「高値づかみの安値売り」を避けるファンドの買い方とは? 「高値づかみの安値売り」を避けるファンドの買い方とは?

ファンドの買い方から考える「失敗しない資産形成」、
インベスターリターンを高める方法

資産形成を始めようと考えた時に、「何を買う」のかも重要だが、「いつ買うか」という投資のタイミングも重要だ。投資のタイミングの重要性を感じさせる指標として「インベスターリターン」という指標がある。文字通り、投資家のリターン(収益)を示す指標だ。通常の投資成績を測る指標は「トータルリターン(値上がり益+利息配当収入)」という指標があるが、このトータルリターンに対してインベスターリターンが劣後する傾向がある。なぜなら、投資家は「高値づかみ」をしがちだからだ。モーニングスターの代表取締役社長の朝倉智也が解説した「『高値づかみの安値売り』を避けるファンドの買い方とは?」と題したYouTube動画が、公開以来、多くの方々に支持を得ている。来年の計画を立てるタイミングを迎え、資産形成の基本について改めて確認するテキストになっているようだ。

公募投信(残高10億円以上)の5年トータルリターンとインベスターリターンの関係(2020年9月末)

投資について「一番良いタイミングで買いたい」と考えて、試しに、任意の投信の基準価額の動きを毎日チェックして、自分ならいつ買うかを考えてみてほしい。実際にやってみると、「買いたい」と強く感じるのは、基準価額が昨日も今日も値上がりした時だ。基準価額が値下がりする場面では「明日も値下がりするかもしれない」と考え、「買いたい」という気持ちは起きないものだ。このため、「買っても良い」と確信を持って買い注文した時には、基準価額はずいぶんと値上がりした後になってしまう。これを投資経験者は「高値づかみ」という。この「高値づかみ」は、人間の心理に沿った行動であるため、人間である限り、誰でも避けられないものだ。感情のままに行動する人ほど、「高値づかみ」をしがちだといえよう。

インベスターリターンは、このような投資家の行動の結果としての投資成績を測る指標だ。資金の流出入がファンドに与える影響を加味し、期初と期末のファンドの純資産総額をもとに年率換算して求める。個々のファンドのインベスタ―リターンは、モーニングスターのサイトでも確認することができるが、それを調べると、トータルリターンよりもインベスターリターンが小さくなっているケースが多い。

たとえば、過去5年間のトータルリターンが上位10本のファンド(残高10億円以上、ETF除く)の9月末現在のトータルリターンとインベスターリターンを比較すると、10本中で8本はインベスターリターンがトータルリターンに劣後している。

ところが、最近はじまった「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」で活用されるファンドの運用成績を調べると、トータルリターンよりもインベスターリターンの方が大きくなっている銘柄が少なくない。たとえば、つみたてNISAの投資対象である「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、過去2年間でトータルリターンが4.86%に対し、インベスターリターンは15.68%になっている。これは、銘柄によって異なり、また、投資期間によっても成績が異なるため、「つみたてNISA」や「iDeCo」のような積立投資をすればインベスターリターンが必ず良くなると断言できるものではない。

ただ、「高くなれば買いたくなり」、「安くなると売ってしまう」という人間心理に基づく投資行動とは異なる行動が、定時定額の積み立て投資ではできる。その結果、インベスターリターンを良くする効果が期待できるといえるだろう。動画の中で、朝倉は、「投資収益は基準価額×投資口数」になるとし、投資口数を多くする投資手法として投信の積立投資が効果的だと語っている。

資産形成は短期では結果が出ない。1年でも長い期間、コツコツと資産を積み立てていくことが重要だ。その基本的な投資の考え方を分かりやすく解説した動画として「『高値づかみの安値売り』を避けるファンドの買い方とは?」は、多くの投資家の心に刺さったようだ。同じ動画シリーズとして、モーニングスターの公式YouTubeチャネルには「ファンドの視点」として50本を超える動画が無料で公開されている。ファンドを選ぶ際のヒントが学べると好評だ。時間のある時に、これらの動画で資産形成のノウハウを磨いていきたい。

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