Fund of the Year 2011
モーニングスター ビデオレポート特別対談
特別対談 国際債券型(為替ヘッジなし)部門 最優秀ファンド賞受賞
最優秀ファンド賞受賞 特別対談 吉永佳代氏×朝倉智也
三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)『愛称:花こよみ』

モーニングスター ファンド オブ ザ イヤー 2011 国際債券型(為替ヘッジなし) 部門で、最優秀ファンド賞を受賞しました三菱UFJ投信株式会社の「三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)『愛称:花こよみ』」を運用する同社債券運用部マネジャーの吉永佳代氏に、当ファンドの特徴、運用実績、運用体制等について、お話を伺いました。

朝倉:まず、当ファンドの魅力をお聞かせ下さい。
吉永氏:当ファンドは世界の主要国のうち、信用力が高く、相対的に利回りが高い国の債券に重点投資をします。現在の投資割合はオーストラリア70%、ニュージーランド30%です。信用力の高い国に絞ることにより安心感を維持しつつも、重点配分により比較的、高利回りを享受しやすい仕組みとなっております。投資対象国を絞っているので、商品性の分かりやすさも魅力です。

吉永佳代氏

朝倉:今回の受賞で、評価させていただいた運用調査体制についてご説明いただけますか。
吉永氏:当ファンドの運用は、私が所属する債券運用部戦略投資グループで行っております。当グループでは、ファンドマネジャーが独自の視点で分析を行い、金利や為替の見通しについてグループ内で議論し、ファンド毎の投資方針について定めています。各ファンドマネジャーは、地域ごと、戦略ごとの担当となっており、各ファンドマネジャーが分析結果を提示し、グループ全員参画のミーティングを週3回ほど行い、投資方針等を決定するプロセスとなっています。当ファンドのポートフォリオ構築方針等についても、この決定に沿って定められており、グループ内で情報共有しています。また、定期的にヒアリング等も実施し、中央銀行のスタッフや財務省の国債発行担当者、州政府財務公社や国際機関の財務担当者とのミーティング等からも情報収集を行っています。

朝倉:このファンドは、去年の成績と、過去3年間、5年間と類似ファンド分類と比較して、トップクラスのトータルリターンとなっています。他のファンドと比較して何が優れていたのでしょうか。
吉永氏:やはり、当ファンドが先進国投資により安定性を担保しつつも、重点投資により相対的に高利回りを確保していることです。高金利国の債券に重点投資することで、高水準のインカム収入の獲得が期待できます。当ファンドでは、安定的、かつ、より良い運用を目指して、あらゆる面から分析・調査を進めた結果、2011年1月に世界の主要国の定義を変更しました。従前の世界の主要国は、シティグループ世界国債インデックスの構成国としていたのですが、参考国の中から適切と判断した国を加え、ユニバースの拡大を図りました。その結果、ニュージーランドへの投資を開始しています。
 2011年後半にかけて、欧州債務問題の行方に注目が集まりましたが、相対的に財政が健全なオーストラリア、ニュージーランドの債券には強い需要がみられました。一部の中央銀行が外貨準備の分散先として注目したことも一因です.信用力が高く、相対的に利回りが高い国への重点投資というコンセプトに基づき、市場環境を考慮しながら投資国を決定する当ファンドの特徴がリターンに十分生かされた結果だと思っております。

朝倉:現在の主要投資対象国はオーストラリアが全体の7割くらいですが、今後はどのような見通しを持たれていますか。
吉永氏:RBA(オーストラリア準備銀行)は、2012年2月の金融政策決定会合で、市場では0.25%の利下げが予想される中、政策金利の据え置きを決定しました。声明文を読むと、今回の決定は、2011年11月、12月の利下げ効果を見極めようとしていると感じました。オーストラリア経済は深刻に悪いという訳ではないのですが、低迷した状況です。RBAも需要の状況が大幅に悪化すれば、インフレ見通しによっては金融緩和余地が生まれるとの認識を示しています。また、オーストラリアの財政政策は引き締め方向にあることから、低迷するオーストラリア経済を支える手段は金融政策であり、RBAは据え置き期間をもちながら、基本的には、利下げを継続すると考えています。そのため、短中期金利は、一時的に調整する可能性はあるものの、低水準で推移する可能性が高いと考えます。一方、長期金利は、短中期金利に比べて、海外金融市場の影響を受けやすいという特徴があります。主要各国で金融緩和政策が継続し、金利水準が容易に上がらない状況を考慮すると、金利差に着目した資金流入や財政健全国への質への逃避としての需要等から、オーストラリアの長期金利には低下圧力がかかると見ています。また、オーストラリアは各国中央銀行の外貨準備の分散先としても注目されており、そうした需要も期待できます。

朝倉:今後オーストラリアの資産比率が変わるのか、配分をどのように決定されるのか教えていただけますか。
吉永氏:比率が変わる可能性はあります。当ファンドは現在、投資対象国を2カ国としており、世界の主要国の中から厳選した投資対象候補国の中で、利回りの最も高い国に70%、次の国に30%を配分しています。これは、過去データによるシミュレーション結果や、信用力、市場流動性、相場見通し等を総合的に判断した結果です。なお、市況環境の変化等により、今後、結果が変わることも想定されますので、継続的にフォローを行なっていく予定です。

朝倉:このファンドは、どのような投資家に適したファンドなのでしょうか。
吉永氏:幅広いお客様にご投資いただけるファンドです。例えば、信用力の高い、高金利の先進国に投資するため、安心感が高いことから、投資が初めてで外債ファンドに興味がある方に適していると思います。また、毎月分配型であることから、年金受給者の方にもよいと思います。当ファンドの組入通貨以外のファンドを保有している方には、資産分散目的としてお勧めです。

朝倉智也

朝倉:最近は新興国の債券や低格付けの債券のように高い利回りを求め、投資する方も増えています。投資家としてはリスク・リターンをどのように考えれば良いでしょうか。
吉永氏:相場が必ず上がると分かっていれば、より利回りの高い新興国や低格付けの債券を組み入れているファンドに投資すれば良いのかもしれません。しかし、実際には相場の予測は困難です。リスクとリターンは基本的にトレードオフの関係にありますので、投資家の皆様には、ご自分が許容できるリスク、望むリターン、保有資産等にあわせて、ファンドを選んでいただければと思います。

朝倉:今後の分配金に対する方針をお聞かせいただけますか。
吉永氏:設定来、当ファンドは分配金原資を積み上げることができました。今後については、マーケットの状況等により変化いたしますので一概には言えませんが、当ファンドは、基本的に、信用力の高い安定した市場に投資しており、それが今後も継続するという見通しを持っています。

朝倉:当ファンドは高格付け、高利回りな点で魅力的ですが、リスクと注意点についてお話いただけますか。
吉永氏:為替ヘッジなしの外債ファンドですので、金融市場が混乱し、円全面高になるような局面においては対応には限界があり、注意が必要です。こうした過度な通貨変動が想定されるケースに備えて、円ファンドや為替ヘッジ付きファンドに分散投資することも有効と考えます。

朝倉:最後に、受益者の方、および今後投資される投資家の方のために、メッセージをお願いします。
吉永氏:はい。この度、当ファンドが最優秀ファンド賞を受賞し大変光栄に思っております。投資家の皆様、販売会社の皆様を始め、当ファンドに関わる様々な関係者のご支持、ご尽力の賜物と考えております。ありがとうございます。当ファンドは、一定の基準で選定した投資対象候補国の中で、利回りが高い2カ国に重点投資を行います。投資対象候補国を選定する過程においては、信用リスク、市場流動性や取引コスト等を考慮し、投資環境に応じた柔軟な選別、選択を行っています。今後も安定的でより良い運用を目指し、当ファンドを運用して参ります。引き続き、「花こよみ」をよろしくお願いいたします。