GLOBAL X Japan連載シリーズ最終章 当たり前になったESG投資 ―重要なのは投資戦略― GLOBAL X Japan連載シリーズ最終章 当たり前になったESG投資 ―重要なのは投資戦略―

掲載期間:2021年4月5日~2021年5月6日

 日本でも世界でもESG(環境・社会・ガバナンス)投資が注目を集めており、ESGを掲げる金融商品も増えてきている。今回は、テーマ型ETF等特徴のあるETFを上場している、「Global X Japan株式会社」の代表取締役社長 金村 昭彦氏に、「ESG投資の現状」、「ETFでのESG投資」について伺った。

ESG投資に注目が集まっている背景

ここ数年で ESG投資に対する注目が高まってきたように感じます。背景を教えていただけますか。

国際連合が強いリーダーシップを発揮したことが大きいと言えます。歴史的経緯に沿ってお話します。1920年代に米国で始まったSRI(社会的責任投資)がそもそもの始まりです。その後1950年代にCSR(企業の社会的責任)が議論されるようになりました。2000年代に国連のイニシアティブで、SRIとCSRを包括的した概念としてEnvironment、Social、GovernanceからなるESGが登場しました。ご参考までに、その後の経緯についても少々お話します。2006年に、ESGについての投資家の責任を明確にするために国連が定めたのが責任投資原則(PRI)です。2015年の国連サミットで採択された、ESGをベースにした持続可能な開発のための17目標がSDGsです。

Global X Japan代表取締役社長金村 昭彦氏

Global X Japan 代表取締役社長
金村 昭彦氏

ESGでは投資戦略が重要

ESG投資を掲げる金融商品の増加とともに投資家の選択肢も広がっています。選択の際に注意すべきことを教えていただけますか。

ESG投資が当たり前になってきた今、重要なのは投資戦略です。つまり、ESGの観点を持った上で、何にどのように投資するかが問われています。テクニカルな話になりますが、ESG投資の手法についてお話します。ポジティブスクリーニングやネガティブスクリーニングは、比較的シンプルな投資スタイルです。ESGインテグレーションは投資の意思決定にあたり、ビジネスモデルや財務諸表分析のみならず、ESGの観点も考慮するものです。

ESG投資手法

投資手法 概要
ネガティブ・スクリーニング
(Negative/Exclusionary screening)
武器製造やギャンブルなどESGの観点から問題のある企業を投資対象から除外する
ポジティブ・スクリーニング
(Positive/Best-in-class screening)
同業種の中でESG評価の高いセクター・企業・プロジェクトを投資対象として組み入れる
規範に基づくスクリーニング
(Norms-based screening)
国連グローバル・コンパクト等の国際的なESG基準を満たしていない企業を投資対象から除外する
ESGインテグレーション
(ESG integration)
ビジネスモデルや財務諸表の分析だけでなく、ESG分析も投資の意思決定プロセスに組み込む
サステナビリティ・テーマ投資
(Sustainability themed investing)
気候変動・食糧・農業・水資源・エネルギーなど、持続可能性に関する特定のテーマに投資する
インパクト投資
(Impact/Community investing)
社会問題や環境問題の解決や地域開発を目的とした投資
議決権・エンゲージメント
(Corporate engagement and Shareholder action)
議決権行使や投資先企業との対話を通じて、ESGへの取り組みを促すなど企業行動に影響を与える
  • (出所)GLOBAL X Japan 株式会社作成

こちらは各投資手法がどの程度採用されているのかをお示ししたものです。比較的導入が容易なネガティブスクリーニングの採用が最も多いですが、その次にESGインテグレーションが来ています。先ほどお話した通り、ESG投資において投資戦略が重要になってきていることが見て取れます。

2018年のESG投資手法の採用状況

2018年のESG投資手法の採用状況
  • (出所)Global Sustainable Investment Review 2018”GSIA

Global X Japanは、3月31日にESG関連ETF2銘柄を上場させました。こちらについてご説明いただけますか。

1つは「グローバルX MSCI ガバナンス・クオリティ-日本株式 ETF」(2636)(以下「ガバナンスETF」)というもので、投資先の選定にあたり、ガバナンスの観点に加えて、財務クオリティの観点を導入したものです。もう1つは「グローバルX クリーンテック ESG-日本株式 ETF」(2637)(以下「クリーンテックETF」)で、脱炭素化の流れの中で成長が期待できるクリーンテック企業に着目し、各銘柄の比率をESGのE(環境)スコアを勘案して決定するものです。

ガバナンスETFについてご説明いただけますか。

連動を目指す指数は日本国内に上場する銘柄を母集団とし、ガバナンス及び財務クオリティによるスコアリングにより125銘柄を選定します。指数は2009年に設定されました。当時は海外企業と比較して、日本企業のガバナンスが劣後していたことから、市場にガバナンス改善を働きかけるエンゲージメント・ツールとして開発された指数です。ガバナンスは取締役多様性等11の指標で評価されます。財務クオリティはROE等3つの指標で評価されます。ガバナンス・スコアとクオリティ・スコアをかけたものが総合スコアとなり、その上位125銘柄が指数の構成銘柄になります。なお、各銘柄の比率は、総合スコアを考慮して決定されます。

Global X Japan代表取締役社長金村 昭彦氏

指数の上位10銘柄です。もっとも組入比率が高いのがキーエンスですが、その他に精密機器、サービス業、情報・通信等多様な業種から選定されています。ガバナンス面、財務面を考慮の上選定されていますので、基盤のしっかりした優等生銘柄と言えるかと思います。

指数上位10銘柄(2021年3月1日時点)

銘柄名 業種 比率
キーエンス 電気機器 4.57%
HOYA 精密機器 4.16%
東京エレクトロン 電気機器 3.51%
日立製作所 電気機器 3.47%
任天堂 その他製品 3.17%
リクルートホールディングス サービス業 3.10%
KDDI 情報・通信 2.84%
エムスリー サービス業 2.78%
日本電産 電気機器 2.55%
第一三共 医薬品 2.43%
  • (出所)GLOBAL X Japan 株式会社作成

3分でガバナンスETF

クリーンテックETFについてはいかがでしょうか。

連動を目指す指数は国内上場株式を母集団とし、クリーンテック関連からの売上が売上全体の25%以上を占める銘柄を選定します。その後、時価総額と平均売買代金によるスクリーニングを行います。クリーンテック売上の比率が50%以上の銘柄を正銘柄とし、これを40銘柄に達するまで組み入れます。同比率が25%以上50%未満の銘柄を準銘柄とし、これは正銘柄が30銘柄未満の場合に、組入銘柄合計が30銘柄に達するまで組み入れます。

指数の上位10銘柄です。TOTO、ダイキン、栗田工業等錚々たる会社が選定されております。

指数上位10銘柄(2021年3月1日時点)

名称 サブテーマ 比率
TOTO 公害対応・資源管理 10.98%
TDK エネルギー効率管理 9.78%
ダイキン 公害対応・資源管理 9.44%
三浦工業 エネルギー効率管理 9.42%
リンナイ 公害対応・資源管理 8.06%
栗田工業 公害対応・資源管理 7.28%
太陽誘電 エネルギー効率管理 6.61%
日本ガイシ エネルギー効率管理 5.93%
GSユアサ エネルギー効率管理 3.83%
DOWAホールディングス エネルギー効率管理 3.71%
  • (出所)GLOBAL X Japan 株式会社作成

3分でクリーンテックETF

ETFは新たな投資に踏み出すのに適した投資手法

3回にわたりテーマ型ETF等につき最新の情報をお話いただきました。全体のまとめとして、投資家の方々へのメッセージをお願いします。

ETFでは様々な形の投資が可能です。本日ご紹介したESG投資の他にも、テーマ投資、スマートベータ投資のETFもあります。初めての商品に投資する際は不安を感じることもあるかと思います、そうした時に、ETFから入っていただくのは一つの方法になりうると考えております。一般的に言いますとETFの信託報酬は同種の投資信託と比較して低いことが多いですし、投資対象は毎日公表されますので透明性も確保されています。当社は今後も多様なETFを上場させ、投資家の方々のニーズにお応えするよう努めていきたいと考えています。今後ともご注目いただければ幸いです。

ETFは新たな投資に踏み出すのに適した投資手法
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