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アナリストの視点(ファンド)

2012年度のまとめ 過去10年間の年度別、資産クラス別の騰落率

2013-04-11

2012年度のモーニングスターカテゴリー〜国内REIT型や国内株式型が大幅上昇〜

 2013年4月に入り、2012年度のファンドの運用成績を見返している投資家も多いのではないだろうか。特に2012年末からは国内株式型や国内REIT(不動産投資信託)型の上昇が目立ち、外国為替市場での円安が進んだことから、海外資産に投資するファンドの運用成績も良くなったものも目立っている。今回は、2012年度のファンドの運用成績をみると同時に、長期でのリスク・リターンの変化をみてみる。

2012年度のファンドの運用成績は概ね良好

図1:年度末(各3月末時点)での年間トータルリターン平均の推移
(モーニングスター・大分類ベース)

図1:年度末(各3月末時点)での年間トータルリターン平均の推移(モーニングスター・大分類ベース)

2013年3月末時点
モーニングスター・インデックスベース
ベージュはマイナス、水色はプラスを示す
出所:モーニングスター

 図1は、モーニングスターの主要なカテゴリー別(モーニングスター・大分類ベース)でみた、年度ベースのファンドのトータルリターンの平均(モーニングスター・インデックスベース)の推移となる。2012年度は、国内REIT型の76.72%を筆頭に、国際REIT型が28.87%、国内株式型が26.26%となるなど、モーニングスター・大分類の10分類中9つの分類がプラスとなるなど、大分類ベースでみると、全体的に運用成績は良好であった。直近では、2008年のリーマン・ショック以降に株式などが大きく反発した2009年度は全ての大分類が上昇したが、それに次ぐ多さとなる(2005年度も国内債券型がマイナスになった以外は上昇している)。

 2012年度は特に国内REIT型の大幅上昇が目立つが、月次では3月に25%超の上昇となるなど、2013年1月以降に上昇が加速している。これは、日本政府の「アベノミクス」に代表される積極的な経済政策への期待や、日銀のJ−REIT買い入れ拡大期待などが大きく影響しており、実際に日銀は4月の金融政策決定会合でJ−REIT買い入れ額の増額を発表している。ただ、J−REITへの過度な資金流入によって、買付け申込受付の一時停止方針を決めた国内REIT型ファンドも出てきている。ファンド等を通じた短期的な過熱感を指摘する声も出ており、変動の大きな相場展開になる可能性にも注意したい。

 より詳細にモーニングスターカテゴリー別の平均をみてみると、ベア型のカテゴリー、もしくは一部の為替ヘッジありのカテゴリーがマイナスとなった以外は概ね上昇している。国内REIT型、国内小型(「国内小型グロース」など)、豪州REITを中心に投資する国際REIT型などの上昇が目立っているが、ブラジル(「国際株式・ブラジル(為替ヘッジなし)」)やロシア(「国際株式・ロシア(為替ヘッジなし)」)などの一部の新興国株式に投資する国際株式型のカテゴリーは相対的に低迷している。更に、足元の円安進展を受けて、為替ヘッジを行うファンドの運用成績も相対的に劣後している。過去にリスク回避の進展時には円高が進んだこともあり、為替ヘッジありのファンドへの純資金流入が進んだが、足元で円安傾向が強まる中、今後はこうした傾向に変化が出るかも注目されるだろう。

図2:2013年3月末での過去5年間のリスク・リターン(モーニングスター・大分類ベース)

図2:2013年3月末での過去5年間のリスク・リターン(モーニングスター・大分類ベース)

2013年3月末時点
モーニングスター・インデックスベース
出所:モーニングスター

国内REIT型のリターンは高いが

 図2は、2012年度末時点(2013年3月末時点)の過去5年間のモーニングスターの主要なカテゴリー別(モーニングスター・大分類ベース)でリスク(標準偏差、横軸)とリターン(トータルリターン、縦軸)を図示したものとなる。2012年度のリスク・リターンでは、国内REITはこの間大幅に上昇したことから、リターンとリスクも上昇しているほか、国内株式もリターンが上昇している。ただ、国内REITの同月末までの過去5年間のトータルリターン(年率)は8.93%となっており、直近の運用成績の良化が大きく影響していることがわかる。また、同期間の国内株式型は0.12%とほぼ0に近い。過去5年間では2008年のリーマン・ショックの影響から運用成績が大きくマイナスの影響を受けていることを考慮に入れる必要があるものの、短期の運用成績のみではなく、中長期の運用成績、そしてリスクを合わせて資産形成を考えることが大事だろう。

(渡邉 亮)

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