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アナリストの視点(ファンド)

株・リートの持ちすぎに注意、定期的なメンテナンスで配分調整を

2014-12-11

高リスク資産のシェアが増大

 2014年11月末時点におけるモーニングスター大分類別純資産総額をみると、国際債券型が37.9%となっており、2013年12月末時点から4.2ポイント低下した(図表1)。一方、国際株式型は2014年11月末時点では20.7%となっており、2013年12月末と比べて3.2ポイント上昇。同様に、国際REIT型も2.5ポイント上昇しており、株式やREITといった高リスク資産のシェアがこの1年で大きく上昇している。

図表1:国内公募追加型株式投信のマーケットシェア

図表1:国内公募追加型株式投信のマーケットシェア

※1 DC、SMA、ETFなど除く
※2 モーニングスター大分類に基づく
出所:モーニングスター作成

リバランスの頻度でパフォーマンスは異なるものに

 年末にかけてさらに上昇した場合、どのように対応すべきだろうか。株式やREITの値上がりが来年以降も続くのであれば、現状を維持する方が更に高いリターンを享受できることになるが、当初に定めた資産配分比率から乖離した状態をそのままにしておくと、必要以上にリスクを取ってしまう恐れがある。そうした事態を避けるために実施するとよいのが、「リバランス」である。実際にプロが運用を行うファンドでは、資産配分比率を管理し、一定の乖離がみられた場合にはリバランスを行うが、個人で投資を行う場合、こうした管理は面倒なうえに、売却・購入に手数料がかかることもあり、現実的ではない。

 そこで、どの程度の頻度でリバランスを行うのがよいか、検証してみた(図表2)。検証の結果、リバランス効果が最も高いのは「年次」で、次いで「半期」、「四半期」、「毎月」の順となっており、リバランス頻度が少ないほど、パフォーマンスが良かった。

 ちなみに、リバランス頻度を2年に1度、3年に1度(ぞれぞれ12月末)に変更して検証してみると、「年次」に劣後する結果となり、概ね「半期」、「四半期」と同程度のパフォーマンスとなった。

図表2:リバランス効果のシミュレーション(2003年12月末〜2014年11月末)

図表2:リバランス効果のシミュレーション(2003年12月末〜2014年11月末)

※1 2003年12月末に6資産(国内株式・債券・REIT、国際株式・債券・REIT)に等比率で投資したと仮定
※2 6資産は以下のモーニングスターインデックス(単純)に基づく
国内株式=国内株式型、国内債券=国内債券型、国内REIT=国内REIT型、国際株式=国際株式型、国際債券=国際債券型、国際REIT=国際REIT型
※3 リバランス時のコストは考慮しない
※4 リバランスは、年次が12月、半期が6月・12月、四半期が3月・6月・9月・12月の各月末に実施
出所:モーニングスター作成

3月、12月がリバランスの候補か

 上記の条件では、年に1度のリバランスが最も良いパフォーマンス結果となった。では、実際には何月にリバランスを実施すると最も良いのだろうか。上記と同じ条件(図表2の注記※1〜3)のもと、年に1度のリバランスの実施時期だけを変えて再度、検証を行った結果、2014年11月末までの過去10年間のトータルリターンは3月が最もリターンが高く、次いで12月となった(図表3左)。一方、リーマン・ショック以降、市場の変動は急激かつ大きくなっており、10年前と比べて投資環境が変わった。そうした点を踏まえて、2014年11月末までの過去5年間のトータルリターンをみた場合には、12月が最も良い結果となり、次いで3月となっている(図表3右)。

図表3:リバランス月別の収益率(年次リバランス、2014年11月末時点)

図表3:リバランス月別の収益率(年次リバランス、2014年11月末時点)

※1 図表2の注記※1〜3と同様の条件
出所:モーニングスター作成

 以上の結果から、リバランスは年1回、具体的な実施時期は3月か12月が候補となるが、年末年始の休暇を活用できるという点で、12月に実施するのが良いかもしれない。モーニングスターでは、運用利回りごとに適した資産配分比率が求められる金融電卓を提供しているので、資産配分比率のチェックに活用してもらいたい。

(江黒 博樹)

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