特集 リネットJ、カンボジア事業が成長エンジンに 「Bakong」軸にデジタルバンキングサービス事業化へ 特集 リネットJ、カンボジア事業が成長エンジンに 「Bakong」軸にデジタルバンキングサービス事業化へ

掲載期間:2021年6月8日~2021年7月7日

 日本銀行が4月、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験(概念実証フェーズ1)を開始した。中央銀行は365日、24時間使える支払決済手段として銀行券を提供しているが、これをデジタル化したものがCBDCとなる。日銀はインターネット上で金融取引や重要データのやりとりなどを可能にする「分散型台帳技術」に関する調査を実施し、システムの実験環境を構築して発行、送金などの基本機能に関する検証を行う。

 分散型台帳技術の中核技術となるのが、暗号資産(仮想通貨)の基盤にもなっているブロックチェーンだ。ブロックチェーンと、その技術を利用した仮想通貨は株式市場で注目され、三菱UFJフィナンシャルグループ<8306>など関連銘柄がこれまで市場で人気を集める場面があった。

 一方、カンボジアでは2019年に世界初のCBDC「Bakong」の正式運用を始めた。「Bakong」はカンボジア国立銀行(NBC)と日本のブロックチェーン企業であるソラミツ(東京都千代田区)が共同開発したデジタル通貨。カンボジアはかつて経済情勢の悪化で法定通貨の「リエル」が不安定だったこともあって米ドルの利用がリエルを大きく上回っており、NBCによる金融政策に限界があった。脱ドル化のため「Bakong」の実用化を推進している面もあるようだ。

 リネットジャパングループ<3556・マザーズ>はカンボジアにおいて車両販売事業、リース事業、マイクロファイナンス事業、人材の送出し事業などを展開中。さらに、ソラミツのスイス法人であるソラミツ・ホールディングスAGと、「Bakong」を軸としたデジタルバンキングサービスの事業化に向けて合弁会社(出資比率は同社80%、ソラミツ社20%)を6月に設立する。同合弁会社はカンボジアで「Bakong」の実証調査を行うとともに、将来的には「デジタル銀行」に参入し、同国においてだれもが先進的な金融サービスを受けられるようにすることを目指している。

図表:リネットジャパン(週間足)

  • 期間:2020年1月~2021年6月
  • 出所:モーニングスター作成

 同社のカンボジア事業は当初、JICA(独立行政法人国際協力機構)と協力し、BOP(Base of the Economic Pyramid=経済ピラミッドの底)ビジネスとして中古農機のリユースから始まった。その後、金融事業などを拡大してきたが、同国ではいまだ約80%が銀行口座を持たない状況にある。同社の「Bakong」普及に向けた実証事業には今後さらにパートナーが参画する予定があり、未来に向けオールジャパンチームでカンボジアの金融包摂への貢献に取り組む構えだ。

 「カンボジアはインフラが未整備な分、最新技術が一足飛びに普及する可能性がある。人口の半分が25歳以下と若く、エネルギーに満ちており、今後、発展することは間違いない」(リネットジャパングループの松尾俊哉カンボジア現地子会社統括CEO)としており、将来的な期待は大きい。

 新型コロナの巣ごもり需要拡大で、2020年9月期以降の同社業績はリユース事業、リサイクル事業が好調。その半面、カンボジア事業は苦戦するが、カンボジアは国自体のポテンシャルの高さがあり、コロナが落ち着けばその後の成長加速が見込める。同社のカンボジア事業は「金融包摂(ファイナンシャルインクルージョン)」をキーワードに国内のリユース、リサイクル事業の成長とともにアフターコロナの複層的な成長エンジンとなって行きそうだ。

MORNINGSTAR
リネットジャパングループ株式会社

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