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アナリストの視点(ファンド)

ノーロード・アクティブファンド増加中!ノーロードの波はアクティブにも波及

2017-08-01

 近年、ノーロードのアクティブファンドが増えている。そもそも、ノーロードとは、購入手数料が無料の投資信託の事で、通常アクティブファンドを購入する際には約1〜3%程度の購入手数料がかかるのだが、ノーロード投信では無料となる。例えば500万円の投資信託を購入したとして、購入手数料が2%であれば通常10万円の手数料かかるところ、ノーロード投信では無料となるため、その10万円分多く買い付けが出来るなど、コストを考えると投資家にとっては大きなメリットとなる。

ノーロード・アクティブファンドの本数は2年で45%増加

 ノーロードファンドは、パッシブファンド主導で増加してきた。指数に連動するパッシブファンドは運用コストが低く抑えられるため、顧客獲得の為ノーロードとする運用会社が増加し、今やパッシブファンド全体の40%のファンドがノーロードで購入できる。一方で、近年アクティブファンドでもノーロードの波が波及し、ノーロード・アクティブファンドの本数は、過去2年間では26%、15%と2ケタで増加を続けている。(図表1参照)

図表1:ノーロード・アクティブファンドの本数推移

図表1:ノーロード・アクティブファンドの本数推移

※ 2012年6月から2017年6月
※ 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金及び、ファンドラップ向け、ETF等除く)
※ アクティブファンドのうち、目論見書の購入手数料が無料と設定されているファンド
出所:モーニングスター作成

 購入手数料無料と言うと、今までは販売会社を持たない、直販系運用会社の投資信託のイメージが強かったが、近年は運用会社各社がノーロードシリーズとして新規でファンドを設定する動きがある。ここ1〜2年では、ピクテの「iTrust」シリーズや、大和住銀の「ひとくふう」シリーズ、明治安田アセットの「ノーロード 明治安田」シリーズなど、パッシブファンドのように株式型投信、債券型投信、バランス型投信など、複数の資産のファンドをシリーズ化して設定する傾向が目立つ。

ノーロード・アクティブファンドの比率は?

 ノーロード・アクティブファンドをモーニングスターカテゴリーの大分類別に見てみると、下記の結果となった(図表2参照)。バランスファンドが35%以上を占め、次いで国内外株式型が約20%となった。バランスファンドの内訳を見ると、51本中29本が過去3年以内に設定された商品で、機動的に資産を配分する「三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型)」や、インデックスファンドを組み合わせて運用される、「スマート・クオリティ・オープンシリーズ」等が挙げられる。

図表2:大分類別ノーロード・アクティブファンド

図表2:大分類別ノーロード・アクティブファンド

※ 2017年6月末時点
※ アクティブファンドのうち、目論見書の購入手数料が無料と設定されているファンド
※ モーニングスターカテゴリー大分類に基づく
出所:モーニングスター作成

ノーロード・アクティブファンドは信託報酬等も低い傾向に

 また、ノーロードは購入手数料であって、保有している限りかかり続ける信託報酬等の存在も忘れてはならない。ノーロード・アクティブファンドの信託報酬等を各ファンドが属するカテゴリー平均信託報酬と比較してみると、約60%のファンドで平均信託報酬を下回っていることが分かった。特に近年設定されたファンドは総じて信託報酬が低めに設定されている。

 しかしながら、気を付けたいのが、ノーロード・アクティブファンドは近年の設定が多いため、長期のリターンを見ることができない点にある。ファンドを選ぶ際には、出来る限り長期間のリターンを確認し、カテゴリー対比でパフォーマンスを比較することが重要である。下記の図は信託報酬がカテゴリー平均以下で且つ過去3年間の%ランク(カテゴリー内でのリターンの割合)が上位20%のファンドをまとめたものである。ファンドの中身をETFで運用することでコストを抑えたEXE−iシリーズや、独立系ではセゾン投信が2本ランクインした。更に、下記図に掲載ファンドのすべてがレーティング3ツ星以上となった。(図表3参照)

図表3:低コスト、高リターンのノーロード・アクティブファンド

ファンド名 運用会社 カテゴリー名 信託報酬(税込)
(%)
信託報酬
カテゴリー
平均差(%)
3年リターン(年率)(%) 3年リターン
%ランク(%)
モーニングスターレーティング
ノーロード日本国債フォーカス(毎月分配型) 日興 国内債券・中長期債 0.36 -0.01 3.60% 1% 4
セゾン 資産形成の達人ファンド セゾン 国際株式・グローバル・含む日本(F) 1.35 -0.31 12.20% 3% 5
年金積立Jグロース『愛称:つみたてJグロース』 日興 国内大型グロース 0.89 -0.25 13.42% 10% 5
ドルマネーファンド アセマネOne 国際債券・短期債(F) 1.03 -0.11 2.69% 10% 4
セゾン バンガード・グローバルバランスファンド セゾン 安定成長 0.68 -0.65 5.59% 12% 3
かいたくファンド クローバー 国際株式・グローバル・含む日本(F) 1.40 -0.26 10.47% 12% 4
三井住友・ライフビュー・日本株式ファンド 三井住友 国内中型グロース 1.40 -0.16 15.98% 13% 4
EXE-i グローバルREITファンド SBIアセット 国際REIT・グローバル・含む日本(F) 0.36 -1.14 8.86% 13% 4
EXE-i 先進国株式ファンド SBIアセット 国際株式・グローバル・除く日本(F) 0.32 -0.88 8.81% 15% 4
AR国内バリュー株式ファンド『愛称:サムライバリュー』 アセマネOne ヘッジファンド 1.33 -0.38 7.61% 15% 4
日興 ストラテジック・アロケーション・ファンド(株式資産) 日興 国際株式・グローバル・含む日本(F) 0.86 -0.80 8.26% 19% 4
グローバル・インデックス・バランス・ファンド『愛称:投資生活』 三井住友TAM バランス 0.65 -0.68 6.98% 19% 3
TAA株50ポートフォリオ『愛称:マイポート』 ニッセイ 安定成長 1.30 -0.03 5.10% 20% 3

※ 信託報酬(税込)がカテゴリー平均を下回り、且つ3年リターンの%ランクが20%以内のファンド
※ 順序は3年リターン%ランク順
※ 2017年6月末現在
※ (F)は為替ヘッジなし
出所:モーニングスター作成

 ノーロード・アクティブファンドはいくらコストが低くても、パッシブファンドではなくアクティブファンドであることを念頭に置き、上記のように購入時はパフォーマンスをしっかりと確認する他、購入後も定期的にパフォーマンスの確認を怠らないようにしたい。そして、コアの資産に対するプラスアルファの位置付けとして、長期にわたって保有していただきたい。

 投資信託協会の調査では投資信託を購入している20代のうち約半数、30代では約40%が積立投資を利用していることが分かった。(投資信託に関するアンケート調査2016年12月)iDeCo(個人型確定拠出年金)をはじめ、2018年にスタートする積立NISA等の政府の積み立て投資への後押しもあり、積立投資がじわじわ増加している。また、ノーロード・アクティブファンドはネット限定商品も多くあり、スマートフォンやPCが投資のデバイスである若い世代にとっては非常に利便性が良い。積立をする場合、毎月定期的に買い付ける際の購入手数料が無料となる事は、一括投資以上の大きなメリットであり、ノーロードは積立に最適な商品であることは言うまでもない。また、金融庁が積立NISAの要件で、「アクティブ投信の購入手数料ノーロードであること」を条件の一つに明示していることからも、政府の推奨という観点から考えると、ノーロード・アクティブファンドは今後も拡大していくことが予想される。

(三田 陽奈)

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