Fund of the Year 2011


評価基準日:2011年12月31日 高利回り債券型 部門(対象ファンド:453本)
モーニングスター・類似ファンド分類:国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)
ベンチマーク:バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・マスターII・コンストレインド・インデックス(円ベース)

優秀賞
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド
設定・運用:フィデリティ投信株式会社

当ファンドはマザーファンド(実質的な運用を行うファンド)への投資を通じて、実質的にはBa格(ムーディーズ社)、BB格(スタンダード・アンド・プアーズ社)以下の米ドル建て高利回り事業債(以下、ハイイールド債券)を中心に投資を行う。マザーファンドの運用は米国のフィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ・カンパニー(以下、同社)が行う。個別企業の信用分析では、フィデリティ・グループのアナリストによる徹底した企業調査情報を活用し、ファンドマネジャーが個別銘柄選択を重視したポートフォリオを構築する。毎月22日決算。


選考ポイント

2011年は類似ファンド分類平均を上回る

2011年のトータルリターンは▲2.43%となり、ベンチマークを2.10%下回ったものの、類似ファンド分類平均を3.01%上回った。業種配分においては、エネルギーのアンダーウエイトがマイナスに寄与したが、建設・不動産のアンダーウエイトと銘柄選択での化学、公益がプラスに寄与した。

類似ファンド分類内では、通貨選択型ファンドが全体の平均を押し下げたことには留意が必要なものの、欧州のハイイールド債へ投資するファンドや、CCC格の債券の組入比率が高いファンドに対して優位となった。当ファンドは、類似ファンド分類内の純資産上位ファンドと比較しても組入銘柄の分散が図られている。2011年の標準偏差は12.59%と、類似ファンド分類平均を4.53%下回った。

長期のリスク・リターンも良好、年間の資金純流入額は類似ファンド分類内で1位

当ファンドは1998年に設定されて以来、国内のハイイールド債券運用の分野では先駆的なファンドとして運用実績を重ねてきた。長期の運用成績をみると、2011年12月末までの過去10年間のトータルリターン(年率)は1.86%と、米ドル建てハイイールド債券のみに投資するファンドの中では最も優れた運用成績となっている。暦年では、2011年までの過去13年間のうち8年間で年間のトータルリターンがプラスとなり、7年間は類似ファンド平均を上回った。2009年のトータルリターンは、51.71%と類似ファンド平均を1.26%上回り、相場の上昇局面でも相対的に優位な運用成績を示した。

この長期での良好なパフォーマンスを背景に投資家の人気は高く、当ファンドへの2011年の年間純資金流出入額は1,698億円と、類似ファンド分類内で前年に引き続き第1位、全ファンドでも2011年は第9位となった。一方、純資産額は4,579億円と、2011年12月時点で全ファンド中第12位の規模となるなど、ハイイールド債券に投資する代表的なファンドとなっている。

豊富な運用実績とグループの協力体制を活かした調査・分析

同社の米国ハイ・イールド債券専任の運用チームは40名で構成されている。フィデリティ・グループは、1977年より30年以上のハイイールド債券の運用実績を有し、これまでに蓄積された調査情報や分析ノウハウを共有しつつ調査を行う体制が整備されている。加えて、投資対象の綿密な調査を重視する同社は、世界主要拠点において自社スタッフによる大規模な独自調査体制を築いており、ボトム・アップによる個別企業調査が重要となるハイイールド債券運用においては、豊富な調査情報と分析ノウハウを活用可能とする運用体制が強みとなっている。同チームは、常に約300名の株式アナリストと情報の共有や調査活動の連携を行い、個別企業の詳細情報を債務不履行等のリスクを最小に抑える運用に活かしている。

フィデリティ・グループが運用するアクティブ型ハイイールド債券ファンドの純資産は、米国で最大の規模を誇る。また、フィデリティ投信は、日本のハイイールド債運用においても先駆的存在として、2011年12月末の追加型株式投信のハイイールド債券ファンドの純資産4兆4,803億円のうち1割以上の運用シェアを有している。

なお、当ファンドは良好なパフォーマンスを維持していることから、「ファンド オブ ザ イヤー2009」の優秀ファンド賞、「ファンド オブ ザ イヤー2010」の最優秀ファンド賞に続く、3年連続での受賞となった。