テンポイノベーション特別インタビュー テンポイノベーション特別インタビュー

 テンポイノベーション(3484)は飲食店向けに、店舗の転貸借事業を手掛けています。毎年、契約数が増加し、取り扱い物件数が積みあがることで、事業基盤が強化されており、いわゆるサブスクリプション(継続課金)型のサービスになっている点が特徴です。東京23区を中心に、飲食店向け居抜き物件に特化していることで需要が大きいため、新型コロナウイルス感染症の影響も限定的で、業績の安定的な成長が継続しています。同社の現状と今後について原康雄社長に聞きました。

――新型コロナで飲食業界は大きなダメージを受けています。一方、御社業績を見ると影響が少なく、回復も早いように見えるのですが、実際はどうなのでしょうか。

 過去を振り返ると、飲食業界に大きな影響を及ぼしてきた出来事として、リーマン・ショック、東日本大震災などがありましたが、今回のコロナはそれらの影響を大きく上回っているように思います。一時的とはいえ、外出自粛要請によりオフィス街や繁華街から人が消え、店を開いている意味がないような状態となり、その後も営業時間を短縮しなければならなくなりました。2020年春は、特に先が見えない状況になり、当社としても成約数(転貸借契約を締結した数)が減少するなど、業績に影響がありました。

 しかし、第2四半期以降は出店ニーズが急回復し、成約数も回復しました。転貸借物件の解約数についても、第2四半期は急増したものの、第3四半期以降は減少し、すぐに通常の水準に戻りました。当社も、当初はより深刻な状況も想定したのですが、実際にはそうはなりませんでした。

 確かに飲食業界は大きな影響を受けていますが、当社の主要顧客は小規模な飲食店事業者となります。大規模な飲食店と比べると、固定費が少額で、またコロナに関連した給付金、協力金等の対象となったことも、店舗継続に関して確実にプラスに働きました。また、当社が出店の初期費用を抑えることができる居抜き物件を中心に扱っている点も、コロナ禍において、費用を抑えて、掘り出し物を見つけて出店したいと考える出店希望者のニーズと合致したということがあります。このような要因もあり、コロナ禍においても回復が極めて速く、業績への影響が限定的なものにとどまっているのです。

原 康雄氏

株式会社テンポイノベーション
代表取締役
原 康雄氏

 ただ、経営の視点では、当社のビジネスモデルは毎月家賃をいただくサブスクリプション型であるため、毎期成約数を着実に積み上げることで15~20%の成長を続けることができると思っています。その点、直近の成長率については、いかにコロナという未曽有の状況下にあるとはいえ、物足りなさを感じている部分もあります。

――コロナ禍でもしっかりと収益を生み出せる御社の強みの源泉は、どこにあるのでしょうか。

 今回のコロナで、不動産市況や景気の動向に左右されにくいという、当社の強みが期せずして実証されたと思います。当社の事業のベースには首都圏における飲食店の出店があり、その意欲は常に大きく、コロナ禍にあっても20年5月の緊急事態宣言明け後には当社への引き合いが急回復しました。特に世界的な大都市である東京においては、その人口の多さもあり、長期的にみて飲食店の出店意欲が衰えることはないでしょう。その出店意欲を支えるものとして、飲食事業自体の魅力もあるように思っています。例えば、大手チェーン店も、はじめは1店舗からスタートするわけですが、これが自分の力量次第で何十店舗、何百店舗に増やしていけるわけです。そこには夢があります。また、客側としても、飲食店に足を運び、いつもとは違った空間で、プロが作った美味しい料理を食べれば、幸せを感じるはずです。

 一方、当社と契約をすれば、不動産オーナーは飲食店事業者との交渉、賃料回収などの煩わしさから解放されます。加えて、当社には漏水など各種トラブルの深刻化を防ぐ経験、ノウハウの蓄積が豊富にあり、オーナーだけでなく、飲食店経営者、不動産会社に対しても安心と安全を提供しています。また、多くの出店希望者が借りたがるであろう市場性の高い店舗物件を仕入れるノウハウなどもあり、こうした経験や知識を社員間で共有し、浸透させていくことも当社の強みを強化する上で重要と考えています。コロナで従来通りの営業活動が難しい時期には、より精度の高い育成体制の構築に取り組みました。これが社員のレベルアップへ、そして当社の将来的な成長へとつながっていくことを期待しています。

――「居抜き店舗.com」が好調なようですが、その理由と今後の展開について教えてください。

 当社は、自社で運営するWebサイト『居抜き店舗.com』を活用し、出店希望者の募集を行っています。19年にリニューアルを行い、また、20年からは助成金、協力金などコロナに関連した飲食店への支援情報提供を強化しました。通常時よりも選べる物件数が多く、条件面で有利になることもあるコロナ禍の状況を出店のチャンスとみる飲食店経営者のニーズもあり、『居抜き店舗.com』の集客力は向上しています。

 21年4月には担当部門の人員を拡充し、さらなる強化を図っていきます。例えば、現在は物件の紹介は、写真(静止画)で行っていますが、今後は動画を活用し、物件のみならず、その周辺情報も提供することで、現地に行かなくても店舗を借りるかどうかの判断ができるようにすることを考えています。

――将来の成長についての考えを聞かせてください。

 現在、当社が取り扱う転貸借物件数は約1,700件で、トップクラスの大手飲食チェーンの国内店舗数に匹敵する規模になっています。今後は、積極的に採用を進めると共に、社員の育成に関する可視化、体系化をさらに進めることで、営業力強化を図り、成約数の増加を目指します。21年3月期はコロナのため足踏みした感もありますが、営業担当者数は100人(現在約30人)、転貸借物件数は5,500件とすることを中長期的な目標とし、今後とも企業価値の向上に向けて安定的な高成長を実現したいと思います。

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株式会社 テンポイノベーション

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掲載期間:2021年3月31日~2021年4月30日

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