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アナリストの視点(ファンド)

2018年前半は引き続きインド株式ファンドに注目

2017-11-22

 2017年も残り1カ月と少しとなった。来る2018年にどの資産に投資するファンドが賑わうか気になるところだ。そこで、過去5年間(2013年から2017年)を対象に、年初のスタートダッシュの状況を確認すべく、モーニングスターのカテゴリー別に各年前半のトータルリターンを算出し、上位10位までを確認すると以下となった(図表1)。

図表1:各年前半(1−6月)のトータルリターン上位10カテゴリー

■2013年

カテゴリー名 トータルリターン
(6カ月)
国内小型グロース 55.9%
国内小型ブレンド 44.3%
国内中型グロース 43.2%
国内大型グロース 37.7%
国内大型ブレンド 32.9%
国内大型バリュー 31.8%
株式ブル型 30.6%
国内中型ブレンド 30.2%
国内小型バリュー 29.4%
国内REIT 28.6%

■2014年

カテゴリー名 トータルリターン
(6カ月)
国際株式・インド(F) 23.3%
国際REIT・グローバル・除く日本(H) 15.1%
国際REIT・特定地域(H) 14.5%
債券ブル型 13.6%
国際株式・エマージング・単一国(H) 13.0%
国際REIT・グローバル・含む日本(F) 12.1%
国際REIT・グローバル・含む日本(H) 12.0%
国際REIT・特定地域(F) 11.4%
国際REIT・グローバル・除く日本(F) 11.3%
国際株式・エマージング・単一国(F) 10.2%

■2015年

カテゴリー名 トータルリターン
(6カ月)
株式ブル型 23.6%
国際株式・ロシア(F) 18.9%
国内大型バリュー 17.4%
国際株式・中国(F) 17.2%
国内中型グロース 16.0%
国内小型バリュー 15.4%
国内中型バリュー 15.1%
国内大型グロース 14.9%
国内大型ブレンド 14.4%
国内中型ブレンド 14.2%

■2016年

カテゴリー名 トータルリターン
(6カ月)
国際株式・ブラジル(F) 15.4%
債券ブル型 13.5%
為替ベア型 13.1%
株式ベア型 12.1%
国際株式・エマージング・単一国(H) 10.7%
国際債券・エマージング・複数国(H) 8.8%
国際REIT・グローバル・除く日本(H) 7.2%
国際REIT・特定地域(H) 6.8%
国際債券・物価連動債(H) 6.6%
国際株式・グローバル・除く日本(H) 5.8%

■2017年

カテゴリー名 トータルリターン
(6カ月)
国内小型グロース 21.8%
国際株式・中国(H) 20.9%
国際株式・インド(F) 20.7%
国際株式・エマージング・複数国(H) 18.9%
株式ブル型 17.8%
国内小型ブレンド 16.3%
国際株式・中国(F) 14.7%
国内小型バリュー 14.4%
国際株式・欧州(F) 12.7%
国内中型グロース 11.8%

※ トータルリターン(6カ月)は、各モーニングスターインデックス(単純)を使用
※ (F)=為替ヘッジなし、(H)=為替ヘッジあり
※ 各年6月末時点
出所:モーニングスター作成

 原油、資源価格の動向などその時々の市場環境もあり、年によって国は異なるが、アベノミクスに日本株が沸いた2013年前半を除いて、主に新興国の株式市場に投資するカテゴリーが上位に浮上していることが分かる。新興国への投資は先進国のそれに比べてリスクが高いとされるが、先進国の経済成長が低位安定であるのに対して、新興国には高成長が見込める国が多い。長期的な視点で一定以上のリターンを挙げようとすれば、投資対象に新興国資産を組み入れるのも一法ではある。

2018年前半の候補は中国株式関連とインド株式関連

 さて、この流れが続くならば、2018年前半も新興国株式に投資するカテゴリーが上位に浮上してくると予想される。そこで、浮上候補を探ってみたい。下の図表2は、足元の状況を確認するため、2017年10月末時点の過去6カ月のトータルリターンを算出してリターン上位10カテゴリーを抜き出し(図表2−1)、次に、新興国資産に投資するカテゴリーに絞って上位10位までを抜き出した(図表2−2)ものである。

図表2:2017年10月末時点の過去6カ月のトータルリターン上位

■2-1. 全カテゴリー

カテゴリー名 トータルリターン
(6カ月)
株式ブル型 36.2%
国内小型グロース 27.0%
国内小型ブレンド 26.2%
国際株式・中国(F) 24.1%
国内小型バリュー 23.1%
国際株式・中国(H) 21.8%
国内中型グロース 21.5%
国内中型ブレンド 18.6%
国内大型グロース 18.3%
国内大型ブレンド 17.4%

■2-2.新興国関連カテゴリー

カテゴリー名 トータルリターン
(6カ月)
国際株式・中国(F) 24.1%
国際株式・中国(H) 21.8%
国際株式・エマージング・複数国(F) 13.1%
国際株式・エマージング・複数国(H) 12.2%
国際株式・エマージング・単一国(H) 12.1%
国際株式・ブラジル(F) 11.3%
国際株式・インド(F) 10.1%
国際株式・エマージング・単一国(F) 9.4%
国際株式・ロシア(F) 7.7%
国際債券・エマージング・複数国(F) 5.2%

※(F)=為替ヘッジなし、(H)=為替ヘッジあり
出所:モーニングスター作成

 図表2−1を見ると、「国際株式・中国」の堅調ぶりが目に付く。2018年前半に注目される新興国関連カテゴリーとして挙げることができるだろう。ただ、足元までの資金流出入状況を加味すると、新たなカテゴリーが浮上してくる。

勢いのあるインド株式関連

図表3:2017年10月までの主な新興国関連カテゴリー別の資金流出入状況

カテゴリー名 合計(6カ月) 合計(年初来)
国際株式・インド(F) 355,547 402,430
国際債券・エマージング・単一国(F) 196,778 326,692
国際株式・エマージング・複数国(F) 86,864 35,346
国際株式・エマージング・単一国(F) 22,769 25,122
国際株式・中国(F) 24,755 21,246
国際株式・中国(H) 1,492 1,599
国際株式・エマージング・複数国(H) 1,160 1,098
国際株式・ロシア(F) -2,759 -197
国際株式・エマージング・単一国(H) -212 -393
国際株式・ブラジル(F) -7,163 -7,938

※ 単位は百万円
※ (F)=為替ヘッジなし、(H)=為替ヘッジあり
出所:モーニングスター作成

 「国際株式・インド(F)」への資金流入が他を圧倒していることが分かる。リターンが良好で資金も堅調に流入している「国際株式・中国」はもちろんだが、勢いを加味すると「国際株式・インド(F)」がより注目されてこよう。

 そのインド株式市場は現在、非常に良好な状況にある。10月後半に政府が国営銀行への巨額の資本注入策と道路建設プロジェクトを発表したことが材料視されているほか、今月に入って米大手格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスが同国国債格付けを引き上げた。これらを追い風に、SENSEX指数は過去最高値圏での推移が続いている。インフラ関連銘柄を中心として、インド株式市場への熱視線が続くと予想される。

(武石 謙作)

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