2018.07.31 / update

アジア株式市場の足元の状況と今後の投資妙味

J.P.モルガン・アセット・マネジメントエマージング・マーケット・アンド・アジア・
パシフィック・エクイティーズ・チーム
ポートフォリオ・マネジャー

深水 悟朗

PROFILE

1987年第一生命保険入社、東京およびニューヨークにて、外国株式のリサーチ・運用に携わった後、第一生命投資顧問を経て、99年より興銀第一ライフ・アセットマネジメントに転籍(現、アセットマネジメントOne)、外国株式運用グループリーダー、アジア株式運用グループリーダー等を歴任。2011年J.P.モルガン・アセット・マネジメント入社、アジア株式運用担当ポートフォリオ・マネジャー。現在に至る。運用経験年数は31年。

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アジア株に注目が集まっている理由は3つあると考えています。一つ目は経済成長率が先進国に比べて高く、業績の伸びが高いという点。二つ目はアジア経済が新たな成長過程に突入し、急速に付加価値の高い経済に転換する過渡期にあること。三つ目は株価がこの点をまだ織り込んでいないことです。

アジア株式市場では、中国などでニューエコノミーの代表銘柄が株式市場に上場してきたことによって、経済の構造変化が株式市場に反映しやすくなってきたことや、最近の世界同時好景気が追い風となっています。

足元、外部要因の懸念材料が目白押しで、アジア株のさらなる上昇の足かせになっていると見ています。アメリカのFRBをはじめとする世界的な金融緩和政策からの転換、北朝鮮リスクやトランプ政権の貿易摩擦などがありますが、これらは外部要因であり、アジア企業自体のファンダメンタルズには悪影響が見られません。また経済構造の変革が背景となって企業のファンダメンタルズは強固になっていると考えられます。

運用に際してはアジアの構造変化に注目しています。具体的にはライフスタイルの向上、インターネットサービスの浸透、人口動態の変化です。特に、一つ目のライスタイルの向上と三つ目の人口動態の変化はアジアで起こっている大きな構造変化の一つです。人口動態については、インド、インドネシア、フィリピンなど若年人口の多い国もあれば、中国や韓国など老齢化が進む国もあり、国ごとに投資の視点を変える必要があります。

中国をはじめとしてアジア経済はイノベーションという構造変化の真っただ中にあります。かつての日本のように、急成長した時代から安定・中成長期に入りつつあります。

このイノベーションの流れは今後ASEAN諸国にまで広がっていくでしょう。経済の構造変化を受けて株式市場も特にこの数年で大きな変化を遂げつつあります。アジア株運用の醍醐味はこのような大きな変化の勝ち組に先回りして投資することにあると思います。

われわれ運用者はこのように変化を続ける10年後のアジアの姿を想像して、特に高い成長が期待される銘柄に投資していきたいと考えています。