MORNINGSTAR AWARO FUND OF THE YEAR 2012

特別対談 池井戸 潤×朝倉 智也
第三者の立場から幅広く公正な情報提供を通じて
投資家の裾野を広げていきたい

モーニングスターは1月31日、評価対象としている投資信託(ファンド)の中から、優れたファンドを表彰する「Morningstar Award ”Fund of the Year 2012”(ファンド オブ ザイヤー 2012)」を発表した。同賞は今回で14回目を数え、着実にそのブランドの地位を固めている。「個人投資家に向けたわかりやすい情報提供を目指している」と語る朝倉智也社長と、直木賞作家の池井戸潤氏が市場活性化のポイントを語り合った。

制作・東洋経済広告企画制作チーム 掲載記事はこちら

幅広い層に伝わる「わかりやすさ」が情報提供の基本


Jun Ikeido

池井戸 潤
作家。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。『果つる底なき』(講談社文庫)で第44回江戸川乱歩賞、『鉄の骨』(講談社文庫)で第31回吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』(小学館)で第145回直木賞を受賞。主な作品に、『空飛ぶタイヤ』『BT’ 63』『不祥事』(以上、講談社文庫)、『オ レたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『シャイロックの子供たち』(以上、文春文庫)、『ルーズヴェルト・ゲーム』(講談社)、『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)などがある。最新刊は『七つの会議』(日本経済新聞出版社)。
朝倉:
池井戸さんの作品は、ほとんど拝読しています。実は、家族も池井戸さんのファンでして。
池井戸:
ありがとうございます。私の小説は「企業小説」にジャンル分けされることが多いのですが、ビジネスマンだけでなく、女性読者も意識し、わかりやすく書くように努めています。そうでないとなかなか読んでいただけないので。その結果、サイン会に小学生が来ていたりと、朝倉さんのご家族のように幅広い年齢層に読んでもらえているようでうれしいです。
朝倉:
「わかりやすさ」は、当社の事業でも重要なキーワードの一つです。米国のモーニングスターは1984年に設立されたのですが、設立の目的は金融機関と個人投資家の情報格差を埋めることでした。第三者の立場から、個人投資家に、できるだけ幅広い情報をわかりやすく提供することが当社の役割です。
池井戸:
朝倉社長とお会いするということで、あらためてモーニングスターのWebサイトを眺めたのですが、ホテルやレストランの5つ星のように、ファンドを星の数で評価するレーティングは、投資家にとってなじみやすいと感じました。ファンドと言うと、どうしても目先のパフォーマンスの良し悪しに目が奪われがちですが、モーニングスターのレーティングはそれだけで判断しているわけではなく、参考になります。
朝倉:
ファンドに投資する際に大切なのは、中長期的に保有できるかどうかです。そのためにはパフォーマンスなど定量的な面だけでなく、定性的な面も評価する必要があります。そこで「ファンド オブ ザイヤー」では、運用会社の運用方針や運用戦略、運用プロセスやリスク管理体制、情報開示の状況なども含め、総合的に評価しています。
池井戸:
私は小説家になる前は銀行員で延べ500社を担当しました。銀行にも信用格付けなどのレーティングがあります。定量要因は数字を入れればいいので簡単ですが、定性要因は難しいですね。その会社が置かれている経営環境の評価には主観が入りやすい。いわばそこがノウハウになります。モーニングスターのレーティングも、定性的な評価がカギになっていますよね。
朝倉:
「顧客第一」を理念に掲げる運用会社は少なくありません。そこで、実際に組織として「受益者第一主義」が実行できているのか、ファンドマネジャーがじっくりと中長期的な戦略でリターンを狙える体制になっているのかということを見極める必要があります。
『低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー』という本にも書いたのですが、日本で販売されているファンドの中には、コストが割高なものが少なからずあります。業界が抱える課題も含めて、第三者の立場で公正な情報提供ができるのも、当社ならではの特色だと感じています。
池井戸:
私も銀行員時代、証券会社と組んでお客様に金融商品を紹介し販売したことがあります。いま振り返ると、売りっぱなしになっていたのではないかと反省しています。組織としても、まだしっかりとお客様をフォローできる体制ではありませんでしたし。
私は96年に銀行を辞め、小説家になりました。その後、98年に銀行の窓口でファンドが購入できるようになりました。その後、市場は広がっているのでしょうか。
朝倉:
銀行に加え、郵便局(現・ゆうちょ銀行)でも、ファンドが販売できるようになりました。最近では、ネットでも簡単にファンドが購入できます。
ただし、販売チャネルが多様になっているにもかかわらず、残念ながら投資家の裾野はなかなか広がっていません。日本の家計金融資産は1500兆円と言われていますが、そのうちファンドに投資されているのは約4%の60兆円に過ぎず、あまり伸びていません。
その一つの要因は、池井戸さんも指摘されたようにわかりにくさだと思います。国内で販売されている、いわゆる追加型株式投資信託は現在、約4000本もあります。この中から投資家が自分に合った1本を選ぶのは容易ではありません。投資対象も、リスクとリターンの関係も1本1本異なります。
そのためにも当社は、投資家の座標軸となるような情報を提供することで、資産形成の支援を行いたいと考えたのです。さまざまな取り組みを行っていますが、当社のセミナーに足を運んだことや、Webサイトを見たことがないという投資家もまだ多いため、さらに啓発活動を強化したいと思っています。

投資家教育ほか、資産形成支援をさらに進める


Tomoya Asakura

朝倉 智也
東京都出身。慶應義塾大学卒。銀行、証券会社勤務後、95年米国イリノイ大学にて経営学修士号(MBA)取得。その後、ソフトバンクにて資金調達・資金運用全般を担当。98年、モーニングスターの設立に参画し、2004年より現職。著書に『投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ランダムハウス講談社)『低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー』(朝日新聞出版)ほか多数。
池井戸:
確かに、日本ではリスクとリターンに関する理解もまだ進んでいませんね。銀行でファンドを購入した投資家から「元本割れをすることもある商品を銀行が販売するなんて」と言われたことがあるとも聞きました。投資家の意識改革も必要ですね。
朝倉:
「投資家教育」と言うとおこがましいですが、商品を販売していない立場から当社ができることはまだまだあります。それを一つひとつ着実に実行していきたいと考えています。
池井戸:
海外では、早期から投資教育を行っているところがありますね。モーニングスターでも、たとえば「キッズ モーニングスター」といったサイトをつくってみてはいかがですか。夏休みの自由課題で使えるようにすると、親子で知識を習得できそうです。
朝倉:
それは面白そうですね。実際にファンドを購入する投資家の裾野を広げるという点だけでなく、金融の仕組みやマーケットの動きを知識として持っているだけでも役立ちますから、文字どおりの投資教育になりますね。
池井戸:
朝倉さんの話を伺っていると、モーニングスターのレーティングが、一種のブランドになっていると感じます。星を付ける責任も大きいでしょうが、引き続き精度の高い情報を提供してほしいと思います。
朝倉:
ありがとうございます。創業以来15年間、愚直に事業を続けてきました。引き続き、投資家の資産形成支援につながる取り組みを進めていきます。

出典:週刊東洋経済 2013年3月30日号

過去のFund of the Year 受賞ファンド

当資料は、モーニングスターが作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。

Morningstar Award "Fund of the Year 2012"は過去の情報に基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、モーニングスターが信頼できると判断したデータにより評価しましたが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。著作権等の知的所有権その他一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar,Inc.に帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

当賞は、国内追加型株式投資信託を選考対象として独自の定量分析、定性分析に基づき、2012年において各部門別に総合的に優秀であるとモーニングスターが判断したものです。投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い、委託会社が運用を行います。投資信託は株式や債券などの価格変動性のある有価証券に投資するため、元本割れの恐れや価格変動の要因となる様々なリスクがあるほか、購入・運用・解約時に所定の手数料や費用などがかかります。これらのリスクや手数料・費用は各投資信託によって異なりますので、商品の購入をご検討の際は当該商品の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等(目論見書補完書面を含む)を十分にご理解し、ご自身の判断でご購入ください。