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アナリストの視点(ファンド)

加速する年1回決算型へのシフトチェンジ

2017-06-15

 投資信託にはファンドごとに「年1回決算型」や「毎月決算型」など決算(分配金支払い)の頻度が定められている。国内では、2000年代に入り、年金生活者を中心に毎月決算型への投資が圧倒的に多かったが、近年、毎月決算型から年1回決算型への投資へと傾向が転じている。NISA(少額投資非課税制度)をきっかけに、分配金を受け取るよりも長期の運用成績を重視する若手の投資家層が増えつつあることが要因として考えられる。

増加の一途を辿っていた毎月決算型の本数が直近1年で減少

 さて、国内投信(※)の年1回決算型と毎月決算型の本数ベースでの推移を見てみると、10年前(2007年)も2017年も年1回決算型の本数のほうが多い。しかしながら、2007年と2012年を比較すると、年1回決算型が約1.5倍に伸びていることに対し、毎月分配型が約3.2倍と大きく増加していた。この期間においては、毎月決算型の中でも高利回りが獲得できるハイイールド債券、新興国債券を主要投資対象とするファンドや通貨選択型ファンドなどが人気を博していた。一方で、2017年は年1回決算型の本数が毎月決算型を900本超上回り、さらに毎月決算型は2016年と比べ、45本減少した。

※国内公募追加型株式投信(確定拠出年金及びファンドラップ専用、ETF含む)以下、文中、図表同様

図表1:年1回決算型及び毎月分配型の本数の推移

図表1:年1回決算型及び毎月分配型の本数の推移

※ 各年の5月末時点
出所:モーニングスター作成

投資家の支持も年1回決算型へ

 毎月決算型の勢いが衰えていることは、過去10年間の純資金流出入額も物語っている。一時、投資信託自体への資金流入が鈍化する場面もあったが、期間前半は毎月分配型への資金流入が圧倒的だった。これに対し、2016年、2017年は毎月決算型がそれぞれ1兆6,447億円、7,132億円の流入超過となる一方、年1回決算型がそれぞれ6兆3,478億円、4兆9,427億円の流入超過と、投資家の年1回決算型への支持が拡大した。

図表2:過去10年間の純資金流出入額

図表2:過去10年間の純資金流出入額

※ 各年5月末を終点に過去1年間ずつ集計
出所:モーニングスター作成

年1回決算型と毎月決算型のシェア交代、ETFがけん引役に

 このような純資金流入の流れを受けて、決算別純資産総額シェアもこの1年で一変した。2016年5月末時点の年1回決算型と毎月決算型のシェアがそれぞれ39%と46%だったのに対し、2017年5月末時点には前者が45%、後者が39%とシェアが逆転したのである。

図表3:決算別純資産総額のシェア

図表3:決算別純資産総額のシェア

出所:モーニングスター作成

 年1回決算型と毎月決算型のシェアが交代した舞台裏には、ETFの存在が大きい。年1回決算型の2017年5月末時点の前年同月末と比較した純資産増加額トップ10を見ると、第1位が「TOPIX連動型上場投資信託」の2兆1,553億円、第2位が「日経225連動型上場投資信託」の1兆2,189億円と、上位6ファンドがTOPIXや日経225に連動するETFが占めた。一般的な投資信託では、第8位に「野村 インド株投資」がランクインしたほか、第7位の「グローバルAIファンド」や第10位の「GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコース(為替ヘッジなし)」といった2017年5月末までの過去1年の間に新規設定されたファンドがランクインした。

 ランキング上位にETFが入ったことは、近年の低コストへの意識の高まりも反映された結果だと言え、今後も同様の傾向が続く可能性が高い。

(平井 綾香)

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