Fund of the Year 2011
モーニングスター ビデオレポート特別対談
特別対談 国際株式型 部門 優秀ファンド賞受賞
優秀ファンド賞受賞 特別対談 チョウ・ウィンキン氏×朝倉智也

※主要投資対象である「イーストスプリング・インベストメンツ−インドネシア・エクイティ・ファンド」の運用担当者

2月14日、PCAアセット・マネジメント株式会社は、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社に社名を変更しました。これにともない、「PCAインドネシア株式オープン」はファンドの名称を「イーストスプリング・インドネシア株式オープン」に変更しました。 

イーストスプリング・インドネシア株式オープン(イーストスプリング・インベストメンツ)

モーニングスター ファンド オブ ザ イヤー 2011 国際株式型部門で優秀ファンド賞を受賞しました、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の「イーストスプリング・インドネシア株式オープン」について、実質的な運用を行うイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)のアジア株式運用チーム、インベストメント・ダイレクターのチョウ・ウィンキン氏に当ファンドの運用の特徴や今後の見通しなどについて、お話を伺いました。

朝倉:前回は最優秀賞、そして今回は優秀賞と、2年連続の受賞となりました。当ファンドは類似ファンド分類内においても、相対的に高いパフォーマンスをあげています。まず、インドネシア経済の成長ドライバー(要因)について教えてください。
ウィンキン氏:まず、最初に2年連続受賞したことを大変嬉しく思います。ありがとうございます。インドネシアは、アジアのなかでも急成長をしている国の一つです。2011年は、欧州の財政危機が拡大した結果、インドネシアでは輸出が低迷したものの、実質GDP成長率は6.4%となりました。これにはインドネシアの金融政策も功を奏したと思います。長期的にみて、インドネシア経済は、今後もさらに成長していくでしょう。
インドネシアの成長要因として、まず一つ目にあげられるのが、若年層に厚みをもつ人口構成です。インドネシアは世界第4位の人口大国であり、全人口の約半分が25歳以下で占められています。今後、若年層が次々に労働市場に流入することによって、中間所得者層の厚みが増し、それに伴って可処分所得が増大すると期待されています。現段階でも、個人消費はGDPの60%近くになっていますので、今後、労働人口の増加と可処分所得の増大によって、インドネシアのGDPはさらに大きく押し上げられるという構図が期待されています。
二つ目は政治的な安定によって、インドネシアの国債の格付けが引き上げられたことです。その結果、インドネシアに対する投資家の関心が高まり、GDPに対する海外からの直接投資は約30%となっており、アジア通貨危機以前のレベルに戻りました。海外からの直接投資は、今後、さらに伸びるものと見込まれ、インドネシア経済の成長を後押しすると考えられています。

チョウ・ウィンキン氏

朝倉:インドネシア経済の勢いもあって当ファンドの運用成績も良好ですが、次に運用体制についてお聞かせください。
ウィンキン氏:運用体制としてはチーム運用体制をとっており、シンガポールのアジア株式運用チームが、当ファンドの運用を担当しています。私どものチームは、ファンドマネージャー以外にセクターアナリストやポートフォリオストラテジストなど、約20名で構成されています。スタッフの投資経験年数の平均が14年に及ぶなど、様々な景気循環の局面を体験した経験豊富なスタッフで構成されています。投資の意思決定は、ファンドマネージャーが行いますが、最終決定に至るまでは、セクターアナリスト及びポートフォリオストラテジストと協議し、決定しています。

朝倉:銘柄選定における他社との違いやファンドの特徴などについて、詳しく教えてください。
ウィンキン氏:私どもは、長期的な収益獲得を目指し、ボトムアップ・アプローチで銘柄選定を行っています。これにより、長期的に優れたパフォーマンスを投資家の方々に提供できると考えています。銘柄選定では、投資対象企業のファンダメンタルズ分析を行い、本質的価値より低い株価で売買されている銘柄を組み入れるという手法を取っています。ポートフォリオ構築にあたっては、さまざまなセクターの銘柄を組入れ、リスク分散を図っています。私どもは長期的な展望で運用を行っており、一時的に生じるミスプライシングをチャンスとして活用することで、長期的に優れたパフォーマンスを達成できると考えています。

朝倉:当ファンドの2011年のトータルリターンはマイナス4.53%でしたが、類似ファンド分類平均を12.34%も上回っています。その要因についてお聞かせください。
ウィンキン氏:まず、2011年のインドネシアの株式市場が他の国々よりも好調だったことが、当ファンドの良いパフォーマンスにつながったと思っています。実際、欧州の財政危機が再燃しましたが、インドネシア経済自体は健全なものとなっています。
確かに昨年は、ヨーロッパ経済のボラティリティが大変高く、インドネシアの輸出需要も鈍化しましたが、インドネシアの株価指数は、その他の国々の株価指数よりも上回りました。その結果、当ファンドも良い成績を上げることができたのではないかと考えております。さらに、私どもの運用哲学と運用手法が良好なパフォーマンスに貢献したと考えています。私どもは、ボトムアップ・アプローチによって長期的に優れたパフォーマンスを達成できると考えおり、実際このボトムアップ・アプローチが、ここ数年間の良好な運用成績につながったと考えております。

朝倉:当ファンドは2011年12月末時点の純資産額が453億円で、国内のインドネシア株式ファンド内で最大規模となっています。その人気の要因についてお聞かせください。
ウィンキン氏:まず、投資家の皆様に、私どもを信頼し、資産を預けてくださったこと、そして、当ファンドをご愛顧いただいていることに、この場をお借りしてお礼申し上げます。このような大きなファンドに成長することが出来たのは、販売会社の皆様のご尽力と多大なご支援のおかげであることに加え、インドネシア市場が投資家の皆様にとって非常に魅力的な市場であるとともに、今後のインドネシア経済にも大変明るい展望をお持ちいただいた結果だと言えます。
また、私たちイーストスプリング・インベストメンツの運用能力、運用プロセスが非常に高く評価され、信頼されていることの証しだとも考えています。

朝倉智也

朝倉:2012年の見通しと注目するセクターについてお聞かせください。
ウィンキン氏:まず、インドネシア経済の展望ですが、2012年も引き続き堅調で、前向きに考えています。まずGDPに占める負債の額をみても、財政的に良好な状況だということが分かります。また、投資活動も大変活発になっています。我々は、そういった状況の中で、良好な運用成績をあげており、今後もこのような状況は続いていくと期待しています。もちろん、短期的には利益確定売りによって下落する可能性もありますが、長期的な視点で投資することにより、高い収益を確保することができると考えています。また、他のアジアの国々で経済成長が鈍化しているところもありますが、インドネシアにおいては好調な経済成長が続いています。
次に今後注目のセクターですが、3つのセクターに注目しています。
まず、最初は不動産のセクターです。インドネシアは、人口構成上、若年層の住宅購入の拡大が期待されています。また、2011年12月に新しく土地収用法という法律が制定され、政府がインフラ整備のために土地を購入した結果、ジャカルタ郊外の不動産価格が上昇しています。不動産関連の会社の銘柄は保有資産の価値から見て、割安に評価されていると思いますので、今後期待できるセクターだと考えています。
注目しているセクターの二つ目は、金融、中でも銀行セクターです。インドネシアのローン残高のGDPに対する割合というのは、現在30%以下にとどまっており、年々上昇しています。ローンはまだ十分にインドネシア国内で普及していない状況ですので、今後も十分な成長が見込めます。また、アジアの銀行の中で、最も利益率が高いのがインドネシアの銀行です。ROE、株主資本利益率は20%を超えており、非常に期待できるセクターだと考えています。
注目すべきセクターの三つ目は、エネルギーセクターです。特に火力発電所で利用される石炭が期待できると思います。インドネシアは石炭、天然ガスといったエネルギー資源の世界有数の輸出国です。アジアの新興国においては、電力需要がますます拡大しています。ここ数年の間に新たな火力発電所の建設、稼働が次々に予定されています。火力発電所向けの石炭価格は現在のところ安定していますが、今後高騰するかも知れません。現在のバリュエーションは魅力的ですので、石炭セクターは期待できると思います。

朝倉:最後に投資家の皆様にメッセージをお願いします。
ウィンキン氏:改めて、投資家の方々に、私どもイーストスプリング・インベストメンツをご支援いただくとともに、信頼を寄せてくださったことに対して心よりお礼申しあげます。これからもボトムアップ・アプローチにより、投資家の方々に長期的に優れたパフォーマンスを提供できるよう尽力してまいります。インドネシアの株式市場は変動が大きいと感じられる局面もあるかも知れませんが、長期的な視点で投資をご検討いただくことにより高いリターンが期待できる市場です。当ファンドへの投資を通じてインドネシアの経済成長のメリットをご享受いただけると考えています。引き続き当ファンドをよろしくお願いいたします。