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アナリストの視点(ファンド)

パッシブファンドの優位は揺るがない?

2010-12-02

パッシブファンドの魅力の一つはコストの低さ

 過去数ヵ月間に新規設定されたファンドをみると、通貨選択型に次いで設定が目立つのが、ETFやパッシブ(インデックス)ファンドである。11月に入ってからも、みずほ投信が国内外の債券と外国株式の計3本のパッシブファンドを新規に設定したほか、野村アセットマネジメントも国内外の株式、債券、REITの計10本のパッシブファンドを設定した。30代〜40代の投資家を中心にパッシブファンドを中心とした運用を望む投資家が増加傾向にあり、こうした投資家の取り込みを狙った、との見方もあるようだ。
 パッシブファンドへの注目度が高まっている背景の一つに、コストの低さがある。モーニングスターの主要な新類似ファンド分類について、パッシブファンドとアクティブファンドの信託報酬率等を比較すると、パッシブファンドが概ね0.5%〜1%程度下回っている(図1参照)。また、パッシブファンドのコストそのものも、近年は低下傾向にある。例えば、現存する「TOPIX連動型」の場合、2000年までに設定されたファンドの信託報酬率等の平均は0.70%、2005年までの過去5年間では同0.65%となっているのに対し、2010年までの過去5年間では同0.47%にとどまる。

(図1)主要な新類似ファンド分類の信託報酬率等比較(2010年10月末時点)
新類似ファンド分類 ファンド数 信託報酬率等(税込)
の平均(%)
国内大型ブレンド 226 1.46
TOPIX連動型 28 0.63
国際株式・グローバル・除く日本(F) 58 1.67
MSCIコクサイ(円ベース)連動型 15 0.78
国際株式・エマージング・複数国(F) 129 1.89
MSCIエマージング・マーケット(円ベース)連動型 4 0.83
国際債券・グローバル・除く日本(F) 103 1.23
シティ世界国債(除く日本、円ベース)連動型 12 0.70

※1 DC(確定拠出年金向け)、SMA(ファンドラップ向け)は除く
※2 信託報酬等には監査費用も含む
出所:モーニングスター作成

アクティブファンドの中でも、新興国の苦戦目立つ

 パッシブファンドとアクティブファンドを比較すると、アクティブファンドはリターンの面でも魅力が乏しいとされる。実際に、パッシブファンドとアクティブファンドの年次(暦年)のトータルリターンに基づいて、アクティブファンドの「勝率」を計算すると、アクティブファンドの勝率が5割を切る年が多い(図2)。中でも、ここ数年間では新興国株式ファンドの苦戦が目立つ。投資対象となる資産が上昇している間は、ベンチマークに対する優劣はさほど気にならない場合もあるが、パフォーマンスが悪化した場合には想定外の損失を被るケースも少なくない点には留意が必要であろう。

(図2)アクティブファンドの勝率
(図2)アクティブファンドの勝率

※1 勝率=インデックスのリターンを上回ったアクティブファンドの本数÷全アクティブファンドの本数
※2 日本株は2010年10月末時点で新類似ファンド分類「国内大型バリュー」「国内大型グロース」「国内大型ブレンド」に属するファンド、先進国株は2010年10月末時点で新類似ファンド分類「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」に属するファンド、新興国株は、2010年10月末時点で新類似ファンド分類「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」に属するファンド
※3 2010年10月末時点で純資産額10億円未満、DC、SMAは除く
※4 ベンチマークは、日本株はTOPIX(配当込み)、先進国株はMSCIコクサイ(配当込み、円ベース)、新興国株はMSCIエマージング(配当込み、円ベース)と仮定
※5 各分類内には、今回比較対象としたベンチマークを実際のベンチマークとして使用していないファンド等が含まれる
※6 海外指数は、各指数の月末データを月末TTM(三菱東京UFJ銀行)にて、モーニングスターが円転
出所:モーニングスター作成

(吉田 誠)

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