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資産管理のキホン

確定拠出年金で節税?のウソホント

2016-03-18

 こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。

 確定拠出年金は、自分の将来のための貯蓄をしながら節税できる仕組みなので、老後資金作りを考えるなら一番有利!このような認識をお持ちの方が、昨今はずいぶん増えてきているように思います。これはホントです。

 でも、「私の場合、いったい税金いくら得しているの?(または得するの?)」まで、しっかり理解している方はまだまだ少ないですね。確定拠出年金はみんなが同じ様に得をすると思っているとこれはウソです。

 私たちが負担する所得税率は、ご存じのように所得によって異なります。所得が多い人は税率も高く、税金も多く負担しています。したがって確定拠出年金の節税メリットも、所得が多く負担する税率が高い方の方が多く得する仕組みです。

 そのため具体的な確定拠出年金の節税メリットを知るためには、自分が何%の所得税を負担しているのかを知る必要があります。

 会社員の場合は、源泉徴収票を用いて、自分の所得税率を調べることができます。まず源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引きましょう。これがあなたの課税所得です。(日本の所得税は超過累進課税制度なので、所得全体に同じ税率が掛けられるのではなく、一定の所得に対し段階的に税率が上がります。ここではご自身の所得の内もっとも税率が高い金額を見つける方法をご紹介しています。)

平成23年分 給与所得の源泉徴収票

 課税所得が分かったら、次の税率表にあてはめます。課税所得が400万円であれば、所得税率は20%ということが分かります。

平成19年~平成26年分の所得税の速算表

課税所得額 所得税率
195万円以下 5%
195万円超 330万円以下 10%
330万円超 695万円以下 20%
695万円超 900万円以下 23%
900万円超 1,800万円以下 33%
1,800万円超 40%

※所得税速算表について、詳細はこちらをご参照ください。

 ご自身が負担する税率がわかったら、実際の節税額を計算しましょう。実際の節税額は、年間の確定拠出年金掛金×(所得税率+住民税率)で求めます。所得税率は前述の方法で税率を求めることができます。住民税率は、どこにお住まいでも10%と共通です。

 ただこの節税にも時差があります。所得税については、年末調整で戻りますが、住民税に反映されるのは翌年です。また住民税の場合は「還付」という形をとらず、「納税額が減額」されるので、ちょっと税金で得したという印象が薄れてしまいます。

 それでも日本の最低所得税率は5%、住民税は10%、ですので所得が低い方でも、掛金に対しトータル15%の節税メリットがある確定拠出年金の節税メリットはとっても大きいですね。

 ちなみに個人年金保険も掛金が所得控除になるという点では、確定拠出年金と同じです。しかし確定拠出年金の所得控除になる金額は「掛金全額」なのに対し、個人年金保険は「最高で40,000円」住民税は「最高で28,000円」と上限があるので、やっぱり確定拠出年金の方が得だという訳です。

 ところで会社から確定拠出年金の拠出をしてもらっている「企業型」の場合、年末調整で税金が戻ってきたという経験はないですよね。

 これは確定拠出年金の掛金はそもそも税金がかかる所得と見なされずに加入者さんの個人名義の確定拠出年金の口座に会社が直接積立てくれているからなんです。

 でも、そうなるとどうも「税金、得した感」がなくって、ありがたみが減りますよね。ちょっと分かりやすいように例を出しますね。

 例えば会社が1万円給与を上げてくれたとします。この昇給額は1万円ですが、手取りは違いますね。例えば前述の課税所得400万円の方であれば、昇給1万円に対し所得税20%、住民税10%、社会保険料15%が差し引かれますから、手取りは6,500円となります。

 一方で会社が確定拠出年金の掛金として1万円を拠出してくれると、この1万円からは所得税も住民税も社会保険料も差し引かれずに丸々自分のお金として老後資金の積立に回るわけです。つまり実質35%もお得に貯蓄ができているというわけです。

 確定拠出年金は税金がお得!確かにその通りなのですが、個人型なのか企業型なのかによってもそのお得のメカニズムが異なりますし、加入者さんが負担する所得税率によっても異なるということを理解していただければと思います。

山中 伸枝【やまなか のぶえ】

株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役

経歴:
1966年 岩手県宮古市出身
1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業
「心とお財布をハッピーに!」をモットーに、お客様のお金の不安に丁寧にむき合ったコンサルティングを中心に活動、得意分野は年金と資産運用

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