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アナリストの視点(ファンド)

安倍内閣の支持率が急落、国内政局のリスク高まる中で意識されるカテゴリーは?

2018-03-22

 安倍内閣の支持率が急落しています。直近の主要報道機関の世論調査によると、支持率は軒並み10%近く下落して30%台にまで落ち込み、不支持率が支持率を上回りました。いわゆる「森友問題」に対する国民の厳しい視線が浮き彫りとなった格好です。「森友問題」への批判を背景に、安倍内閣の先行き不透明感が深まっています。現時点で、安倍内閣は同問題に対する有効な対策を打ち出せているとは言えません。国内政局は当面、リスク含みの状態が続きそうです。

 金融市場では、2月の米国株式急落に端を発した世界的な株安以降、株安・円高というリスク回避スタンスが続いています。国内政局不安のほか、米国の保護主義的な政策による貿易リスクなどを考慮すると、目先もリスク回避スタンスの継続が見込まれます。ドル・円相場は昨年末の1ドル=113円台から105円台まで円高が進んでいますが、今後、1ドル=100円ラインが意識される場面もありそうです。

第2次安倍内閣発足以降の円高転換局面で優位だったカテゴリーは?

 第2次安倍内閣発足(2012年12月)以降を対象に、円高転換局円においてどのカテゴリーが相対的に優位であったのかを確認し、今後の備えの参考にしたいと思います。

 第2次安倍内閣が発足した2012年12月から足元までのドル・円相場の推移をみると、2015年7月(月末時点で1ドル=124.04円)から2016年9月(同1ドル=101.12円)にかけての円高進行が目立ちます。当時を振り返ると、中国の景気減速懸念や米利上げを巡る思惑、Brexit(英国のEU離脱)などを背景に、リスク回避スタンスが優勢でした。

図表1:第2次安倍内閣発足後のドル・円相場の推移

図表1:第2次安倍内閣発足後のドル・円相場の推移

※ 期間:2012年12月末−2017年2月末
出所:モーニングスター作成

 次に、同期間(2015年7月末−2016年9月末)におけるモーニングスターカテゴリー別のリターン上位(ブル型、ベア型を除く)をみると、以下となりました。REIT(不動産投資信託)型が目立ちますが、足元で国際型が資金流出基調にあることから、ここでは、その他のカテゴリーに着目します。

図表2:円高転換局面(2015年7月−2016年9月)におけるリターン上位10カテゴリー

図表2:円高転換局面(2015年7月−2016年9月)におけるリターン上位10カテゴリー

※ 期間:2015年7月末−2016年9月末
出所:モーニングスター作成

 その他の6カテゴリーのうち、同期間において資金流入超過であったカテゴリーは、「国内債券・中長期債」(3810億円の流入超過)、「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」(1274億円の流入超過)、「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」(287億円の流入超過)の3カテゴリーです。この3カテゴリーは、1ドル=124円から101円という急激な円高局面において、パフォーマンス面、資金流出入の両面において、相対的に優位であったといえます。

2つのカテゴリーを改めて意識

 翻って、直近で世界的な株安に見舞われた2018年2月以降のカテゴリー別のリターンをみると(ブル型、ベア型除く)、以下となりました。プラスリターンが2カテゴリーのみである中で、「国内債券・中長期債」がそのうちの1つとなったほか、「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」もマイナスとはいえ、その幅はわずかで底堅かったといえます。

図表3:2018年2月以降のリターン上位10カテゴリー

図表3:2018年2月以降のリターン上位10カテゴリー

※ 期間:2018年1月31日−3月19日
出所:モーニングスター作成

 リスク回避局面の債券買いという意味では妥当な結果ではありますが、今後、国内政局の不安定化などを背景に、リスク回避の円高が続く際には、「国内債券・中長期債」と「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」の2カテゴリーを耐性のあるカテゴリーとして改めて意識したいものです。

(武石 謙作)

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