はリーマン・ショックの影響を大きく受けたものの、6割以上の月でプラスのリターンを獲得している(図表5参照)。長期投資した場合にプラスのリターンとなる割合が高いファンドが多いことが分かる。

図表5:設定来の5年保有トータルリターンの分布

図表5:設定来の5年保有トータルリターンの分布
  • ※期間:設定~2019年7月(月次)
  • ※独立系ファンドのうち、運用期間が10年以上あるファンドを対象
  • ※過去5年間のトータルリターン(年率)がプラスの月をプラス月、マイナスの月をマイナス月としてカウント

 モーニングスターレーティングの2019年7月末時点における5ツ星ファンドと4ツ星ファンドの合計シェアをみると、独立系は42.1%と、投信全体の22.8%を大きく上回っており、相対的な運用の効率性でも優れたファンドが目立つ(図表6参照)。また、未付与のファンドの割合が小さいことから、モーニングスターレーティングが付与対象とする3年以上運用を継続しているファンドの割合が投信全体と比較して大きいこともみてとれる。

図表6:独立系と投信全体のモーニングスターレーティング分布

図表6:独立系と投信全体のモーニングスターレーティング分布
  • ※2019年7月末時点

 独立系ファンドは積立投資・長期投資の水準が高く、パフォーマンス面でも優位にあることが分かった。金融業界全体がフィデューシャリー・デューティーやKPI重視に舵を切る中、今後も独立系には良好なパフォーマンスに加えて、適切な情報の開示や提供なども含めた顧客本位の業務運営の更なる向上が期待される。

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