投信エキスポ2016投信エキスポ2016

掲載期間:2020年2月3日〜2020年3月3日

特別講演1

ゴールを決めてお金を増やそう
〜投資を続けるための新しい考え方〜

  • アセットマネジメントOne株式会社
    投資信託営業企画グループ 投資信託プロモーション第一部 次長 
    若森 康江氏

運用で大きな差が付いた日米の個人金融資産

 「老後2000万円不足」という話題が注目されました。金融庁の金融審議会が発表した報告書の中で、「老後の不安」の1位は20代から50代まで全て「お金」です。60代、70代になると不安の1位は「健康」になりますが、若い方から年代を問わず、将来のお金の不安を抱えているという現状がうかがえます。

 まず、現状を知っていただくために、日米の個人金融資産を比較します。日本の個人金融資産は現在1835兆円ありますが、一番多いのは預金です。運用商品は15%程度です。預金に偏重しているという特徴があります。一方、米国の預金は13%くらいしかありません。多いのは、株式などの運用商品で、ここが53.8%です。

 このポートフォリオの違いが大きな差になっています。日米の金融資産の増え方を比較すると、1987年から2017年までの30年間で、日本は100が220と2倍強に増えていますが、アメリカは同じ期間に6.5倍に増えています。内訳は、6割近くが運用による値上がりや配当などの運用益です。60歳での金融資産は、日本は平均で約2000万円といわれていますが、アメリカは6500万円です。このような実情を見て、今、日本では投資の重要性が説かれていますが、なかなか進まないのが現状です。

図表1:運用による個人金融資産の増加が進まない日本

図表1:運用による個人金融資産の増加が進まない日本
  • ※上記は1987年の個人金融資産を100として指数化。運用による変化とは1年間の個人金融資産の増加分から1年間の資金流出入を差し引いて累積したもの。
  • ※上記は四捨五入しているため、数値の合計が一致しない場合があります。
  • ※期間:1987年〜2018年(年次)
  • 出所:Federal Reserve System(米国連邦準備制度)、日本銀行、Investment Company Institute(米国投資信託協会)、一般社団法人投資信託協会、ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
  • ※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

 日本で運用が進まない理由の一つが「環境」の違いです。各国の名目GDPを比較すると、90年から2019年までの約30年間で、アメリカはGDPが3.6倍に増えています。同じ時期に日本は1.7倍です。経済を映す鏡としての株価は、アメリカは約10倍ですが、日本は0.9倍でマイナスになってしまっています。この環境の違いが、株式投資や運用のイメージが「儲からない」「損をする」と刷り込まれたようです。

 また、制度の面でも違いがあります。1980年代前半まではアメリカでも預金が4割で運用商品は15%程度でした。80年代にアメリカで401k(企業型確定拠出年金制度)が導入され、民間企業の従業員が自分の企業年金の掛け金を、自ら商品を選んで運用して備える制度です。また、会社員でなくても使えるIRA(個人退職口座)という自分年金の制度が始まり、投資信託を使った運用が浸透しました。投資した米国の株価が値上がりするなどの結果もあって、成功体験を積んだため投資信託の残高は、この間、約13倍に拡大しました。運用に対して前向きになったのです。

 日本は、この頃あったのは、「マル優」「特優」という貯蓄の非課税制度です。「マル優」は2002年まで65歳以上の方は全員が使えました。預金や国債の利子が非課税でした。80年代後半は、日本の金利はまだ高く、この時代に定期預金や国債でしっかり非課税制度を使った資産形成をしていました。株価は低迷していましたので、投資よりも貯蓄の方が魅力的と考えられたと思います。

投資は難しい?日本で資産運用が根付かない理由

 「投資」と聞くと「難しい」という印象が先行するようです。投資は難しいと感じ、続けられない方が多いようです。よくある投資行動は、「目的があいまい」「期間もよくわからない」「とにかく増やしたい」と漠然と始めてしまわれると、その後、環境が変わると、途端にやる気がなくなってしまします。

 実際にセミナーで聞こえてくるのは、「運用はしているのだが、なかなか儲からない」というお声があります。たとえば、「インベスターリターン」というものがあります。不特定多数の投資家が手に入れた平均的なリターンのことです。あるファンドのトータルリターンは、5年間で年率17.46%ですが、投資家の平均的なリターンはマイナス2%でした。なぜ、このようなギャップが生まれるのでしょう。これは、人間が非合理的な行動をしてしまいがちだからです。

 ひとつは、「みんなと同じようにしたい」という気持ちです。比較したり、評判を聞いて、みんなが買っていると聞くと、ついつい買ってしまいます。これを投資の世界でやってしまうと、あまり良い成績は残せません。

 また、人間は損失の痛みは利益の喜びの2倍感じるといわれます。値下がりしてくると耐えられないのです。たとえば、順調に利益が乗っている間は、そのままのスタイルを続けようとしますが、損失を抱えてしまうと、急により大きな賭けに出ていこうとしてしまいます。

 いままで運用、投資する中で、皆さん「増やしたい」というお気持ちは強いと思いますが、目的がないまま、うまくやりたいと思ってやっていると、途中で迷ったり、続けられなくなったります。そこで、先にゴールを決めて、そこから逆算して投資を考えるということを提案したいと思います。

ゴールを決める運用の始め方

 マネープランを立てている方は、だいたい半分くらいの方にとどまります。ダイエットと一緒で、やらなきゃなぁと思っても、日々忙しく、しっかり考えることができないということではないでしょうか。計画を立てている方でも、10年くらい先までは考えていても、その先のことはわからないという方が多いのです。そこで、足かせになるのは心理です。不合理な投資行動をとってしまいがちです。

 たとえば、宝くじの「年末ジャンボ」で1等が当たる確率は1000万分の1です。これは、交通事故で死亡する確率の300倍です。一方で、皆さんは保険にもかかっていると思います。宝くじのような、ものすごく確率の悪い賭けと、保守的な保険を一人の方が同時に実行しています。本来は、投資は、その方のリスク許容度に相応しい投資商品を選ぶようにします。宝くじを買って保険にも入るというような、リスクの極端に違う商品を一緒に買うということは、教科書的にはあり得ない行動です。

対談用写真

アセットマネジメントOne株式会社
投資信託営業企画グループ 投資信託プロモーション第一部 次長

若森 康江氏

 そこで、まず、「お金のポケット」を作ってみましょう。「日々の生活のためのお金」、「安全に守りたいお金」「将来の子供の学費や住宅の頭金など願望のポケット」「できれば増やしたい冒険のお金」があり、これまでは、この冒険のお金を投資に回してきたのだと思います。

図表2:お金のポケットを作ろう〜4つの基本的ゴール〜

図表2:お金のポケットを作ろう〜4つの基本的ゴール〜
  • ※上記は、お金の分け方の一例を示したものであり、すべての方の資金の目的や役割に当てはまるとは限りません。

 しかし、令和時代はいろいろと変わってきています。金利が低くなっています。100年人生といわれ、老後に必要なお金も増えてきます。これまでは、「冒険のお金」だけを運用に回していたものを、これからは、「守る」「願望」のポケットも運用して備えていく時代になったと思います。目的ごとにお金を分けて運用しましょう。それぞれの目的に対し、いくらぐらいのお金が必要で、どうやって準備していこうかと、ひとつひとつ区分けして考えるようにしましょう。これが、「ゴールベース」と言われる運用です。

 ひとつの事例として、世界一周旅行で500万円くらいの予算が必要です。今の資金が300万円とすると、10年で500万円にしたい場合、必要なリターンは年4.7%程度になります。期間を20年間に延ばすと必要なリターンは2.3%程度になります。さらに安全にと考える場合、期間20年間で毎月5000円ずつ足していくと1%程度のリターンでも到達できます。ゴールを決めて、期間を明確にすると、必要リターンが逆算できます。このようにゴールを決めて運用を始めても、市場環境でうまくいかないこともあります。途中でメンテナンスをしながらやっていくことが大事です。

リスクに着目したバランスファンド

 「投資のソムリエ」「しあわせの一歩」は、ともにバランスファンドで、リスクを抑制しながら安定的なリターンをめざすファンドです。実際の運用は、世界の成長を取り込むため世界の8つの資産に投資します。国内、先進国、新興国の債券、株式、リートに分散投資を行います。普通のバランスファンドと少し違い、まず、リスク(ブレ幅)の目標を設けて運用しています。

 リスクというと、危険、または、損失の確率のことと考えがちですが、投資の世界では、リターンのブレ幅です。どのくらい上下にブレるかということを数値で定めています。「しあわせの一歩」は、1年間のブレ幅を上下に2%程度、「投資のソムリエ」は4%程度に抑えます。2%というのは国内債券と同じ程度、4%というのは為替のリスクを排除した欧米の債券と同程度になっています。

 現在はグローバル化が進み、分散投資が難しい環境になっています。この2つのファンドでは独自の分散戦略をとっています。リスク要因を均等にする分散です。1つの要因に偏らず、リスクの要因で分散すると変動しても安定感が保ちやすくなります。さらに、このファンドでは毎日マーケットを見ていて、相場が変調するとすぐに配分率を変えます。たとえば、株価が下落してくると現金の比率を高めます。最大50%まで現金に切り替える仕組みです。

 「投資のソムリエ」は、2012年10月に運用を開始しました。そこから7年間が経過し、チャイナショックやトランプ大統領の就任、ブレクジットなど大きく相場が変動する局面がありましたが、順調に右肩上がりで上昇してきました。100万円で当初投資していると、現在は123万円強になっています。年4%のリスクを目標に運用していましたが、実績では年3%になっています。平均的な年率リターンは年3.1%です。日々4%を守りながら安全運転をしています。

図表3:投資のソムリエ:運用実績

図表3:投資のソムリエ:運用実績
  • ※期間:2012年10月25日(設定日前営業日)〜2019年9月30日(日次)
  • ※分配金再投資基準価額は1万口当たり、信託報酬控除後の価額です。換金時の費用・税金などは考慮していません。
  • ※分配金再投資基準価額は、税引前の分配金を当ファンドに再投資したとみなして計算した理論上のものであり、実際の基準価額とは異なります。
  • ※資産配分は純資産総額に対する各資産のマザーファンドの割合です。
  • ※上記は過去の運用実績であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

 「しあわせの一歩」は、守りに強い特徴があります。しっかり守りながら、ブレ幅を抑えてゴールに向かって進んでいます。

図表4:しあわせの一歩:運用実績

図表4:しあわせの一歩:運用実績
  • ※期間:2016年10月21日(設定日前営業日)〜2019年9月30日(日次)
  • ※分配金再投資基準価額は1万口当たり、信託報酬控除後の価額です。換金時の費用・税金などは考慮していません。
  • ※分配金再投資基準価額は、税引前の分配金を当ファンドに再投資したとみなして計算した理論上のものであり、実際の基準価額とは異なります。
  • ※資産配分は純資産総額に対する各資産のマザーファンドの割合です。
  • ※上記は過去の運用実績であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

 まずは、お金を目的ごとに分けて、ゴールから逆算して運用を考えるということを始めていただきたいと思います。

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