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アナリストの視点(ファンド)

ファンドのトータルリターンと純流入の関係

2010-08-19

新規設定ファンドの当初募集金額に陰り

 2010年も後半に入り、景気先行きに不透明感が漂う中、新規設定ファンドの当初設定金額にも変化が出ている。大手販売会社の新設ファンドについては安定的な資金流入が継続しているが、新規設定ファンド全体としてみると、当初設定金額は10年4月をピークに低下している。09年に人気を集めた「通貨選択型」ファンドの人気も落ち着いてきたほか、国内外の株式に投資するファンドについても当初設定額の伸びは鈍い状況となっている。
 10年1月から7月末までの新設ファンドの当初募集金額の集計は、09年の同時期と比較すると、7月末時点ではまだ10年の方が多い。ただ、09年は3月、4月に国内外の株式市場が底打ち、その後は回復途上にあったことに加え、ファンドの当初設定額も伸びていた。足元ではまだ10年の当初設定金額の累計額が多いものの、新規設定ファンドへの新規流入の勢いに差が出てきている形になってきている。

各月の新規設定ファンドの当初設定金額の合計(2009年1月から2010年7月まで)

単位:億円

各月の新規設定ファンドの当初設定金額の合計

出所:モーニングスター作成
※DC、SMA向け、限定追加型ファンドを含む

既存ファンドへの資金流入も

 一方、足元では既存ファンドへの資金流入が話題を集めている。「フィデリティ・USリート・ファンドA(為替ヘッジあり)/B(為替ヘッジなし)」が資金を短期間に大きく集め、5月20日に買い付け申し込み受け付けを一時停止(8月16日から再開)したことや、これまであまり注目を集めてこなかった資産クラスである「国内債券」に投資する「ニッセイ日本インカムオープン(愛称=Jボンド)」への資金流入が目立ったことに加え、これまでも人気を集めてきた「短期豪ドル債オープン(毎月分配型)」への資金流入も目立っている。

7月末時点での過去1年間までの純流入超ファンドはトータルリターンもプラスの傾向だが

 そこで、10年7月末時点での各ファンドの過去1年間のトータルリターンと、09年7月末から10年7月末までの各ファンドへの資金の純流入状況をみてみる。過去1年間では純流入超が目立ったファンドについては、トータルリターンがプラスとなっているファンドが多い傾向が出ている。既存ファンドについては資金流入とパフォーマンスに正の相関がみられそうだ(図参照)。09年7月時点でも同じく過去1年間のトータルリターンと純資金流入の関係をみると、同様の傾向が出ている。ただ、個別ファンドの動向でみると、純資金流入が大きなファンドのほとんどが毎月分配型の海外資産に投資するファンドになっている。こうしたファンドは海外資産に投資するケースが多く、海外資産価値が上昇したことなどから、直近1年間のパフォーマンスはプラスのリターンを獲得したものが多かったようだ。過去にも分配金に注目した毎月分配型ファンドには資金の流入傾向が強く、こうしたファンドのパフォーマンスが良好だったことから、ファンドの純流入とパフォーマンスに相関が強まっている可能性もあるだろう。

2010年7月末までの追加型株式ファンドの過去1年間のトータルリターンと純流入額の関係 2010年7月末までの追加型株式ファンドの過去1年間のトータルリターンと純流入額の関係

出所:モーニングスター作成
※2009年7月末時点で純資産額が100億円未満のファンドは除く

(渡邉 亮)

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