モーニングスターカンファレンス2021 イベントレポートモーニングスターカンファレンス2021 イベントレポート

講演3

真のアクティブファンドの底力
~ドアクティブの運用手法~

  • セゾン投信株式会社
    代表取締役会長CEO 
    中野 晴啓氏
  • コムジェスト・アセットマネジメント株式会社
    代表取締役社長 
    高橋 庸介氏

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インデックス礼賛の時代に異議あり

中野氏:
今、インデックスファンド礼賛のムードが強いのですが、それだけではないということを伝えたいと思っています。インデックスも良いのですが、本当に良いアクティブ運用の魅力も皆様には同時に知っていただきたいという思いが強くあります。
皆様インデックスファンドで運用なさっている方も多いと思いますが、そのことを否定するものではありません。ただ、行き過ぎたインデックス運用礼賛には異議申し立てをしたいと思っています。
高橋氏:
コムジェストはフランスの運用会社です。株式の運用に特化しています。株式運用も成長株のみです。バリュー株投資という割安株投資もやりません。成長株のみに特化して35年間運用をしています。
そもそも創業者がこの会社を興したきっかけが、「なんちゃってアクティブ」の否定にあります。日本株式であればTOPIX(東証株価指数)とほとんど同じような動きをするアクティブファンドのことです。インデックスとほとんど変わらないのにアクティブファンドを名乗っているファンドが日本にもたくさんあります。
たとえば、ファンドの月報で、組入上位銘柄を見ていただいて、トヨタ、キーエンス、ソフトバンクグループなどTOPIXの上位銘柄と変わらない銘柄が並んでいるようなファンドは、私どもは「なんちゃってアクティブ」と呼んでいます。このようなアクティブファンドの否定からできたのがコムジェストという会社です。
対談用写真

コムジェスト・アセットマネジメント株式会社
代表取締役社長

高橋 庸介氏

高橋氏:
私どもはベンチマークを見ません。利益が2ケタで成長する企業に投資します。株式の値動きは分かりませんが、長期的には素直に企業の利益に連動します。私どもは、雑音に惑わされることなく、企業利益のみを見ています。これを愚直にやってきました。時価総額も雑音の1つです。企業の利益には関係ありませんので気にしません。
中野氏:
高橋さんが「なんちゃってアクティブ」といわれた「エセアクティブ」は、日本のみならず世界中ではびこった時代があります。お客さまに大きな損失を与えるわけにはいかないので、安全運転をしたくなるという運用会社のある種の本質があって、最初から勝てなくても良いので大負けしないような運用をしてしまうのです。それが、ベンチマークに近いポートフォリオで穏やかに運用しようというやり方です。しかし、これは、アクティブファンドの本来の価値ではないと思います。
「セゾン資産運用の達人ファンド」は、アクティブらしいアクティブファンドを選んでポートフォリオにしています。このポートフォリオの4割超をヨーロッパの独立系の運用会社であるコムジェストに担っていただいています。よく、アクティブファンドは長期的にはインデックスに負けるなどと言われますが、少なくとも過去14年間の運用成績は、恒常的にインデックスに勝っています。これを20年、30年にわたって続けていくことが私どもの挑戦になります。
対談用写真

セゾン投信株式会社
代表取締役会長CEO

中野 晴啓氏

図表1:セゾン資産形成の達人のパフォーマンス

図表1:セゾン資産形成の達人のパフォーマンス
  • 出所:セゾン投信:セゾン資産形成の達人ファンド 月次運用レポート 2021年1月号
  • ※資料に用いられた図表、数値その他いかなる内容も過去のもの、又は予測であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
  • ※当資料は特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません。当資料は特定の資産の上昇または下落を示唆するものではありません。

「真のアクティブ運用」の存在意義とインデックスの限界

高橋氏:
コムジェストの運用ファンドの実績は、エマージング市場株式で年率9.9%、グローバル株式で年率12.0%です。ほぼ成長企業の利益と連動しています。
アクティブ運用の意義とは、成長市場に資金を供給することで、成長の糧としてもらうことです。これが資本市場における役割だと思います。結果として、成長した企業に連動する株価で得た利益を投資家の皆様にお返しするのです。

図表2:クオリティグロース:長期的に有効な投資アプローチ

図表2:クオリティグロース:長期的に有効な投資アプローチ
  • 出所:Factset/ComgestS.A./ 2020年9月末現在/ 円ベース/ *設定来年率グロス・パフォーマンス
  • 設定日:(1)1994/12/31(2)1993/12/31(3)1991/06/30
  • ※運用実績に使用されているパフォーマンスは、コムジェストによって設定来より運用管理されている代表口座の費用控除前のグロス・パフォーマンスです。設定日を100として指数化しています。パフォーマンスからは、運用報酬信託報酬やパフォーマンスフィー適用されている場合が控除されていません。その他費用について投資一任と集団投資スキームでは違いがあることがあります。パフォーマンスは、運用報酬、その他費用が控除される前であることから、その分パフォーマンスは実際のプロダクトより良くなり得ます。指数は、パフォーマンスの評価の目安としてのみ利用しており、指数と同じ銘柄に投資しているとういう事を示すものではありません。指数のボラティリティは、ストラテジーと大きく異なる場合があります。指数は各戦略下記の通り配当再投資指数に変更しています。MSCIエマージング・マーケット2006/01/01~、MSCIヨーロッパ2001/01/01~、MSCIACワールド2005/01/01~。2000年以前は該当するFRFの為替レートを使って集計。資料に用いられた運用実績に関するグラフ、図表、数値その他いかなる内容も過去のものであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
中野氏:
社会的需要に裏打ちされたビジネスがあり、そこには資金がどうしても必要で、そこに資金をキチンと供給していく役割を資産運用業者が果たします。一方で、社会的使命を終えてしまった、あるいは、社会的使命に背くような企業があれば、それを明確に峻別していかなければならないと思います。これが銘柄選択です。
みなさまも、スチュワードシップという言葉を聞いたことがあると思いますが、資産運用会社が守らなければならない規律として明確に謳われていることです。これが資産運用業の社会的な存在意義であるということです。そのような目でアクティブ運用会社を見ていただきたいと思います。
もうひとつ、価格発見機能などといわれます。これは、どういうことなのでしょう。
高橋氏:
足元の株価が企業の利益を的確に表しているかというと、必ずしもそうではありません。割高な時もあれば、割安な時もあります。適切な価格にある会社もあれば、単に市場の追い風のために、利益の実態がないにもかかわらず株価だけが上がった企業もあります。
中野氏:
今、日本で問題があると思っているのは、インデックスの一つであるETF(上場投資信託)を日銀が大量に買っていることです。そのため、「落ち葉が沈んで、石が浮く」ようなことも起こっています。インデックスは、選択をしないで機械的に買い上げます。結果的に「ゾンビ企業」のようなところも資本市場から退場できないことになってしまいます。資本市場の浄化作用を損なうことになっていると思います。
高橋氏:
その通りです。日本だけではないのですが、退出をすべき企業が平然と残っています。まざに「ゾンビ」ですが、そのゾンビに餌をあげてしまっているようなゆがんだ価格形成が常態化してしまっています。これは問題だと思います。
中野氏:
インデックス運用だけになってしまうと、市場の健全な規律が働かなくなってしまいます。これは、資産運用業界全体の危機感でもあります。
株価はどんどん値上がりしています。本源的な価値を無視して値上がりしてしまうと、株式の本来あるリスクプレミアム、期待利回りがどんどん小さくなってしまいます。企業業績が株価の上昇に追いつかなくなってしまうのです。リスクプレミアムが下がってしまうと、インデックス運用には厳しいことになると思うのですが、どう思いますか?
高橋氏:
まさしく、現在の状況は自分で自分の首を絞めているような状態だと思います。
中野氏:
この辺が、インデックス運用を進める上での重要な課題であるということを皆様に知っていただきたいと思います。

王道のアクティブ運用の実際

中野氏:
王道のアクティブ運用について、是非、コムジェストの運用でお話しいただきたいと思います。
高橋氏:
たとえば、ダッソー・システムズというフランス企業があります。もともとは、ミラージュといわれる戦闘機を作っていた会社から発生したのですが、キャド(CAD)の世界最大手です。顧客は世界中に広がり、日本の自動車メーカーや医療関連で手術の器具を作っているような会社も、ダッソーのCADを使っています。
たとえば、VRのゴーグルをつけて手術を体験できるのです。細かな血管や臓器までしっかり見られるようにVRで再現しています。このようなシステムも含めて数多くのCADを提供している会社です。この会社の株価は、利益の成長に沿って値上がりしています。これがコムジェストが志向する成長企業の事例です。利益が右肩上がりでコツコツと成長しているのは、高い技術力更に向上させ、高い参入障壁を築き続けているからです。このような会社を見つけてしっかりと投資をしています。

図表3:ダッソー・システムズ:3Dソフトウェアのリーディングカンパニー

図表3:ダッソー・システムズ:3Dソフトウェアのリーディングカンパニー
  • データ:Factset 2020年11月末 現地通貨ベース
  • ※料に用いられた図表、数値その他いかなる内容も過去のもの、又は予測であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
  • ※当資料は特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません。当資料は特定の資産の上昇または下落を示唆するものではありません。当図表は投資アプローチのイメージをご理解頂くための例で、全ての投資がこの様に成功するという事を示すものではありません。
また、ロッシュというスイスの医薬品会社もあります。世界最大級の医薬品会社です。日本では中外製薬が子会社になります。コムジェストはロッシュに15年くらい投資をしています。中外製薬にも投資しています。日本株チームは、中外製薬について細かいところまで徹底して調べます。技術者にも会います。ヨーロッパ株式の運用チームはロッシュの本社で同じように調べます。
インフルエンザの治療薬のタミフルは、アメリカのギリアドという会社が開発して、製造販売はロッシュが行っていますが、このギリアドも調べます。日本とヨーロッパとアメリカのアナリストが常にコミュニケーションをしています。これらの調査を合わせて利益成長がしっかり続くのかを深掘りしていきます。
中野氏:
見るところは、株価の動きではなく、その会社が携わっている事業が、トータルとしてどれだけの新たな富を生み出しているかということです。ある種の仮説を立てて、その仮説が成立するかを精緻に分析しています。
また、右肩上がりの利益成長が実現すれば、長期的には見事に株価は成長ラインにそって上がってきます。これは、ダッソーに限らず、全ての銘柄に置いて、利益成長が実現できれば、長期的には株価は利益の水準にそって値上がります。この流れを長期的にきちんと享受していくのが、長期投資のリターンです。
高橋氏:
コムジェストは5年先の会社の利益をみます。足元ではありません。5年先の利益成長を見て、どの程度の利益が取れるのかを徹底的に分析します。
まだまだインデックスファンドが主流のような時代ですが、アクティブファンドが腕を競って、来年はカンファレンスでアクティブファンドがずらずらと並んでアクティブ度を競うようなカンファレンスになることを期待しています。
中野氏:
今、日本政府は高度な資産運用をめざしています。私たちもそれに応えなければならないと思っていますが、高度な資産運用に立脚した資本市場であるためには、高度なアクティブ運用の健全な競争とインデックス運用の程よい共存というのが理想的な関係なのではないかと思います。
運用はインデックスファンドだけで良いとお考えの投資家の方がいらっしゃると思いますが、真っ当なアクティブファンドに資金供給するという意識で両方に資金供給することをお考えいただきたい。これがこの国の資産運用の高度化を推し進めることになります。国益に資する役割を果たせます。そのような思いで長期投資を進めましょう。

主催

協力

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