モーニングスターアワード2014

2014年の市況を振り返って

2014年は日銀やECB(欧州中央銀行)の追加金融緩和、米景気回復などを受けて主要先進国の株価が堅調に推移したほか、債券市場においても金利が低下(債券価格は上昇)基調となりました。また、外国為替市場では対ドルで円安が一段と進み、海外投資に追い風となりました。2014年のモーニングスター類似ファンド分類平均のリターンを見ると、約9割(91分類中81分類)がプラスとなっており、投資環境は概ね良好だったと言えるでしょう。

国内株はアクティブ優位、国際株式やハイイールドに資金向かう

 2014年の類似ファンド分類平均のリターン上位は、モディ新政権への期待から株価が大幅上昇した「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」が53.50%で第1位となりました。利下げや香港・上海の株式相互取引の開始が好感された「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」も25.02%で第10位と良好でした。対照的に「国際株式・ロシア(為替ヘッジなし)」は▲32.63%で下落率第1位となったほか、「国際株式・ブラジル (為替ヘッジなし)」も▲4.78%と落ち込んでおり、新興国の中でも資源国は原油安の影響でパフォーマンスが低迷しました。株式以外では、REIT(不動産投資信託)の好調さが目立ちました。類似ファンド分類平均のリターン上位では、第2位から第9位までをREIT関連の分類が占め、中でも「国際REIT・北米(為替ヘッジなし)」の上昇が目立ち、40.74%で第2位となりました。国内株式の類似ファンド分類では、TOPIX(配当込み)の上昇率が10.27%となったこともあり、9分類すべてがプラスのリターンを達成しました。2014年も概ねアクティブファンドが優位となり、9分類中、7分類でTOPIX(配当込み)のリターンを上回りました。

 こうした環境の中、モーニングスターの調べでは、国内公募追加型株式投信(ETF等は除く)の2014年の月次の純資金流出入額の推移は11月を除く11カ月で純資金流入となりました。年間では2年連続の純資金流入となり、純資金流入額は5兆1,083億円と、2007年以来7年ぶりの高水準でした。良好な市場環境に加えて、2014年1月にNISA(少額投資非課税制度)が開始し、NISAの本命と言われる投信への関心が高まったことも資金流入増加に寄与したとみられます。

 

 類似ファンド分類別の年間の純資金流出入額を見ると、米国の株式市場が好調だったことから海外の株式に投資するファンドが資金を集めたほか、国内で超低金利が続く中、利回りの高い資産に投資するファンドが人気でした。純資金流入額の上位は「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」が1兆471億円で第1位、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」が8,859億円で第2位、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」が8,116億円で第3位となりました。また、バランスファンドの純資金流入額(類似ファンド分類「安定」「安定成長」「バランス」「成長」の合計)は、2,934億円の純資金流入と、2007年以来7年ぶりに純資金流入に転じ、バランスファンドへの注目度が高まっていることが伺えます。

 なお、投信協会のデータによると、公募と私募を合わせた株式投信の本数は8,381本、純資産残高は2014年12月末時点で122兆円と、いずれも過去最高を記録しました。

株式投信(公募+私募)の純資産残高の推移(2014年12月末現在)

投資信託協会データより、モーニングスターが作成

41ファンドが栄冠―REITやフレキシブルアロケーション部門新設

 円安・株高が一段と進むなど総じて投信市場にフォローの風が吹いた2014年に、どのような投信が優れたパフォーマンスを達成したのでしょうか。モーニングスターは評価対象とする国内公募追加型株式投信を対象に、独自の定量・定性分析に基づいて2014年の運用成績などが総合的に優秀であると判断されたファンドを『Morningstar Award “Fund of the Year 2014”(ファンド オブ ザ イヤー 2014)』に選定し、2015年1月30日に発表しました。モーニングスターが評価対象とする4,481本(2014年12月末時点)の中から「国内株式型」や「国際株式型」など8部門で計41ファンドを選出しました。

 今回は、2014年に国内外で良好なパフォーマンスとなり、資金流入も活況だったREITについて「国内REIT型部門」「国際REIT型部門」を新たに設け、優れた運用を行う7ファンドを選出しました。また、NISA開始やラップ口座の人気拡大で分散投資に対する投資家の意識が高まる中、投資比率を機動的に変更するバランスファンドを評価する「フレキシブル・アロケーション型部門」を新設し、投資比率が概ね固定されている従来型のバランスファンドを評価する「バランス型部門」と合わせて9ファンドを選出しました。いずれも独自の運用で高い評価を受けるファンドばかりとなっています。