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アナリストの視点(ファンド)

米国投資家が注目するバンクローンファンドを大解剖

2017-08-03

 米国籍ファンド(※1)の2017年1月から6月までの6カ月間の資金流出入額を米国モーニングスターカテゴリー別に見ると、上位10カテゴリーのうち7カテゴリーが債券型ファンドとなった(図表1参照)。米国では、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を、2016年12月に0.25〜0.50%から0.50〜0.75%へと引き上げた。2017年6月にはさらに0.25%引き上げ、FF金利の誘導目標を1.00%〜1.25%としており、さらに緩やかなペースでの利上げ継続が期待されている。そのため、今後の金利上昇を見込んだ米国の投資家が、短期債や超短期債、バンクローンを主要投資対象とするファンドへ資金を振り分けたものと見られる。

※1 米国籍ファンド(ETF含む、MMF等除く)

図表1:米国モーニングスターカテゴリー別過去6カ月間の資金流入額トップ10

図表1:米国モーニングスターカテゴリー別過去6カ月間の資金流入額トップ10

※ 米国籍ファンド(ETF含む、MMF等除く)
※ 期間:2017年1月から6月まで
出所:モーニングスター作成

米国で2016年を上回る流入額を記録したバンクローンファンドとは?

 なかでも、同期間で172億円の流入超過と純資金流入額第9位となったバンクローンファンド(※2)は、2016年1年間の流入額である99億円をすでに上回っていることから、米国の投資家にとって注目度の高さがうかがえる。

 バンクローンとは、銀行などの金融機関が事業拡大などのために資金を必要とする企業に対して行う融資(ローン)のことを指す。一般的に債券の金利と価格の関係は、“金利が上昇(低下)すると、債券価格が下落(上昇)する”のだが、バンクローンはこの価格変動を小さく抑える傾向を持つ債券である。銀行は一般的に変動金利で融資を行っており、金利上昇局面で利息収入が増加することから、固定金利の債券に比べてバンクローンが価格変動を小さくできるのである。しかし、融資の対象となる企業は、Ba格やBB格以下の投機的水準と言われる格付けを付与されていることから、高い利回りが期待できる一方で、信用リスクが高いことは念頭に置いておきたい。

※2 米国モーニングスターカテゴリー「バンクローン」に属するファンド

復調の兆し見せる国内のバンクローンファンド

 国内投信(※3)の中にも、米国バンクローンに投資できるファンドがある。国内のバンクローンファンド(※4)は、2013年10月に20本もの新規設定が相次いだことで、前月の9本から一気に26本まで急増した。その後、2015年2月まで緩やかに増加が続き、2017年6月末時点では49本のバンクローンファンドが運用されている(図表2参照)。純資産総額については一時落ち込む場面はあったものの、同月末時点で3,053億円と、ピークであった2015年7月末時点の3,333億円まであと280億円となり、復調の兆しが見える。

※3 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金及びファンドラップ専用、ETF含む)
※4 モーニングスターカテゴリー「国際債券・北米(為替ヘッジあり、なし)」に属するファンドのうち、ファンド名に「バンクローン」がついたファンド

図表2:バンクローンファンドの本数及び純資産総額の推移

図表1:バンクローンファンドの本数及び純資産総額の推移

※ モーニングスターカテゴリー「国際債券・北米(為替ヘッジあり、なし)」に属するファンドのうち、ファンド名に「バンクローン」がついたファンド
※ 期間:2013年7月から2017年6月まで
出所:モーニングスター作成

 2017年6月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)を見ると、通貨選択型を除く一般的なバンクローンファンドでは、「バンクローン・ファンド(ヘッジなし/年1回決算型)」が15.16%、「米国バンクローンファンド〈為替ヘッジなし〉(毎月分配型)『愛称:USストリーム』」が14.23%と、モーニングスターカテゴリー「国際債券・北米(為替ヘッジなし)」平均をそれぞれ5.00%、4.08%上回る。一方で、同期間のトータルリターンがカテゴリー平均を下回るバンクローンファンドが約7割ある。前段でも説明した通り、バンクローンファンドは信用リスクが高い商品であることから、運用成績もきちんと確認することが重要だ。

(平井 綾香)

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