fund_beginer fund_search fund_look



アナリストの視点(ファンド)

上昇相場で力を発揮、国内グロース株式ファンドにフォーカス

2017-09-26

 国内グロース株式ファンドが好調だ。国内株式型のグロース型に属するファンドのパフォーマンスを見てみると、年初来で、大型・小型問わず、好調なパフォーマンスを見せた。背景には、昨年のトランプ大統領選挙以降の株式相場のラリーがある。年初来では8月末現在で、大型グロースは15.1%、小型グロースは30.2%の上昇となった。(図表1)

図表1:国内のバリュー・グロースファンドの年初来トータルリターン

図表1:国内のバリュー・グロースファンドの年初来トータルリターン

※ モーニングスターインデックス(単純平均)に基づく
※ 2017年8月末時点
出所:モーニングスター作成

 一般的に、株価の上昇局面は成長性の高い株式に投資をするグロースファンドがより上昇する傾向にあり、一方で相場の停滞時は配当などのインカムゲインを重視した、高配当株式を組み入れるファンドが強さを発揮する傾向にある。今回のような相場上昇局面では、グロースファンドに軍配が上がる形となった。2017年8月末時点でレーティングが上昇したファンドのうち5ツ星を獲得した国内株式ファンドは11本であったが、カテゴリー別では「国内中型グロース」が4本、「国内大型グロース」が3本と、グロースファンドが健闘を見せ、運用成績の向上が伺える。

バリュー、グロースはそれぞれ優位な点、弱点があることを念頭に

 2011年から2016年までの過去6年間の歴年のリターンを見ると、2011年のリーマンショック後の大幅下落、2016年の相場低迷局面ではグロースに比べてバリューが優位にあるが、2012、2013年の年間で20%以上の上昇局面ではバリューに対してグロースが優位な傾向となった。したがって、バリュー、グロースどちらも優位な局面、弱点がある事には念頭に置いておきたい。(図表2)

図表2:TOPIXと国内株式ファンドの歴年パフォーマンス

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
TOPIX(配当込み) -17.00% 20.86% 54.41% 10.27% 12.06% 0.31%
国内大型バリュー -16.95% 19.39% 51.76% 8.87% 11.42% 0.35%
国内大型グロース -17.51% 19.63% 64.31% 10.61% 9.20% -2.58%

※ モーニングスターインデックス(単純平均)に基づく
※ 期間:2011年から2016年の歴年トータルリターン
出所:モーニングスター作成

リスク・リターンは小型グロースに軍配

 過去5年間の最大・最少リターンを見ると、大型、中型、小型共通して、バリューに対しグロースの最大・最少上昇率が大きく、グロースの価格変動が大きいことが分かった。配当というインカムゲインに着目するグロースの業種配分は内需株式などに偏りやすく、価格変動リスクを考えると抑えられていることが分かる。(図表3)

図表3:国内株式ファンドの最大・最少リターン

図表3:国内株式ファンドの最大・最少リターン

※ モーニングスターインデックス(単純平均)に基づく
※ 2017年8月末時点
出所:モーニングスター作成

 リターンでは、国内小型グロースが、平均リターン17.49%、最大上昇率が31.32%とパフォーマンスではトップとなった。最大下落率を見ると大型・中型を抑え、小型株式がバリュー、グロースともに低くなっている。一般的に、大型株に比べて価格変動の大きい小型株式で構成される小型株式ファンドは、リスクも高いと思われがちであるが、ファンドの運用の中でリスクがコントロールされ、実際は効率よくリターンを獲得していることが分かった。

カテゴリー内でトップのリターンを獲得の、国内グロース型にフォーカス

 上記図で高いリターンを獲得した国内グロースファンドに焦点を当てて、より効率的に運用ができているかの観点から、シャープレシオの高いファンドを抽出した。シャープレシオとは、簡単に言えばリターン÷リスクで計算される指標で、シャープレシオが高いファンドほどリスクに対して効率よくリターンを獲得していると言える。(図表4)

図表4:国内小型グロース型ファンドで5年シャープレシオの高いファンド

ファンド名 トータルリターン3年(年率) トータルリターン5年(年率) シャープレシオ3年(年率) シャープレシオ5年(年率) モーニングスターレーティング
新成長株ファンド 『愛称:グローイング・カバーズ』 31.55% 36.72% 2.38 2.42 5
中小型成長株ファンド-ネクストジャパン- 『愛称:jnext』 31.15% 36.81% 2.35 2.42 5
SBI 中小型割安成長株ファンドジェイリバイブ 『愛称:jrevive』 28.65% 40.00% 1.90 2.42 5
三井住友・げんきシニアライフ・オープン 20.35% 31.56% 1.70 2.30 4
スーパー小型株ポートフォリオ 21.56% 31.86% 1.57 2.21 4
三井住友・中小型株ファンド 22.19% 32.08% 1.56 2.21 4
JPM ジャパン・テクノロジー・ファンド 39.87% 42.29% 1.86 2.12 4
Jオープン(店頭・小型株) 23.88% 33.34% 1.70 2.02 4
ジャパニーズ・ドリーム・オープン 26.55% 34.43% 1.73 2.00 4
(日本株セレクト・オープン) 日本・小型株・ファンド『愛称:“日本新世紀”』 23.29% 32.89% 1.65 2.00 4

※ 国内小型グロースに属するファンドの中で、5年シャープレシオ(年率)が高い順
※ 2017年8月末現在
出所:モーニングスター作成

 ランクインしたファンドを見てみると、国内中小型株式ファンドの調査で名高い、「エンジェルジャパン」助言のもと、中小型の成長株を発掘し、投資を行う「新成長株ファンド」や、ファンドオブザイヤー2015の国内株式中小型部門で最優秀賞を受賞した実績もある、高齢化社会における成長分野・成長企業等に投資を行う「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」などが名を連ねた。ポートフォリオの選択肢の一つとして、今後のファンド選びの参考にしていただきたい。

(三田 陽奈)

「アナリストの視点」よく読まれている記事(過去1週間)

アナリストの視点はRSSでも配信しています

バックナンバー