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資産管理のキホン

小規模企業共済 共済契約者貸付制度

2016-10-14

 個人事業主等の第一号被保険者にとって公的年金に上乗せして老後資金を貯める制度として税制メリットが享受できる小規模企業共済の活用をお勧めしていますが、今回はその制度のもう一つのメリットである共済契約者貸付制度について詳細に説明していきます。

小規模企業共済制度について

出所:独立行政法人中小企業基盤整備機構HP

 共済契約者が利用できる貸付制度の詳細は、以下のとおりです。

貸付制度の内容

  • (1)一般貸付け
    簡易迅速に事業資金または事業に関連する資金を貸付ける制度
  • (2)傷病災害時貸付け
    疾病または負傷により一定期間入院したため、または災害救助法の適用された災害などまたは一般災害により被害を受けたため、経営の安定に支障が生じた場合に事業資金を貸付ける制度
  • (3)創業転業時・新規事業展開等貸付け
    【創業転業時】
    掛金納付月数通算制度の利用により、新規開業・転業後に共済契約を再び締結する意思がある人に、新規開業・転業を行う場合に必要な資金を貸付ける制度
    【新規事業展開等】
    共済契約者の事業多角化に要する資金および共済契約者の後継者が新規開業に要する資金または事業多角化に要する資金を貸付ける制度
  • (4)緊急経営安定貸付け
    経済環境の変化などに起因した一時的な業況悪化により、資金繰りに著しい支障をきたしている場合に、経営の安定を図るための事業資金を貸付ける制度
  • (5)福祉対応貸付け
    共済契約者または同居する親族の福祉向上のために必要な住宅改造資金、福祉機器購入などの資金を貸付ける制度
  • (6)廃業準備貸付け
    廃業の準備(設備の処分費用、事業債務の清算等)に要する資金を共済契約者に貸付ける制度

貸付限度額

 貸付限度額は、算定基準日における掛金残高と掛金の納付月数に応じて、年に2回(4月・10月)設定され、納付済掛金の7割~9割程度です。

  • ―貸付額上限:1,000万円
  • ―貸付額下限:(1)10万円以上・(2)~(6)50万円以上

なお、複数の種類の契約者貸付けをあわせて借りる場合は、1,500万円が上限。

貸付限度額算定基準日と借入申込期間

貸付限度額算定基準日 設定通知の送付月 借入申込期間
前年10月末 4月 4月1日~9月30日
当年4月末 10月 10月1日~3月31日

貸付金の使途

  • (1)~(4):事業資金(運転・設備)
  • (5)福祉資金
  • (6)事業承継資金

貸付期間

  • (1)貸付額により、6ヶ月、12ヶ月、24カ月、36カ月、60ヶ月
  • (2)~(6)貸付額により36カ月、60ヶ月

また、貸付限度額の範囲内で、増額借換えや減額借換えもできます

償還方法

  • (1)貸付期間により期限一括償還又は6か月ごとの元金均等割賦償還
  • (2)~(6)6か月ごとの元金均等割賦償還

利率(2016年9月末現在)

なお、借入の際、以下の収入印紙代を負担する必要があります。

貸付金額 収入印紙の額
10万円 200円
15万円~50万円 400円
55万円~100万円 1,000円
105万円~500万円 2,000円
505万円~1,000万円 1万円
1,005万円~2,000万円 2万円

利子支払方法

  • (1)貸付額・貸付期間
    貸付額100万円以下で貸付期間6か月及び12ヶ月:貸付時一括前払い
    それ以外:貸付時及び償還時に6か月分前払い
  • (2)~(6)貸付時及び償還時に6か月分前払い

延滞利子

(1)~(6)年14.6%

担保・保証人

(1)~(6)不要

借入窓口

  • (1)商工組合中央金庫の本店または支店。なお登録した代理店(金融期間)も可能
  • (2)~(6)商工組合中央金庫の本店または支店(借入申込は独立行政法人中小企業基盤整備機構)

まとめ

 個人事業主の資金調達としては、日本政策投資銀行や商工組合中央金庫からの借入も挙げられますが、必要書類・金利・保証人等の観点から、資金調達が必要であればまず最初に小規模企業共済の共済者貸付制度の利用を優先される事をお勧めします。なお、小規模企業共済自体の共済金は共済金Aの場合、現在1.5%の率で複利運用されており(掛金全額が所得控除の対象を考慮すれば最終利回りは当然1.5%以上です)共済者貸付制度を利用する事によって(貸出利率:1.5%及び0.9%)共済金の最終利回りがマイナスになる事はありません。

大日 滋【おおくさ しげる】

ファイナンシャル・プラニング事務所 インテレクタス代表

経歴:
銀行・証券会社・保険会社勤務を経て、2011年7月ファイナンシャル・プラニング事務所インテレクタスを設立し独立。

保有資格:
CFP(日本FP協会認定)
1級ファイナンシャル・プラニング技能士(国家資格)
企業年金管理士(確定拠出年金)(企業年金連合会認定)

活動歴:
インテレクタスはラテン語で知性を意味し、“大局観を養い常に知性を高める”をモットーに、特に年金及び運用に関して相談業務及び講演を行っています。加えて魅力的な運用手段ですが知名度の低い個人型確定拠出年金の広報活動を積極的に行っています。今回執筆の最初のテーマは個人型確定拠出年金制度を予定しています。

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