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アナリストの視点(ファンド)

2017年純資金流出入ランキングで大幅なランクアップ!国際債券型の傾向は?

2018-01-11

 国内ファンド(確定拠出年金及びファンドラップ専用、ETF含む、以下、文中及び図表同様)の2017年の過去1年間の純資金流出入額を見ると、9兆1,564億円の流入超過となり、2016年の5兆5,882億円に比べ、約1.6倍もの資金が流入する結果となった。

 2016年と2017年の純資金流出入額をモーニングスター大分類別に集計する(図表1参照)と、両年ともに第1位は国内株式型となった。ただし、2017年の国内株式型の純資金流出入額の内訳は、アクティブファンドが5,811億円、パッシブファンドが4,493億円の流出超過、ETF(上場投資信託)が5兆8,998億円の流入超過となった。日銀によるETFの買い入れも大きく影響しているものと思われるが、国内株式型はETFの独り勝ちとなった。2017年に大きくランクダウンしたのは国際REIT型で、主力ファンドの分配金の引き下げが引き金となり、1兆569億円の流出超過となった。一方、大きくランクアップしたのは、国際債券型で1兆897億円の流入超過となり、2016年の流出超過から好転した。

図表1:2016年と2017年の大分類別純資金流出入額ランキング

図表1:2016年と2017年の大分類別純資金流出入額ランキング

※ モーニングスター大分類に基づき集計
※ 期間:2016年(2016年1月から12月まで)、2017年(2017年1月から12月まで)
※ 2017年12月はモーニングスターの推計値
出所:モーニングスター作成

国際債券型で最も資金を集めたのは・・・

 2017年に大幅なランクアップをした国際債券型を、より詳細に見ていくため、モーニングスターカテゴリー別で純資金流出入額を集計すると、21カテゴリー中10カテゴリーが流入超過、11カテゴリーが流出超過となった。流入上位5カテゴリー(図表2参照)では、複数の先進国に分散投資する「国際債券・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし、あり)」や「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」がランクインした。一方、国際債券型の中でも相対的にリスクが高いとされる新興国債券は1カ国に集中投資する「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」や主要格付会社がBa格やBB格以下の投機的水準と言われる格付けを付与した債券に投資する「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」が上位に入り、投資家のリスクオンの姿勢も覗かせた。

図表2:国際債券型のうち、2017年の純資金流入額上位5カテゴリー

図表2:国際債券型のうち、2017年の純資金流入額上位5カテゴリー

※ モーニングスターカテゴリーに基づき集計
※ 期間:2017年1月から12月
※ 2017年12月はモーニングスターの推計値
出所:モーニングスター作成

 さて、国際債券型で流入第1位となった「国際債券・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」だが、このカテゴリーに属するファンドはある傾向をみせた。野村アセットマネジメントの「野村 PIMCO・世界インカム戦略ファンド」シリーズ、三井住友アセットマネジメントの「三井住友・ピムコ・ストラテジック・インカムファンド」シリーズなど、債券運用に定評を持つ運用会社“ピムコ(PIMCO)”の名を冠するファンドが流入のけん引役となったのである。

ピムコが運用する債券ファンド、5年ぶりに流入超過へ

 国内では、ピムコの名が入るファンドが資金を集めたが、米国でもピムコが運用を行う米国籍ファンド(ETF含む)が資金を集めた。2017年1月から11月までの米国籍ファンド(ETF含む)を集計したところ、ピムコはバンガード、iシェアーズに次ぐ第3位で300億ドルの純資金流入となった。

 米国モーニングスターのUSカテゴリーグループ「課税債券」に属するファンドで絞ってみても、上位3社の順位は変わらず、同期間でピムコは309億ドルの流入超過となった。2013年以降、ピムコの債券ファンドの運用を指揮していたビル・グロス氏の後任問題に揺れ、2016年までの4年間で流出超過に沈んでいたものの、2017年はピムコの債券ファンドに復調の兆しが見えた(図表3参照)。ピムコの主力ファンドである「PIMCO Income」(オールデストシェアクラス)は、2017年12月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)が9.15%と、米国モーニングスターカテゴリー「マルチセクター債券」平均を3.88%上回り、カテゴリー内上位1%と好成績を収めたことも、資金を集めた要因の一つだろう。引き続き、債券ファンドへの純資金流入は続くのか、今後の動向にも注目していきたい。

図表3:ピムコの課税債券型ファンドの純資金流出入額推移

図表3:ピムコの課税債券型ファンドの純資金流出入額推移

※ ピムコの米国籍ファンド(ETF含む)で、米国モーニングスターのUSカテゴリーグループのうち、「課税債券」に属するファンド
※ 期間:2013年から2017年まで(2017年は11月まで)
出所:モーニングスター作成

(平井 綾香)

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