fund_beginer fund_search fund_look



アナリストの視点(ファンド)

インデックスファンドで始める国際分散投資、手数料の安さで選ぶならこの10本

2014-07-10

 指数への連動を目指すインデックスファンドは、値動きが分かりやすいことから、投資初心者向きの商品だ。例えば、日経平均株価はテレビなどでよく目にするため、同指数に連動するインデックスファンドを持っていれば、値上がり・値下がりの傾向を容易に把握できる。さらに、インデックスファンドの魅力は、値動きの分かりやすさだけではなく、国際分散投資を安い手数料で簡単に実現できるというメリットも大きい。ただ、インデックスファンドの純資産額のカテゴリーシェアをみると、こうした用途ではまだ十分に利用されていないのが現状だ。

久しぶりの活況

 海外投資におけるインデックスファンド活用の利点を説明する前に、まず、インデックスファンド全体の資金流入動向を振り返ってみよう。2014年に入り、インデックスファンドへの資金流入は好調だ。年初来で6月末までに3,469億円の純資金流入となった(図表1)。このまま資金流入が続けば、4年ぶりの資金流入超となるだけでなく、2006年の4,821億円を上回り、過去10年で最高の純資金流入額を記録することも考えられる。

図表1:インデックスファンドの純資金流出入推移

図表1:インデックスファンドの純資金流出入推移

※1. インデックスファンドの区分は投信協会の分類に基づく
※2. 確定拠出年金専用ファンド、ラップ口座専用ファンド、ETFなどを除く
※3. 2014年は年初から6月末まで。6月はモーニングスター推計値
出所:モーニングスター作成

 なぜ、2014年に入ってインデックスファンドに資金が戻り始めたのだろうか。最大の理由は、日本株への逆張り狙いの投資だ。年初から6月末までの日経平均株価連動型インデックスファンドへの純資金流入額は2,272億円と、全体の約3分の2を占める。特に日経平均株価が8%超下落した1月の純資金流入額が1,822億円と圧倒的大きく、「売られ過ぎ」と判断した投資家の買いが集中したようだ。また、2014年からNISA(少額投資非課税制度)が始まり、投資初心者でも値動きがわかりやすい日経平均株価連動型インデックスファンドが注目された面もあるだろう。

利用は国内株式中心だが…

 資金流入動向だけでなく、インデックスファンドの純資産額のシェア(2014年6月末時点)で見ても、国内株式の比率は46.3%と最も大きく、5年前と比べて6ポイントほどシェアを伸ばし、全体の半分近くを占めるまでに拡大した(図表2)。一方、近年では世界各国の株式に幅広く分散投資するインデックスファンドの品揃えが充実してきたが、国際株式のシェアは7.9%と、5年前比で拡大傾向にあるものの、国内株式の6分の1以下にとどまる。

図表2:インデックスファンドの純資産額、カテゴリー別シェア

図表2:インデックスファンドの純資産額、カテゴリー別シェア

※1. インデックスファンドの区分は投信協会の分類に基づく
※2. カテゴリーはモーニングスター大分類に基づく
※3. 確定拠出年金専用ファンド、ラップ口座専用ファンド、ETFなどを除く
出所:モーニングスター作成

 インデックスファンドは、幅広い銘柄への分散投資を容易に低コストで行える点が魅力。投資家がファンドを保有し続ける限り運用管理必要として負担する必要がある信託報酬等(監査費用含む)は、2014年5月末時点で国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用ファンド、ラップ口座専用ファンド、ETFなど除く)の平均1.41%に対して、インデックスファンドは0.69%と大幅に低く抑えられている(純資産額加重平均として計算)。特に海外の資産は、個人投資家がファンドを使わずに投資する場合、手間やコストがかかり難しいだけに、インデックスファンドを利用するメリットは大きい。純資産額のシェアを見る限り、インデックスファンドを国内株式への投資に活用する投資家が多いようだが、海外資産への投資のおいても、もっと利用が広がってよいだろう。

 国内株式偏重は、分散投資の観点からも好ましいとは言えない。国内株式は2013年にアベノミクス相場で株価が大幅に上昇し、歴史的な上げ相場となったが、過去10年の長期で見ると国際株式に大きく差を付けられている(図表3)。国内株式のパフォーマンスは国際株式を下回るだけでなく、国際債券にも劣る。これは国際債券がリーマン・ショックの時に下げ幅が小さかったためだ。このように、国内株式と異なる値動きをする海外資産をポートフォリオに組み入れることで、値動きを安定化させることができる。インデックスファンドを用いれば、こうした国際分散投資も容易に実現可能だ。

図表3:国内株式・債券、海外株式・債券のパフォーマンス

図表3:国内株式・債券、海外株式・債券のパフォーマンス

※1. 2004年6月末を100として指数化(国際株式と国際債券は円換算)
※2. 国内株式=TOPIX(配当込み)、国内債券=NOMURA BPI、海外株式=MSCIコクサイインデックス(配当込み)、海外債券=シティ世界国債インデックス除く日本
出所:モーニングスター作成

最も低コストの商品は?

 それでは実際にインデックスファンドを用いてポートフォリオを構築する場合、どのようなファンドが候補となるだろうか。各資産で最もコスト(信託報酬等)の低いインデックスファンドをピックアップした(図表4)。ニッセイアセットマネジメントのインデックスファンドシリーズと、ブラックロック・ジャパンが運用する「i−mizuho」シリーズ(販売会社:みずほ銀行及びみずほ証券)がリストの半分以上を占めるが、これらはいずれも2013年に設定されたもの。それだけ近年に多様な資産において利用可能な低コストのインデックスファンドが提供されるようになったと言える。

 また、注目したいのは、伝統的な株式や債券にとどまらず、REIT(不動産投資信託)などの非伝統的資産においても低コストのインデックスファンドが投資できるようになった点だ。ポートフォリオの「コア(中核)」には国内外の株式・債券を据えて、より高いリターンを求めたり分散効果を高めたりするための「サテライト(衛星)」の役割として、こうした非伝統的資産を活用するのも一案だろう。新興国の株式や債券、ハイイールド債券、先進国物価連動債券も、個人投資家が個別の銘柄を購入するのは容易ではないため、サテライトとしてインデックスファンドを利用する価値は高い。

図表4:各資産で最も低コストのインデックスファンド

資産 ポートフォリオ区分 ファンド名 信託報酬等(税込) 純資産額(億円)
国内株式 コア i-mizuho国内株式インデックス 0.24 12
国内債券 コア 三菱UFJ 国内債券インデックスファンド 0.38 18
国内REIT サテライト ニッセイ Jリートインデックスファンド 0.39 27
先進国株式(除く日本) コア ニッセイ 外国株式インデックスファンド 0.46 30
先進国債券(除く日本) コア ニッセイ 外国債券インデックスファンド 0.45 8
グローバルREIT(除く日本) サテライト ニッセイ Gリートインデックスファンド 0.53 10
新興国株式 サテライト i-mizuho新興国株式インデックス 0.63 1
新興国債券 サテライト SMT 新興国債券インデックス・オープン 0.65 46
ハイイールド債券 サテライト i-mizuhoハイイールド債インデックス(為替ヘッジ無) 0.93 2
先進国物価連動債券(除く日本) サテライト i-mizuho先進国インフレ連動債インデックス 0.64 2

※1. インデックスファンドの区分は投信協会の分類に基づく
※2. 海外資産は為替ヘッジなし
※3. 信託報酬等は監査費用含む
※4. 純資産額は2014年6月末時点
出所:モーニングスター作成

 なお、インデックスファンドよりも低コストの商品としてETF(上場投資信託)がある。国内上場だけでなく、よりラインナップが豊富な海外上場のETFを購入することも可能。しかし、ETFは購入時の手数料がかかる点がネックとなる。一方、インデックスファンドは購入時の手数料が無料の「ノーロード」ファンドも多い。少額で積立から始めたい投資家にとっては、インデックスファンドがおすすめだ。

(坂本 浩明)

「アナリストの視点」よく読まれている記事(過去1週間)

アナリストの視点はRSSでも配信しています

バックナンバー