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年末年始特集

2021年「丑年」相場

2021年は「丑」年、年間騰落率の平均は7.0%の下落

 21年の干支は「丑(うし)」」年。相場格言では「丑躓(つまづ)く」と言われる。子年だった20年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行で、経済の先行き不透明感が台頭。大幅に下落する場面もみられたが、各国の経済対策をはじめワクチンや治療薬の開発期待から持ち直しの動きをみせ、1991年以来、29年ぶりに2万6,000円台に乗せたが、波乱の多い相場展開だった。

図表1:丑年の騰落率

始値 高値 安値 終値 年騰落率 勝ち負け
1949 176.21 176.89 98.50 109.91 -37.6%
1961 1,366.74 1,829.74 1,258.00 1,432.60 4.8%
1973 5,232.86 5,359.74 3,958.57 4,306.80 -17.7%
1985 11,558.06 13,128.94 11,545.16 13,113.32 13.5%
1997 19,446.00 20,681.07 14,775.22 15,258.74 -21.5%
2009 9,043.12 10,639.71 7,054.98 10,546.44 16.6%

出所:モーニングスター作成

 21年の「丑」年は、十干十二支で「辛丑(かのとうし)にあたる。東京証券取引所が再開された1949年が「丑」年。「丑」年の日経平均株価の年間騰落率(大発会から大納会までの終値ベース)は、1949年は5月が初立会いと変則だが37.6%の下落、1961年は4.8%の上昇、1973年は17.7%の下落、1985年は13.5%の上昇、1997年は21.5%の下落、2009年は16.6%の上昇。相場の上昇を勝ち、下落を負けとする勝敗では3勝3敗、平均騰落率は7.0%の下落となっている。(表1)干支別でみると、下落しているのは「丑」と「午」のみで、下落率は「午(うま)」の4.5%下落よりも大きくなっている。(図表2)

図表2:干支別騰落率

干支 騰落率
27.8%
23.7%
16.9%
16.6%
14.7%
12.4%
7.9%
7.2%
5.1%
2.3%
-4.5%
-7.0%
平均 10.3%

出所:モーニングスター作成

 60年前の1961年の「辛丑」は、トヨタ自動車<7203>が大衆車「パブリカ」を発売。中京コカ・コーラボトリング(現コカコーラ<2579>の前身)が設立される。人類初の有人衛星、旧ソビエトの宇宙船ボストーク1号が、ユーリイ・ガガーリン飛行士を乗せ地球一周に成功。その後、米国が有人宇宙飛行に成功した。長野県を中心に集中豪雨による土砂災害が多く発生したほか、第2室戸台風が室戸岬に上陸し、大阪湾岸に大きな被害が発生した。

 1973年は、第4次中東戦争が勃発し、中東産油国が原油価格の値上げを実施「第1次オイルショック」が発生。原油価格とは直接関係がないものの日本各地でトイレットペーパーや洗剤の買い占め騒動が起こった。アース製薬<4985>が使い捨てゴキブリ駆除器「ごきぶりホイホイ」を、象印<7965>がエアポット「押すだけ」を発売。イトーヨーカ堂(7&iHD<3382>)がコンビニエンスストアのセブン−イレブン(当初の社名はヨークセブン)設立。

 1985年は、G5(先進5カ国)サミットでプラザ合意が成立。円・ドル相場が1ドル=200円台から110円台に高騰した。任天堂<7974>がファミコン用ソフト「スーパーマリオブラザーズ」を発売。日本電信電話公社から日本電信電話(現NTT<9432>が、日本専売公社から日本たばこ産業(JT<2914>)が発足。JAL<9201>の123便が群馬県の御巣鷹山に墜落する事故が発生した。

 1997年は、香港がイギリスから中国に返還された。地球温暖化防止京都会議で京都議定書が採択される。ペルー沖でそれまでの観測史上最大規模のエルニーニョ現象が発生し、世界規模で干ばつや洪水などの異常気象が発生した。山一證券が自主廃業し、北海道拓殖銀行が破綻するなど金融システム不安が高まる。タイから始まったアジア各国の通貨が急激に下落し、アジア通貨危機が起こった。

 2009年は、衆議院選挙により、麻生太郎内閣が辞職、鳩山由紀夫内閣が誕生し、自民党から民主党への政権交代が起こった。WHO(世界保健機関)は、新型インフルエンザの警戒水準を最高の「6」に引き上げ、パンデミック(世界的大流行)が宣言された。世界同時不況で電機や自動車が大幅な赤字となったほか、ゼネラルモーターズ<GM>が連邦倒産法第11条適用を申請。JAL<9201>の経営危機が表面化した。

 現在では当然とみられているが、過去の「丑」年は、世界経済の影響を大きく受ける相場展開が多かったようだ。21年の丑年も、騰落の順番では、前々回の1997年が下落し、前回の2009年は上昇したことから、21年は下落の年回りとなることから、注意はしておきたい。新型コロナウイルス感染症の世界的なまん延が懸念される一方、ワクチンや治療薬の開発が進むことが期待されるが、影響は長引くことが見込まれる。また、米国はバイデン氏が新大統領に就任する見込みで、トランプ大統領が経済制裁を強めた中国との間合いが気になるほか、中東地域への関与に変化がみられるかが注目される。当時よりも世界経済との連動性が強まっているだけに、海外発の要因に左右される場面が多くなることも予想される。

 関連銘柄としては、ウシオ電機<6925>がトップにあがる。新型コロナウイルス感染症の収束への道筋が不透明ななか、丑から牛に転じて、空調管理ができる焼肉関連のほか、食肉関連が注目される。関連銘柄としては、秋川牧園<1380>、プリマ<2281>、日本ハム<2282>、林兼<2286>、丸大食<2288>、福留ハム<2291>、SFOODS<2292>、滝沢ハム<2293>、柿安本店<2294>、伊藤ハム米久<2296>、アスモ<2654>、Gテイスト<2694>、マクドナルド<2702>>、あみやき<2753>、三光MF<2762>、ダイショー<2816>、エバラ食品<2819>、石井食<2894>、JFLAHD<3069>、物語コーポ<3097>、JMHD<3539>、アトム<7412>、ゼンショーH<7550>、安楽亭<7562>、オーエムツー<7614>、コロワイド<7616>、あさくま<7678>、スターゼン<8043>、正栄食<8079>、吉野家HD<9861>など。

(高橋 克己)

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