fund_beginer fund_search fund_look



アナリストの視点(ファンド)

インデックスファンドへの資金流入続く

2011-01-04

 近年はインデックスファンドに注目する投資家が増えていると同時に、運用会社や販売会社の中でもインデックスファンドの販売や普及にこれまで以上に力が入っているところも増えてきている。特に、投資家にとっては海外資産、特に新興国株式や債券のインデックスファンドへの投資が可能となったことで、一般的な資産クラス(株、債券)については国内外の資産を問わず、インデックスファンドを活用した資産運用が可能になってきている。

 インデックスファンドには、(1)信託報酬率などのコストがアクティブファンドと比較して一般的に低く、コストメリットが高い、(2)インデックスに連動するという仕組み上、値動きがわかりやすい、といったメリットが投資初心者に向いているとされているほか、長期の資産運用といった観点でも効率性が高いとされる。若年層においては、ドルコスト平均法による「積み立て投資」を活用する投資家も増加しているようだ。2010年度の税制改正による日本版ISAの導入で資産形成層の投資行動の変化の可能性もあることから、投資の受け皿としてのインデックスファンドの役割が期待されている。

 一方、アクティブファンド、特に株式に投資するファンドへの資金流入傾向は、世界的にも強いとはいえない。2009年11月末から2010年11月末までの過去1年間の株式に投資するファンドの傾向をみると、海外株式に投資するファンドの傾向では、類似ファンド分類「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」では資金流入超となったものの、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」は資金流出超となった。「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」は一部のファンドへの資金流入超が目覚しかったことに加え、「通貨選択型」ファンドに資金が入ったことが理由と考えられる。一方、国内株式に投資するファンドについては、「国内大型グロース」を除いては資金流出超となった。「国内大型グロース」についても、同じく「通貨選択型」ファンドへの資金流入超が目立ったことが背景となっている。また、大きく純資産を減らしたのが「国内大型ブレンド」となった。

 インデックスファンドについてみると、「MSCIコクサイ(円ベース)連動型」が108億円超の資金流入超となっている。しかし、「シティ世界国債(除く日本、円ベース)連動型」は780億円超の資金流出超となった。アクティブファンドを含めて世界の債券に投資するファンドについても、実際には先進国債券を中心に投資するファンドでは概ね資金が流出しており、エマージング債券に投資するファンドに資金が流入していることを反映してのものと考えられる。また、国内資産に投資するインデックスファンドでは、「NOMURA−BPI(総合)連動型」が114億円超の資金流入超となったほか、「東証REIT指数連動型」が719億円超の資金流入超、「TOPIX連動型」においても42億円超の資金流入超となった(ただし、「日経225連動型」は230億円の流出超となった)。株式に投資するインデックスファンドにはコンスタントに資金が流入している状況がうかがえる。

表1:2000年1月末を基準としたTOPIXとジャスダック指数の推移(月次)
表1:2000年1月末を基準としたTOPIXとジャスダック指数の推移(月次)

出所:モーニングスター作成

 足元、インデックスファンドには資金が流入する動きが出ているが、アクティブファンドに投資するメリットがないという訳ではないだろう。単純に日本の株式市場を考えてみても、「JASDAQ−TOP20指数ファンド」が設定されたことで日本の新興市場株を対象としたインデックスファンドが出来たものの、個別の新興市場の株式に投資することや、アクティブファンドを経由する以外では投資機会は少ない。中小型株や新興市場の株式の上昇局面はTOPIXや日経平均株価の上昇のタイミングは異なっており、その上昇幅(下落幅)も異なっている。足元の日本株式を投資対象とするファンドの相関性をみてみると、総じてTOPIXへの連動性が高まっており、この点ではアクティブファンドとインデックスファンドとのパフォーマンス差が生じにくい状況と言える。特に2009年以降はTOPIX、ジャスダック指数ともに大きなレンジ内での推移となっていることも背景にあるかもしれない。ただ、過去においては小型株や中型株に投資するファンドがTOPIXとは異なる値動きとなった時期もあり、今後の投資環境においてはアクティブファンドを活用して投資機会を狙える可能性もあると思われる。

表2:TOPIXと類似ファンド分類平均(モーニングスターインデックス)との相関性の推移
(過去3年間で測定、月次)

表2:TOPIXと類似ファンド分類平均(モーニングスターインデックス)との相関性の推移(過去3年間で測定、月次)

出所:モーニングスター作成

(渡邉 亮)

「アナリストの視点」よく読まれている記事(過去1週間)

アナリストの視点はRSSでも配信しています

バックナンバー