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アナリストの視点(ファンド)

世は連続記録ブーム、連続高レーティングファンドに着目

2017-06-29

 中学生棋士の連勝記録が世間の注目を集めている。公式戦連勝記録を約30年ぶりに塗り替える29連勝を達成した際の熱狂ぶりは、もはや社会現象といっても良いだろう。連勝記録を受けてというわけではないが、中長期的に高評価が続くファンドに着目したい。具体的には、モーニングスターレーティングが継続的に優れているファンドを取り上げる。モーニングスターレーティングは、運用実績3年以上のファンドを対象に、パフォーマンスがカテゴリー内でどのくらい良好であるかを5段階の星の数で示す指標である。最上位は5ツ星(★★★★★)であり、星の数が多いほど運用が優れていることを表す。パフォーマンスは、リターンだけでなくリスク(標準偏差)も考慮しているため、相対的にリスクを抑えながら高いリターンを達成しているファンドが高レーティングとなる。

 17年5月末時点において、国内籍ファンド(※1)の中から、「4ツ星以上のレーティングが継続」、「純資産額10億円以上」、「信託報酬等が類似ファンド分類平均を下回る」という基準を充たすアクティブファンドを抽出した。ファンドの安定性を考慮して純資産額の基準を設けた。信託報酬等の基準を設けたのは、金融庁のワーキング・グループが示した積立NISAのアクティブファンド選定基準を受けて、低コストに対する関心が高まっていることを踏まえたためである。

※1 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金及びファンドラップ専用、ETF含む)

国際債券型のウエイトが高い

 17年5月末までの12カ月、24カ月、36カ月、48カ月、60カ月間において、連続して4ツ星以上であったファンドの本数を調べたところ、以下となった(図表1)。また、その中でカテゴリー別に本数を集計したところ、60カ月間を除いて国際債券型が最多となった。60カ月にしてもトップとほぼ同水準であり、全体を通して国際債券型のウエイトの高さが目立った。

図表1:連続4ツ星以上のファンドの本数(12〜60カ月)

図表1:連続4ツ星以上のファンドの本数(12〜60カ月)

出所:モーニングスター作成

 さらに、国際債券型の内訳をみると、ハイイールド債券型の比率が高かった。ハイイールド債券は、投資適格債に比べて信用リスクが高い半面、償還までの期間が同じ投資適格債に比べて利回りが高いという特徴がある。ここ数年に関しては、ハイイールド債券ファンドが、リスクを抑えながら高リターンを確保していたことがうかがえる。

リターン上位の5年連続4ツ星以上ファンド

 次に、60カ月(5年)連続して4ツ星となった31本の中から、類似ファンド分類内の%ランクが上位25%以内のファンドを取り挙げると、以下の13本となった(図表2)。

図表2:%ランク上位の5年連続4ツ星以上のファンド

ファンド名 類似ファンド分類名 5年リターン(年率) %ランク
セゾン 資産形成の達人ファンド 国際株式・グローバル・含む日本(F) 22.18% 5%
フィデリティ・欧州中小型株・オープンBコース(為替ヘッジなし) 国際株式・欧州(F) 25.27% 6%
キャピタルオープン 国内中型ブレンド 28.05% 7%
みずほ USハイイールドオープンBコース(為替ヘッジなし) 国際債券・ハイイールド債(F) 14.09% 10%
三井住友・配当フォーカスオープン 国内中型ブレンド 23.77% 11%
MHAM 海外好配当株ファンド 国際株式・グローバル・除く日本(F) 19.41% 14%
アジア好配当株投信 国際株式・エマージング・複数国(F) 14.83% 16%
東京海上 セレクト世界株式ファンド 国際株式・グローバル・含む日本(F) 19.24% 17%
大型株ファンド 国内大型ブレンド 19.39% 19%
野村 ワールドスターオープン ロング/ショート 14.79% 20%
スーパートレンドオープン 国内大型ブレンド 19.33% 21%
三井住友・アジア・オセアニア好配当株式ファンド 国際株式・エマージング・複数国(F) 14.17% 21%
明治安田 ライフプランファンド20 安定 6.55% 25%

※ 「%ランク」はファンドがその属する類似ファンド分類内で上位〜%であるかを示す。数値が小さいほど上位となる
出所:モーニングスター作成

48カ月連続で5ツ星のファンドは?

 最後に、最上位の5ツ星のみに絞って、継続記録を調べたところ、2017年5月末時点において最長であるのは「3資産バランスオープンアルファ」で48カ月連続となった。以下、「米国ハイイールド債券ファンド米ドルコース」の46カ月連続、「セゾン 資産形成の達人ファンド」の38カ月連続、「東京海上 セレクト世界株式ファンド」の34カ月連続となった(図表3)。

図表3:5ツ星連続期間ファンド上位

図表3:5ツ星連続期間ファンド上位

出所:モーニングスター作成

 投資信託を巡っては、「フィンテック」、「AI(人工知能)」など、人気テーマが次々と現われ、関連ファンドへの旺盛な資金流入が目立つ。ただ、テーマには流行りすたりがあり、人気には低下リスクがある。長期安定投資という観点から、ここに取り上げた中長期的に高いレーティングを維持しているファンドに注目するのも一法であろう。なお、レーティングはあくまでも過去の運用実績を示したものであり、将来にわたって高レーティングが続くとは限らない。折に触れて保有ファンドのレーティングを確認するように心掛けたい。

(武石 謙作)

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