モーニングスターアワード2014

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モーニングスター アワード2014

評価基準日:2014年12月31日 債券型 部門(対象ファンド:892本)
モーニングスター・類似ファンド分類:国際債券・グローバル・含む日本(F) ベンチマーク:なし

優秀ファンド賞

ブラックロック・ワールド・インカム・ストラテジー『愛称:BR Win』

設定・運用:ブラックロック・ジャパン株式会社

投資方針

 ファンド・オブ・ファンズ方式で運用され、主要投資対象ファンドへの投資を通じて、先進国の国債や投資適格債、地方債、ハイ・イールド債、新興国債券のほか、資産担保証券や株式に実質的に投資する。資産配分や銘柄選択、金利戦略を収益の源泉として、デュレーションやセクター、格付け、国別配分に対ベンチマークでの制限はない。毎月20日決算。

選定ポイント

類似ファンド分類上回る、金利上昇・通貨下落も収益源に
 2014年のトータルリターンは17.22%となり、類似ファンド分類平均を3.98%上回った。四半期ベースのトータルリターンを見ると、同平均を7−9月期に4.33%、10−12月期に4.25%上回り、両四半期において類似ファンド分類内で上位10%以内に入る優れたパフォーマンスとなった。通貨戦略では米ドルのロングのみならず、地政学リスクで売られたロシア・ルーブルや原油安の影響で下押されたカナダドルをショートしたことが奏功するなど、一般的な債券ファンドとは異なり通貨のショートを積極的に行うことでリターンを稼いだ点は特徴と言える。
 また、当ファンドはイールドカーブ戦略において、米利上げの影響を受けやすい短期部分はショートにしており、本来は債券の価格下落要因となる短期金利の上昇局面でも収益を稼ぐことに成功した。一方、短期金利よりも長期金利の低下幅が大きくなることを予想し、こうした値動きにより利益を得られる「フラットニング」と呼ばれるポジションの構築により、年後半の先進国の長期期金利低下局面でもリターンを獲得した。米金利先行きに不透明感が漂う中、金利の上昇・下落のいずれにも柔軟に対応してきた当ファンドの運用戦略は評価される。
「アンコンストレインド運用」が奏功、長期でリスク抑え高リターン
 当ファンドのトータルリターン(年率)は過去3年が20.25%、過去5年が8.83%と、類似ファンド分類平均をそれぞれ3.86%、0.52%上回った。過去5年の類似ファンド分類内では、ソブリン債のみを組み入れるファンドや、米国債や円債に組み入れが偏ったファンドなどに対して優位となった。当ファンドが採用する「アンコンストレインド(無制約)運用」は、投資対象国や債券の種別、信用力、デュレーションなどに制約を設けないことが特徴である。そのため、当ファンドではベンチマークを設けず、また、デュレーションは通常時は1〜4年で調整し、時にはマイナスにすることもある。一般的な債券ファンドに比べて超過収益の源泉を幅広く有することが、類似ファンドを上回るパフォーマンスを実現している。
 また、ベンチマークを設けずに運用することは通常、リスク管理を困難にするものの、当ファンドは独自のリスク管理システムと専門部署により対応している。実際、標準偏差(年率)は過去5年が9.69%と、類似ファンド分類平均を0.28%下回る。また、シャープレシオも過去5年(同)が0.91と、類似ファンド分類平均を0.08上回っており、リスクを抑えながら良好なリターンを達成している。
ベテラン3人が運用、類似の運用戦略は過去1年、3年、5年で上位20%以内
 当ファンドの主要投資対象ファンドはチーム運用制を採用しており、運用・調査経験年数25年以上のベテランのファンドマネジャー3人が運用する。当ファンドと類似の運用戦略であり、主担当ファンドマネジャーのリック・リーダー氏と共同運用者のボブ・ミラー氏が運用する米国籍オープンエンドファンド「Strategic Income Opportunities Fund」(最も古いシェアクラス)は、2014年12月末までの過去1年、3年、5年のリターンが米モーニングスターカテゴリー内でいずれも上位20%以内となっており、良好なパフォーマンスを達成した。米モーニングスターレーティングは4ツ星と、運用の効率性も高い。
 また、同じく両氏が運用する「Blackrock Total Return Fund」(同)は米モーニングスターアナリストレーティング(※)が5段階で上から3番目に高い「Bronze」と、定性面で高い評価を受けている。同レーティングの判断基準となる5項目のうち、「運用プロセス」「運用・調査体制」「運用成績」の3つで最高評価の「Positive」を獲得。徹底したリスク管理と機動的なポートフォリオの調整、40名以上の社債アナリストを擁する充実した調査体制、2014年の米長期金利低下を予想して優れた運用成績を達成した点などを評価している。
(※)米国モーニングスターでは、主要なファンドについて、アナリストによる将来的な長期のパフォーマンスに対する相対的な優劣の判断項目として、運用プロセス、運用成績、運用・調査体制、会社全体、コストの5項目について3段階、総合評価として5段階の評価を公開している。