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アナリストの視点(ファンド)

年金基金の資産配分について

2011-01-25

 投資家がどのような資産配分(アセットアロケーション)で運用を行うかで、運用成績は大きく異なる。運用成績の9割は資産配分で決定されると言われており、金融資産を購入する前に資産配分についてしっかりと検討することは重要である。しかし、専門家の知識無しで、自分に合った資産配分を組むことはやや難しい。そこで、今回は、参考までに大規模な資金を運用している日米の年金基金の資産配分について紹介する。

国内最大の年金運用機関GPIFの場合

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国内の公的年金の運用を行う。年金運用の特性上、短期の運用成績ではなく、長期での安定的な運用成績を目指す。国内の金融・経済の専門家の意見を基にポートフォリオの構築を行っており、2010年の基本資産配分比率が図表1である。国内債券へ投資する割合がかなり高く、国内株式を含めると80%近くを国内資産で運用している。アクティブファンドよりもパッシブファンドへ運用が偏っていることなど、年金資産を減らさないような保守的な運用を行っていることが特徴となる。

図表1 GPIFの基本ポートフォリオ
図表1 GPIFの基本ポートフォリオ

出所:GPIF公表データよりモーニングスター作成
※2010年1月24日現在の基本ポートフォリオ

米国最大規模の年金運用機関CalPERSの場合

 一方、米国最大の年金の運用機関であるCalPERS(the California Public Employees' Retirement System、カリフォルニア州職員の退職年金基金)では、GPIFとは異なるポートフォリオを構築している(図表2参照)。特に、GPIFとは株式への投資比率に大きな違いがあり、株式への投資比率が60%近く、そのうち米国株式の比率は40%近くで運用されている。また、ヘッジファンドへ投資をするほか、新興国、商品などのインフレ連動債などの比較的リスクの高い資産にも投資を行っており、幅広い資産への分散投資を行っている。

図表2 CalPERSの基本ポートフォリオ
図表2 CalPERSの基本ポートフォリオ

出所:CalPERS公表データよりモーニングスター作成
※2010年1月24日現在の基本ポートフォリオ

求めるリターンによって結果は様々

 過去5年間のGPIF、CalPERSのパフォーマンスを見ると、資産配分の違いが表れた結果となった(図表3参照)。日米で会計年度が異なるため、単純な比較は出来ないが、GPIFではローリスク・ローリターン運用、CalPERSではハイリスク・ハイリターンの運用を行っていることが分かる。
 同じ年金基金でもここまで資産配分が違うように、投資家は、求める利回り、リスク許容度、運用期間、得意とする投資対象など様々な点で異なる要素を有しており、一概にどういった資産配分が好ましいとは言えない。ただ、資産配分について定期的にチェックを行うほか、投資資産の見直しを必要に応じて実施することに関しては、必ず行うべきであろう。

図表3
GPIFのパフォーマンス

2009年度 7.9%
2008年度 -10.0%
2007年度 -6.4%
2006年度 4.8%
2005年度 14.4%

CalPERSのパフォーマンス

2009年 12.1%
2008年 -27.8%
2007年 10.2%
2006年 15.7%
2005年 13.4%

出所:GPIF、CalPERS公表データよりモーニングスター作成
※GPIFは年度、CalPERSは暦年でリターンを表示

(下村 優太)

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