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アナリストの視点(ファンド)

お手軽なインデックス投資だが、償還リスクには注意

2015-01-06

インデックス投資、5年で約3倍に拡大

 ここ数年、インデックス投資が人気を集めている。2014年11月末時点におけるインデックスファンドの純資産総額(ETF含む、確定拠出年金向け、ラップ口座向け除く)は、13兆5,511億円で、指数の下落局面などに継続的な資金流入があり、5年前と比べて約2.6倍に拡大した(図表1参照)。また、インデックスファンドのシェアをみると、過去5年間で11.9%から20.1%へ大きく上昇している。

図表1:インデックスファンドの動向(2009年11月〜2014年11月、月次)

図表1:インデックスファンドの動向(2009年11月〜2014年11月、月次)

※1 ETF含む、確定拠出年金向け、ラップ口座向け除く
※2 インデックスファンド及びアクティブファンドは、投信協会の分類に基づく
出所:モーニングスター作成

 ちなみに、海外のインデックスファンドの動向をみると、米国(ETF含む、MMF、ファンドオブファンズ除く米国籍オープンエンドファンド)でも、5年前比で2.6倍の約4.1兆米ドル(490兆円規模、2014年11月末時点)。シェアは2009年11月末時点で2割だったが、現在は3割を占めるまでに成長している。

インデックスファンドの平均コストは低下傾向

 インデックスファンドが人気を集める要因として挙げられるのが、低コストで市場平均を狙える点だろう。

 インデックスファンドにおける信託報酬等(税抜)の平均値(純資産額加重平均)をみると、2014年11月末時点で0.70%と、アクティブファンドの1.48%を大きく下回る(図表2)。アクティブファンドの平均コストは上昇する一方、インデックスファンドは概ね低下傾向にあり、インデックス投資家のコスト意識が伺える。

図表2:信託報酬等(税抜)の平均値の推移(純資産額加重平均)

図表2:信託報酬等(税抜)の平均値の推移(純資産額加重平均)

※1 確定拠出年金向け、ラップ口座向け、ETF除く
※2 インデックスファンド及びアクティブファンドは、投信協会の分類に基づく
※3 各年の12月末時点(2014年は11月末)
出所:モーニングスター作成

 多くのアクティブファンドでベンチマークを上回るリターンを達成していないという報告が様々な媒体でなされている。近年、信託報酬が低いインデックスファンドが相次ぎ設定される中、こうした実績を踏まえると、今後、さらにインデックスファンドの純資産総額は上昇し、平均コストは低下しそうだ。

コストだけに目を奪われないように注意

 ただ、注意してもらいたいのが、インデックスファンドの償還だ。ファンドを購入する際は、償還日を確認するのはもちろんのこと、ファンドの純資産額も確認する必要があるだろう。2010年以降、「ドイチェ・世界株式F(インデックス連動型)」など10本以上のファンドで純資産額が増えないなどの理由により、繰上償還に至っている。このうち、半分以上にあたる7本は2014年に繰上償還している。人気のインデックスファンドシリーズに資金が集まる一方、コスト優位性が低かったり、目立った特徴がないファンドは純資産額も伸びず、繰上償還の恐れがある状況だ。今年も同様の傾向が続くか注視したい。

 毎月一定額の積立をしているものの、ほぼほったらかしにしている投資家は、知らず知らずのうちに、ファンドの中身がインデックス運用から短期金融商品に移り変わっていたり、損益確定していた、などということがないように注意してもらいたい。

(江黒 博樹)

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