Fund of the Year 2011
モーニングスター ビデオレポート特別対談
特別対談 国内債券型 部門 最優秀ファンド賞受賞
最優秀ファンド賞受賞 特別対談 朝倉智也×山崎信人氏
DIAM 毎月分配債券ファンド 『愛称:円パワーズ』

モーニングスター ファンド オブ ザ イヤー 2011 国内債券型部門において、最優秀ファンド賞を受賞しましたDIAMアセットマネジメント株式会社の「DIAM 毎月分配債券ファンド『愛称:円パワーズ』」の運用を担当されている、同社債券投信運用グループ エグゼクティブファンドマネージャーの山崎信人氏に、当ファンドの概要や運用戦略等についてお話を伺いました。

朝倉:まずは最優秀ファンド賞受賞、おめでとうございます。
山崎氏:ありがとうございます。当ファンドを設定してから1年3ヶ月ほど運用しています。当ファンドを設定したのは、高リスク・高リターンのファンドより多少リターンは低くとも低リスクで、毎月20円程度の安定分配を実施できるようなファンドを投信業界に根付かせたいとの思いがあったからです。今回受賞できて嬉しく思います。

山崎信人氏

朝倉:2011年の国内債券型部門は他資産クラスに比べれば比較的堅調で、その意味では他ファンドとの競争が激しかったともいえますが、当ファンドはトータルリターン2.49%で類似ファンド分類平均を0.83%上回る、優れた運用実績を残しました。要因は何でしょうか。
山崎氏:当ファンドでは安定的な分配金を実現するために、円債だけでなく、必要に応じてより収益力が高い外債も組み入れています。これが愛称の「円パワーズ」の由来です。2011年は、当初は米金利が上昇しがちな局面にあり外債比率10%程度でスタートしたのですが、世界景気の先行きに不透明感が増した6月頃から、最大30%程度まで外債比率を引き上げていきました。機動的なアロケーションを行ったことが良好なパフォーマンスに結びついたのだと思います。

朝倉:2011年は、「パワーズ」の部分に当たる外債は米国債のみの投資となりましたが、他の国の債券を組み入れることも可能ですよね。
山崎氏:OECD(経済協力開発機構)加盟国でAA格以上の格付けを取得している先進国を投資対象としています。ただ、ご存知の通り昨年は欧州債務不安が強まり、例えば信用リスクが低いとされるドイツでも、イタリア、スペイン、ギリシャ等を支援していくうちに財政負担が拡大するリスクが想定され、不安定な動きになりやすくなる可能性がありました。こうした観点から、ドイツやフランスなどには投資せず、投資対象を米国1本に絞りました。通貨や国内外の債券の機動的なアセット・アロケーションが当ファンドの長所で、常に考えを巡らせています。

朝倉:債券に投資するファンドの中では、各残存期間の投資金額がほぼ同程度になるよう機械的に組み入れるラダー(はしご)型運用のファンドの運用効率が良いと考えている投資家の方もいますが、こうしたファンドと比較した場合はどうでしょうか。
山崎氏:当ファンドでは、3年から7年という範囲は規定していますが、デュレーション(債券投資の平均回収期間や金利がある一定の割合で変動した場合、債券価格がどの程度変化するかを示す感応度・数字が大きいほど感応度が大きくなる)を金利情勢に合わせて柔軟に変更しています。アロケーションだけでなく、各債券の年限も機動的に変えているわけです。これは、当ファンドを長く運用したいという思いがあるからです。ファンドを10年も運用していれば、想定もしなかった事態が起こることもあります。当ファンドは、ファンドにいわば防衛手段を設けることで、どのような市場環境でもある程度対応できる柔軟な設計となっています。ラダー型ファンドや、特定の指数への連動を目指すパッシブファンドでは、マーケット動向にパフォーマンスが制限されてしまいます。

朝倉:2011年は組み入れてはいませんでしたが、社債への投資については、どのようにお考えですか。
山崎氏:現状では、日本の各企業の信用リスクに比べてスプレッド(国債と社債の利回り格差)が極めてタイトです。リスクに見合ったリターンが得られるのなら検討しますが、ファンドの設定以来、一度も社債は組み入れていません。

朝倉:当ファンドのような機動的運用を行うには、様々な分析や調査が必要だと思います。御社の運用・調査体制について教えてください。
山崎氏:円債の動きは世界の流れの中でとらえる必要があり、円債だけしか考えないのは危険です。当社の外債ファンドで扱う通貨は、チリやイスラエルの通貨まで含めて33通貨あります。様々なファンドを運用していることで世界の動きが見えるようになり、これが調査のベースにもなっています。また、当ファンドは私を含め3名のファンドマネジャーで運用していますが、他の多くの既存ファンドでもこの3名で運用にあたっています。固定的なメンバーによるチーム編成で、様々な局面を知っている経験が大きいのです。チームの中に1名、マクロ経済全般を調査するエコノミストとは別に、ファンドマネジャーが知りたいことを迅速に調べる調査担当の人間を置き、マーケットで起こっていることに情報の漏れがないような体制を構築しています。ニューヨーク、ロンドン、アジアなど、当社のグローバルな拠点と常に情報を交換しています。インハウス(運用や調査を外部に委託せず、自社内で行う体制)で運用していることも、有事の際には動きやすいでしょう。

朝倉智也

朝倉:今後の世界のマーケット環境と、当ファンドの運用見通しをお聞かせください。
山崎氏:当ファンドは基本的に為替リスクを取っておらず、リスクとしては金利上昇(債券価格は下落)が大きなものとなります。欧州財政問題が完全に解決するには、少なくともあと2〜3年は要するでしょう。世界経済の4分の1程度の規模を占める欧州が病み上がりの状態にあるなか、仮に他の国が好調だったとしても、世界全体の経済成長は当面緩やかなものになると思われます。米国は超低金利政策を2014年終盤まで継続するとしていますし、日本でも日銀が金融政策決定会合で追加金融緩和を決定したばかりです。欧州でも資金が大量に供給されています。こうした環境下、先進国では欧州財政問題が根本的に解決するまでは、かなり低い金利水準が続くことが考えられます。当ファンドにとっては安定的な局面といえます。あとは、比較的収益力の高い外債の組み入れ等を調節し、いかに収益を積み上げられるかが焦点となってくるでしょう。

朝倉:最後に、受益者やファンド購入を検討されている投資家の方にメッセージをお願いします。
山崎氏:当ファンドは、長期間で安定的な利益をあげていくことを目指しています。投資家の方にとっては、長い間銀行に預けたままの預金や、MMF(マネー・リザーブ・ファンド)等の資金を活用するのに一番向いているファンドだと思いますし、長くお持ちになられる方には最適です。一生懸命、誠意をもって運用いたしますので、宜しくお願いいたします。