Fund of the Year 2011
モーニングスター ビデオレポート特別対談
特別対談 国際債券型(為替ヘッジあり)部門 最優秀ファンド賞受賞
最優秀ファンド賞受賞 特別対談 太田創氏×朝倉智也
フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド Aコース(為替ヘッジ付き)

「モーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー 2011」国際債券型(為替ヘッジあり)部門で最優秀ファンド賞を受賞しました、フィデリティ投信株式会社の「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド Aコース(為替ヘッジ付き)」について、同社商品マーケティング部長の太田創氏に、当ファンドの運用の概要および特徴について、お話を伺いました。

朝倉:「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド Aコース(為替ヘッジ付き)」(以下、「ストラテA」)の2011年のトータルリターンは4.94%と厳しい環境の中で良好なパフォーマンスとなり、類似ファンド分類を1.06%上回りました。まずは、「ストラテA」の概要や特徴についてお伺いします。
太田氏:「ストラテA」は、4つの資産クラスに分散投資しています。ファンド全体の資産の40%が米国ハイ・イールド債券、米国国債および政府機関債に30%、エマージング債券が15%、残りの15%は米国以外の先進国債券となります。米国国債と政府機関債、米国以外の先進国債券で安定的な運用を目指し(安定性追求)、米国ハイ・イールド債券とエマージング債券でより高いリターンを目指す(好利回り・成長性追求)という仕組みです。こうした分散投資からパフォーマンス獲得を目指すファンドはまだまだ珍しいのですが、もっと世の中に広まって欲しいと考えています。

ファンドの基本資産配分
太田創氏

朝倉:モーニングスターではより長期でのトラックレコードも評価しており、特に「ストラテA」はパフォーマンスもさることながら、リスクを非常に抑えた運用を行っています。2012年12月末までの過去3年間のシャープレシオは2.54と非常に高いです。リスクを抑えた上で効率的にリターンを上げており、モーニングスター・カテゴリー内で過去3年間、5年間のシャープレシオはほぼトップクラスです。「ストラテA」の運用の効率性、リスク・リターンはどのような位置づけになっているのでしょうか。
太田氏:「ストラテA」(合成指数)を世界の主要資産のリスク・リターン(円ベース、10年)で比較してみますと、リターンはエマージング債券を上回り、米国ハイ・イールド債券(為替ヘッジ付き)に並んでいます。先ほどの基本配分比率と比較しますと、米国ハイ・イールド債券は40%しか投資していませんが、リスク・リターンでは優れているということになります。リスク・リターンの観点から考えると、非常に効率的な運用となっていると言えるのではないでしょうか。

世界主要資産のリスク・リターン(円ベース 10年)

朝倉:長期間での運用実績についてお伺いできますか。
太田氏:「ストラテA」の1998年の設定来の運用実績をみますと、13年程度の運用期間がありますが、2008年のリーマン・ショック時にはパフォーマンスは落ち込みましたが、これはどの資産クラスも影響を受けましたし、その後もパフォーマンスは回復しています。特徴的なことは、ドル/円為替レートではこの間円高が進みましたが、リターンは安定的に推移していることです。原資産からのインカムゲインやキャピタルゲインを享受できたことに加えて、「ストラテA」では為替ヘッジを行っていることも奏功しています。

運用実績

朝倉:安定運用というと、年間の運用期間ごとの運用実績についても気になります。
太田氏:1998年から2011年までの年間のリターンをみますと、マイナスのリターンとなったのは、1999年から2000年、2007年から2008年にかけてですが、累積投資では40.67%のリターンとなり、10年間で平均すれば3.5%程度となります。5年間継続的に投資したと仮定しての騰落率では、2003年以降で1回しかマイナスになっていません(2008年)。5年間平均して保有すれば、9割超はプラスのリターンだったと言えます。これも安定性の一つの「ものさし」かなと考えています。

運用実績(ストラテA)
朝倉:リーマン・ショックのあった2008年までの過去5年間の騰落率は7.5%のマイナスと、むしろ大分抑えられているなとの印象があります。また、2011年12月末までの過去10年間のトータルリターンも年率で3.61%と、リーマン・ショック、円高と厳しい運用安定の中で良好な運用実績を上げておられますね。

朝倉:「ストラテA」のアロケーションを組み立てる運用チーム、フィデリティ・グループのグローバルの運用調査体制についてもお教えください。
太田氏:「ストラテA」の原型になったファンド「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド」(Fidelity Strategic Income Fund)は米国(ボストン)で運用されており、同ファンドを運用する運用チームが同じく「ストラテA」を担当しています。代表ファンドマネジャーは2名おり、サブファンドマネジャーは5名おり、それぞれの資産クラスを担当しています。フィデリティは株式ファンド、そしてボトムアップ重視のイメージが強いと思われますが、特にハイ・イールド債券やエマージング債券などでは調査が欠かせませんので、そこがフィデリティのアドバンテージと考えます。

朝倉智也

朝倉:米国のモーニングスターでも「モーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー 2011」と同様に、「ファンドマネージャー オブ ザ イヤー」を表彰していますが、2011年の「Fixed income(債券)」部門では、フィデリティのファンド(Fidelity New Markets Income)を受賞しました。5本のファンドが最終候補で残ったそうなのですが、5本中3本がフィデリティのファンドだったそうです。
太田氏:米国で「ストラテA」の原型になったファンド(Fidelity Strategic Income Fund)は、米国で2本運用されていますが、2011年には前年比で2倍近くに増え、日本円では総額1兆5,000億円程度になっています。米国でも債券投資、特に債券での分散投資が非常に注目されています。

朝倉:日本の投資家からみると、海外産の資産クラス、特に債券に投資するファンドにとっては為替の変動の影響が非常に気になるところです。最近は為替ヘッジを行うファンドは人気を集めています。為替ヘッジコストも最近は低下してきているそうですが、為替ヘッジコストとは何なのか、どういう仕組みなのかをお教えください。
太田氏:為替ヘッジとは、現時点から一定間先の為替レートを決めておき、将来に受け取る為替の金額を決めておく仕組みです。その際にかかるコスト(為替ヘッジコスト)は、簡単に言ってしまうと、米ドルと円の場合では、日米の金利差となります。例えば、1米ドル=100円であり、米国の1年金利を5%、日本を2%と仮定した場合、将来(1年後の円/米ドルの為替予約レート)のキャッシュフローを計算すると、現在の1米ドル=100円と、将来の1米ドル=約97.14円が為替ヘッジコストとなり、日米の金利差約3%が為替ヘッジコストに等しいと考えられます。米国の金利が高くて、日本の金利が低い場合は為替ヘッジコストが掛かることになります。

(ご参考)為替ヘッジとは
ところが、現状では、日米の金利差は縮まってきており、2008年のリーマン・ショック以降は米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利を劇的に引き下げました。実質的なゼロ金利政策を行っており、日本もゼロ金利政策を継続しています。最近では、FRBも2014年終盤までゼロ金利政策を継続する見通しを示していますし、目先2年から3年では、日米の金利差がほぼゼロに近い状態が続くと考えられ、今後日米の金利差が拡大するまでは為替ヘッジコストは低い状態で推移すると思われます。

ドル円為替ヘッジコスト推移

朝倉:「ストラテA」は過去のリスク・リターンも高いと同時に、為替変動リスクがない点は日本の投資家に合致していると考えられますが、どのような投資家に向いていると思われますか。
太田氏:いきなりリスクの高い商品に投資するのではなく、まずは「ストラテA」のようなファンドで堅実な投資成果を得た後、次の投資に進んでいただきたいなと思います。また、過去10年間のトータルリターンは日本の国債のリターンの3倍程度となっていますから、中長期的な観点でコツコツ投資する投資家に向いているのではないかと思います。円高によって海外資産に投資するファンドはマイナスの影響を受けますから、「ストラテA」のような為替ヘッジを行うファンドがこれから注目されるだろうと考えています。

朝倉:投資家の方々も期待していると思いますので、最後に投資家の方にメッセージを御願い致します。
太田氏:フィデリティ投信の「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド Aコース(為替ヘッジ付き)」を、これからも是非皆さまにお届けしていきたいと思います。宜しくお願い致します。