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アナリストの視点(ファンド)

ファンド・オブ・ファンズが増加している?

2006-12-04

投資信託協会が発表するファンド・オブ・ファンズの純資産額が2006年9月に10兆円を突破し、その純資産額は現在も増加しています。そこで、ファンド・オブ・ファンズ増加の背景と選択方法について考えてみましょう。

図表(1) ファンド・オブ・ファンズの純資産増加額
投信協会分類でファンド・オブ・ファンズのもの。ただし確定拠出年金向けファンド、SMA取引向けファンド、ファンドラップ向けファンドは除く。

図表(2) 純資産増加額ランキング(2006年1月4日〜11月30日)
順位 ファンド名 投信会社名 純資産
増加額
純資産額 協会大分類
1 ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配) ピクテ 1,341,179 1,634,944 ファンド・オブ・ファンズ
2 マイストーリー分配型(年6回)Bコース 野村 853,032 1,138,642 ファンド・オブ・ファンズ
3 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月分配型 日興 638,811 1,169,368 ファンド・オブ・ファンズ
4 ダイワ・グローバル債券F(毎月分配型) 大和 584,288 1,445,610 バランス型
5 グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) 国際 555,865 5,634,938 バランス型
6 グローバルREITオープン 野村 365,083 544,495 ファンド・オブ・ファンズ
7 DIAM 高格付インカム・オープン(毎月決算) 興銀第一ライフ 317,097 861,339 バランス型
8 GW7つの卵 日興 297,711 638,654 国際株式型
9 日興 スリートップ(隔月分配型) 日興 268,883 268,883 ファンド・オブ・ファンズ
10 ノムラ・オールインワン・ファンド 野村 250,557 250,557 ファンド・オブ・ファンズ
11 アジア好配当株投信 野村 243,422 243,422 国際株式型
12 りそな・世界資産分散ファンド 大和 239,502 302,077 バランス型
13 野村 世界6資産分散投信(分配コース) 野村 226,234 241,243 バランス型
14 グローバル好配当株オープン 大和住銀 197,888 306,135 国際株式型
15 ハイグレード・オセアニア・ボンド(毎月分配) 大和 189,523 383,550 バランス型
16 ノムラ 日米REITファンド(毎月分配型) 野村 164,291 173,076 ファンド・オブ・ファンズ
17 ダイワ/モルガン・スタンレー世界新興国株F 大和 163,593 163,593 ファンド・オブ・ファンズ
18 ピムコ ハイ・インカム毎月分配型ファンド 三菱UFJ 154,482 463,991 ファンド・オブ・ファンズ
19 DIAM ワールド・リート・インカム(毎月決算) 興銀第一ライフ 153,406 270,204 ファンド・オブ・ファンズ
20 ノムラ ファンドマスターズ新興国株Bコース 野村 142,944 142,944 ファンド・オブ・ファンズ
 単位:百万円


 ファンド・オブ・ファンズとは、複数のファンドで運用するファンドをいいます。純資産増加額ランキング上位20本のうち、11本もファンド・オブ・ファンズとなっています。ところが、ファンド・オブ・ファンズといってもさまざまなタイプが存在しています。そこで、まずファンド・オブ・ファンズをタイプわけしてみましょう。

1.マネジャー・セレクションタイプ

 ファンドマネジャーは株式運用や債券運用など各自得意な分野を持っています。これらのファンドを組み合わせることで、複数のファンドマネジャーによる効果的な運用が期待できます。これをマネジャー・セレクションタイプといいます。複数の資産を組み合わせたり、複数の運用会社のファンドを組み合わせることで、高い分散効果が期待できます。「マイストーリ分配型(年6回)」「ノムラ・オールインワン・ファンド」などがこのタイプに入ります。

2.REITタイプ

 REITファンドもファンド・オブ・ファンズに含まれます。そもそもREIT自体が投資信託だからです。また、REITを組み入れた資産分散ファンドも一部ファンド・オブ・ファンズ形式をとっています。「財産三分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型」がこのタイプに入ります。

3.形式上のファンド・オブ・ファンズ

 やや少数ですが、形式的にファンド・オブ・ファンズとしているファンドも存在しています。そのファンドの主となる投資対象で運用するファンドと現金の管理などを行なうファンドを組み合わせるタイプです。多くのインド株ファンドや新興国株ファンドがこの形態を採用しています。このケースは、すでに運用されている外国籍ファンドを国内籍のファンドとして販売したり、海外の投資家の購入も想定するといったマーケティング色が強いのが特徴です。また、すでに運用されている他のファンドとまとめて運用することができるため、運用や調査の効率性を高めることができるメリットがあります。

図表(3) ファンド・オブ・ファンズのタイプ別内訳推移
投信協会分類でファンド・オブ・ファンズのもの。ただし確定拠出年金向けファンド、SMA取引向けファンド、ファンドラップ向けファンドは除く。


 さて、図表(3)を見てみましょう。これは、各年のタイプの比率を表したものです。これを見ると、マネジャー・セレクションタイプの伸びよりもそれ以外のタイプの伸びが大きくなっています。これは、グローバル型を中心としたREITファンドの増大や、資産分散ファンドの人気の高まり、また新興国株ファンドへの急激な資金流入などが要因として挙げられます。マネジャー・セレクションタイプは増加しているものの、その4割は野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジーが運用するファンド・オブ・ファンドが占めており、一部のファンドへの資金流入にとどまっているようです。
 最後にファンド・オブ・ファンズを購入する場合の注意点をあげましょう。ファンド・オブ・ファンズの場合、ファンドと組入ファンドのコストのチェックが欠かせないポイントです。ライフサイクル型ファンドなど自社ファンドを組入れるものや形式上のファンド・オブ・ファンズの場合は、そういった点が考慮されているものの、他社ファンドを組入れるものはコストが二重にかかることも考えられるからです。ただファンド・オブ・ファンズの場合、信託報酬、購入手数料など主なコストをファンド・オブ・ファンズと組入ファンドのそれぞれについて開示するルールとなっていることから、目論見書などで情報を入手することができます。また、マネジャー・セレクションタイプの場合、組入ファンドの把握が重要です。どのようなファンドで運用されているのか、自分の持っているファンドと重複していないか、組入ファンドのパフォーマンスは良好かなど、定期的なチェックが重要です。
 ファンド・オブ・ファンズ自体は、投資信託を運用する際の一形態にすぎませんが、バランスファンドを作る場合や成長・バリュー、大型・小型といった投資スタイルの異なる株式に幅広く投資するファンドを作る場合においてそれぞれの資産の運用を得意とするマネジャーの力を結集できる商品です。今後の拡大が期待されます。

(濱野 里砂)

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