ロンバー・オディエ イベントレポートロンバー・オディエ イベントレポート

掲載期間:2020年1月22日~2020年2月25日

開会の辞

ロンバー・オディエの紹介

  • ロンバー・オディエ信託株式会社
    代表取締役
    小島 三津雄氏

 ロンバー・オディエは、1796年にスイスのジュネーブで創業し、220年以上の歴史を持つプライベート・バンク(個人所有の銀行)です。経営に責任を持つパートナーが全額出資し、独立した経営体制を持つプライベート・バンクとしては欧州最大級であり、その業務は一貫して資産運用に特化しています。

講演1

サステナビリティ革命の世界へようこそ

  • ロンバー・オディエ信託株式会社
    代表取締役
    小島 三津雄氏

サステナブル(持続可能な)投資は、ロンバー・オディエのDNA

 サステナビリティ(持続可能性)は、ロンバー・オディエの投資哲学であり、長期的なリターン(収益)の源泉であると考えています。ロンバー・オディエは、これまで環境問題や人口問題など、様々な社会的課題の解決に積極的に向き合う中、運用手法のひとつとして「ESG-環境(E)、社会(S)、企業のガバナンス(G)」を評価基準とし、世界中の投資対象企業の分析に活用しています。

 ロンバー・オディエのサステナブル(持続可能な)投資の歴史は長く、1841年に奴隷制度に基づく企業への投資を警告したことに遡ります。1997年には株式投資においてESGスコアリング手法を構築し、2004年にはESG投資のクオンツ運用を開始しました。

対談用写真

ロンバー・オディエ信託株式会社
代表取締役

小島 三津雄氏

図表1:サステナブル(持続可能な) 投資は、ロンバー・オディエのDNA

図表1:サステナブル(持続可能な) 投資は、ロンバー・オディエのDNA
  • ※説明のみを目的に記載しています。1.ロンバー・オディエの独自の「CAR (意識・行動・結果)」システムは、115のデータポイントを分析し、話者、実行者、達成者をより明確に分類し、企業の真のサステナビリティ(持続可能性) および移行についてより分析することを可能としています。2.B コープは、ニューヨークに拠点を置くグローバルな非営利団体であるB-Labによって運営されている、企業のサステナビリティ(持続可能性) を認証する世界最先端の認証制度のひとつです。

 2011年には、投資除外規定を策定し、クラスター爆弾や無人兵器など論争のある兵器に関与する企業への投資を除外し、さらに2013年には、米、麦、大豆、トウモロコシなど主食となるコモディティへの投資除外規定を策定しました。これは、人々の主食となる食料の安定供給を確保するため、価格の変動に関与する企業には一切投資をしないことを目的としています。

 2016年には、二酸化炭素排出量を計測する独自の手法を構築し、2017年にはグリーンボンドへの投資に特化したAIM社(アファーマティブ・インベストメント・マネジメント)と業務提携し、LOファンズ・グローバル・クライメイト・ボンドの運用を開始しました。また、2019年には、サステナビリティ(持続可能性)の取組みを評価する認証制度である、BCorp認証を取得しました。

急速に浸透するESG投資

 2015年にはCOP21でパリ協定が合意され、また、同時期にフォルクスワーゲンの排ガス不正問題が発覚したことに伴い、運用の世界でもESGの重要性が再認識されました。そして、同年、世界最大の機関投資家である日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国連責任投資原則(PRI)に署名したことをきっかけに、日本においてもESG投資への関心が高まりました。

 ロンバー・オディエは、サステナビリティ(持続可能性)こそがリターン(収益)の源泉であると考えていますが、現在のサステナビリティ(持続可能性)の重要な課題は、「人口動態」、「気候変動」、「不平等」であると考えています。

  • 人口動態-先進国の少子高齢化問題および発展途上国における人口増加問題
  • 気候変動-過去20年間において二酸化炭素排出量が60%増加したことに伴う深刻な地球温暖化問題
  • 不平等-ほぼすべての国における所得の不平等の増加と世界の中産階級が減少していることへの懸念

 日本はかつて中産階級大国と言われ、多くの人々が退職金と年金で豊かな老後を過ごすことが可能でしたが、今日では、老後資金を自らが貯蓄しなければならない時代になりました。

 このような社会的課題に対し、ロンバー・オディエは、経済成長と環境負荷を切り離す「デカップリング」の必要性を提案しています。以前は、環境問題解決のための投資においては、リターン(利益)の犠牲もやむを得ないとの考え方が一般的でしたが、我々は、経済成長および環境改善のどちらも実現可能ではないかと考えています。この「デカップリング」概念への変革の主な原動力は、規制、革新性(イノベーション)、そして、消費者動向であると考えています。

 また、ロンバー・オディエは、サステナビリティ(持続可能性)を投資戦略に組入れる際に、企業を大きく「ワシ」と「ダチョウ」の2種類に分類しています。「ダチョウ」は危険が迫ると砂の中に頭を入れて現実を見ようとしない習性を持つことから、変革から目を背ける企業を象徴し、一方で「ワシ」は変化に敏感であることから、変革を厭わずより良い、よりサステナブル(持続可能)なビジネスモデル、ビジネスプラクティス(商慣習)へ移行している企業を象徴しています。ロンバー・オディエは、「ワシ(よりサステナブル<持続可能>な企業)」を選択することにより、より高いリターン(利益)を追求することを目的としています。

ESGの3つの測定基準

 ESGの観点から企業分析を行う際、ロンバー・オディエは、「長期的測定基準」、「短期的測定基準」、そして、「インパクト測定基準」の3つ基準を策定しています。

 まず、「長期的測定基準」とは、世界約1万4,000社の企業を対象に、企業の環境問題への取組み、社会的な課題解決への取組み、そして企業のガバナンスを測定するため、外部データや様々な公開データを活用し、独自のリサーチ結果を導き出します。

 具体的には、ESGを115項目のデータポイントで分析し、さらにロンバー・オディエが独自に開発したCAR(意識<Consciousness>、行動<Action>、結果<Result>)システムを活用し、新たな115項目のデータポイントを分析することで、ESGの観点のみならず、企業の意識、行動力、そして結果をより深く分析することを可能にしています。

図表2:独自の「CAR」アプローチによる詳細なESGスコアリング

図表2:独自の「CAR」アプローチによる詳細なESGスコアリング
  • ※遺伝子組換え生作物。説明のみを目的に記載しています。ロンバー・オディエの独自の「CAR (意識・行動・結果)」システムは、115のデータポイントを分析し、話者、実行者、達成者をより明確に分類し、真の企業のサステナビリティ(持続可能性) および移行についてより深く分析することを可能としています。

 例えば、ESGスコアは同等の評価である企業をCARスコアで分析すると、対話上手で意識は高いものの結果が伴っていない企業と、寡黙に行動するが高い結果を出している企業が存在することが判明します。ロンバー・オディエが投資をするのは、主に後者ですが、高い意識を持ち、行動しているものの結果が伴わない企業については、対話を重ねてより良い結果が導き出せるよう協働しています。

 以下のグラフの通り、近年のESGスコアと株価の相関を検証した結果、2010年1月~2019年8月までの約9年間では、ESGスコアの良い企業の株価が低迷する結果になりました。しかし、2015年9月~2019年8月までの直近3年間を見てみると、ESGスコアの高い企業がより高いパフォーマンスを出していることが分かります。これは、2015年のパリ協定とフォルクスワーゲンの排ガス不正問題、そしてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の国連責任投資原則(PRI)への署名を機に、多くの投資家がもはやESGを無視できなくなり、結果としてESGスコアの低い企業が投資対象として評価されにくくなったことを意味していると考えています。

図表3:近年のESGスコアとパフォーマンスの関係

図表3:近年のESGスコアとパフォーマンスの関係
  • 1.同じウェイトのポートフォリオの相対パフォーマンス(米ドル建て)。数値は年率。重要なESGデータの選定に基づき2010年1月より開始。パフォーマンスの結果は、LOIMのバックテストに基づき、説明のみを目的に記載しています。パフォーマンスは、運用報酬控除前(グロス)で記載されています。
  • 2.四半期ごとにリバランスされている約330銘柄をセクターと地域をニュートラルにパフォーマンスを試算しています。出所: LOIMによる分析。過去の運用実績は、将来の運用結果を保証するものではありません。

 次に、「短期的測定基準」では、企業の論争レベルを国連グローバル・コンパクトに基づき5段階で評価しています。ロンバー・オディエは、犯罪や違法行為が確定している状態である「レベル5」と利害関係者に重大な影響を与える論争を呼ぶ「レベル4」に分類される企業は除外するよう努めています。

 最後に、「インパクト測定基準」とは、二酸化炭素排出量と水の使用量を分析し、環境へのインパクトを測定する独自の基準です。フランスの公的年金はポートフォリオの組入れ企業からの二酸化炭素排出量を報告する義務が既に法律で定められており、今後、水の使用量についても報告対象になることが予想されています。ロンバー・オディエは、これらの基準を基に企業のESGへの取組みを評価しています。評価に際しては、ロンバー・オディエが独自に開発したツールを活用し、二酸化炭素排出量および水の使用量を収入に対する比率と投資に対する比率を計算し、セクター内での企業比較を可視化しています。

「グローバル株式責任投資戦略」の運用プロセス

 ロンバー・オディエの「グローバル株式責任投資戦略」は、ベンチマークをMSCIワールドとし、世界1,600銘柄を対象にしています。まずESGスコアの観点から投資銘柄を250銘柄に絞り込み、企業の社会的責任、短期的倫理観、ビジネスプラクティス(商慣習)を評価します。さらに財務的な観点からモメンタム、バリュー、クオリティ、リスク、サイズなど5つのファクターにより分析し、総合的に社会的責任があり財務的にも魅力的な企業を選定しています。

図表4:グローバル株式責任投資戦略の銘柄選定例

図表4:グローバル株式責任投資戦略の銘柄選定例
  • 出所:LOIMによる試算。
  • 当セミナー使用のみを目的に記載しています。

 上記グラフは銘柄選定の例について説明しています。

  • 企業1:深刻な論争がある企業は、銘柄選定から除外
  • 企業2:ESGスコアおよびファクター・スコアが低い企業のポートフォリオへの組入れ比率はベンチマーク以下とする
  • 企業3:良好なファクター・スコアであるもののESGスコアが低い企業は、収益の高さに関わらずESGスコアの低さを重視し、ポートフォリオへの組入れ比率はベンチマーク以下とする
  • 企業4:良好なESGおよびCAR/二酸化炭素排出量等であるもののファクター・スコアが低い企業は、ポートフォリオに組入れず
  • 企業5:ESG、CAR/二酸化炭素排出量等およびファクター・スコアのすべてが良好な企業のポートフォリオへの組入れ比率はベンチマーク以上とする

 この銘柄選定の一連の過程は、すべてコンピューターによる分析(クオンツ運用)で行われています。

 このようにロンバー・オディエの「グローバル株式責任投資戦略」では、企業をESGへの取組みによる評価、独自のシステムによるスコアリング、財務分析など様々な観点から分析し、システマチックにポートフォリオを構築しています。

最後に

 ロンバー・オディエは、220年以上続く長い歴史においてサステナビリティ(持続可能性)を投資哲学の中心に据え、1997年より様々なシステムの開発や除外規定を策定し、サステナブル(持続可能)な社会の実現に向けて運用を続けて参りました。

 投資家の皆様の資産形成に、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献するESG投資をどうぞご検討いただければ幸いです。

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