国際債券型 部門 特別対談

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)

モーニングスター ファンド オブ ザ イヤー 2010 国際債券型 部門で最優秀ファンド賞を受賞しました、大和住銀投信投資顧問株式会社の「短期豪ドル債オープン(毎月分配型)」で運用を担当されている同社債券運用部 外国債券運用グループ ファンドマネジャー 石出好貞 氏に、当ファンドの運用の特徴、運用実績、運用体制等について、お話を伺いました。

■朝倉:まず、当ファンドがファンド全体のデュレーションを1年未満と設定している理由をお教えください。
■石出氏:デュレーションを1年未満にすることで、金利リスクを抑えることができるからです。外債ファンドには為替リスクがつきものです。投資家の皆様の保有するリスクをなるべく小さくするという目的から、金利リスクを低く抑えることを当ファンドの商品コンセプトとしています。

■朝倉:当ファンドのポートフォリオを拝見しますと、社債と特殊債の比率が高いものとなっていますが、こういった様々な債券に注目した理由をお教えください。
■石出氏:短期債から得られる利息収益を着実に獲得するため、当ファンドでは短期金利に連動する変動利付債を中心に投資しており、変動利付債のメインの市場は銀行社債となっていることから、社債の組入比率が高くなっています。また、特殊債というのは、いわゆる国際機関または政府機関が発行する債券を指します。弊社では分類上、特殊債と呼んでいます。
 組入債券の格付けについては、投資対象に社債も含めていますので、全てAAA格という訳にはいきませんが、弊社の調査を経た上でおおむねAA格の債券で構成されています。特殊債については、ほとんどがAAA格となっています。設定以来、ポートフォリオの7割から8割程度をAAA格の債券が占めています。

■朝倉:当ファンドは2008年4月に分配金を100円に引き上げた後、分配金を維持しています。この間、リーマン・ショックによって、金融市場は大きく変動しましたが、分配金を維持できた理由をお教えください。
■石出氏:設定来、当ファンドは分配原資を積み上げることができました。2008年のリーマン・ショック以降、長期的に安定した分配が出来るとの見通しから、100円の分配金を維持してきました。

■朝倉:投資対象国のオーストラリアというのは資源国として知られていますが、資源国といっても様々な国があります。他の資源国との大きな違いについてお教えください。
■石出氏:オーストラリアの魅力は大きく2つあります。1つ目は、資源国でありながら、先進国であることです。金融市場は(投資家に)開かれており、規制も非常に緩やかであることから投資しやすい環境にあります。もう1点は、アジア・太平洋という地理的な優位性です。オーストラリアは、日本との時差が短いため、リアルタイムでの情報収集や投資判断が可能です。また、日本にとって非常に身近な国であり、長年にわたってともに貿易パートナーとして、相互補完的な関係を築き上げてきました。こうした点は、投資情報を得るという面で有利であると思います。

■朝倉:先進国の中ではオーストラリアは利上げ局面にあり、2010年の投資環境は難しかったのではないかなと思います。当ファンドの2010年のパフォーマンスを振り返ってみていかがでしょうか。
■石出氏:2010年に大きな誤算だったのは円高です。当初想定では、ここまで円高が進むとは思っておりませんでした。しかし、2009年の早い段階から、我々はオーストラリアの金融危機からの脱却は早く、緊急避難的に引き下げていた政策金利もすぐに引き上げるだろうと想定していました。結果的に、我々の想定通りに2010年にオーストラリアは1%の利上げを行いました。金利が上昇することは、本来、債券価格の下落につながりますが、当ファンドはデュレーションを短期化し、金利上昇による価格下落するリスクを低く抑えているため、優位性を発揮することができました。

■朝倉:なるほど。では、商品価格の上昇など世界的にインフレ懸念が高まっていますが、2011年の市場環境をどのように見ておられますか。
■石出氏:オーストラリアについては、比較的、物価が安定的に推移しています。この背景には、豪ドル高で物価の上昇が抑制されていることがあります。また、住宅市場についても、消費者の消費意欲もマイルドになっており、インフレ懸念はほとんどないと言えます。ただ、もう一つの懸念は、洪水などの自然災害の懸念です。2010年10月にオーストラリア現地を視察した際、今回の洪水は、特に石炭産業に大きな打撃を与えたと感じました。しかし、交通インフラ等の復興はもう始まっており、港も再開しているため、今後は回復することが予想されます。特に石炭価格が上昇していることから、2011年後半にはオーストラリア経済に好影響を与えると思われます。

■朝倉:当ファンドは単純に短期債に投資するだけでなく、社債や特殊債を中心に組み入れつつ、金利やデュレーションの調整を行っており、運用することが難しいファンドだと思います。そこで、当ファンドの運用体制について教えてください。
■石出氏:弊社はもともと年金運用を受託してきた歴史があり、厳密な運用プロセスが確立されていると同時に、マクロ経済分析、市場分析、クレジット分析に長けた人材も充実しています。また、当ファンドは設定から8年を経過し、現地の発行体との強力な関係が構築できてきたと考えています。

■朝倉:当ファンドに魅力を感じている投資家も多いと思います。最後に、投資家の方へのメッセージをお願いします。
■石出氏:この度、短期豪ドル債がモーニングスターアワード・ファンドオブ ザ イヤー2010の国際債券型 部門で最優秀ファンド賞を受賞できたことは、投資家の皆様、関係者の皆様のご支持の賜物と考えており、感謝しています。当ファンドは設定から8年が経過しました。この間、様々な金融危機などが起きましたが、豪ドル債券市場はそうした危機局面でも魅力を失うことがありませんでした。今後もオーストラリアとの強いパイプを築き上げ、運用していきたいと考えていますので、ご愛顧のほど宜しくお願いいたします。

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